スーパー耐久シリーズ2010
第6戦「HI-LAND SUPER TAIKYU 400km RACE」
2010年10月17日(1Dayレース)

 いよいよ今シーズンの戦いも終盤を迎えたスーパー耐久シリーズ。第6戦の舞台は杜の都・仙台にあるハイランドレースウェイ。その1Dayイベントは10月17日に開催され、朝から秋晴れの天気に恵まれた。

 予選でフロントローをまたも独占したPETRONAS SYNTIUMチーム。1号車においては5戦連続のポールポジション獲得となり、レースでもその勢いが止ることはなかった。

 スタートダッシュで大きなアドバンテージを築いた1号車は、磐石のレース運びでバトンをつなぎ、シーズン6勝目をマーク。最終戦を待たずしてシリーズタイトル獲得を達成した。一方の28号車は中盤以降、スロットルの電気系トラブルに見舞われたが、クルマを労わりながら走行を続け、2位でチェッカー。前回に続いて1-2フィニッシュを果たしている。

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□■ 予選 天候:晴 
■□ No.1:1位 (3'41.243)  No.28:2位 (3'41.865) *タイムはA、Bドライバー合算タイム
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【ルーキー2選手が渾身のアタック。チームはフロントローを独占】

 今回、PETRONAS SYNTIUM チームはBドライバーの予選アタッカーとして、イムラン・シャハロム(1号車)とメルビン・モー(28号車)のルーキードライバーふたりを指名。レギュラードライバーとしてほぼワンシーズン、キャリアを積んできたふたりに新たな挑戦をしてもらうのが狙いだ。そして、これまでの集大成となる渾身の一発を実現すべく、シャハロム、モーの2名は申し分のないアタックを披露した。一方、ひと先に行われたAドライバー予選では、1号車の谷口信輝がトップタイムを、そして28号車の片岡龍也が2番手タイムをマーク。合算タイムの結果、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEは1号車が5戦連続のポールポジション獲得を果たし、28号車がその隣、2番手につけ、前回に引き続いてフロントローに並ぶこととなった。

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□■ 決勝 天候:晴れのち曇り 
■□ No.1:1位優勝  No.28:2位
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【1号車は磐石なレース運びを披露。28号車はハプニングを乗り越え、2位キープに成功】

 午後12時30分からの決勝を前に、薄曇りの空がサーキット一面に広がったが、終始安定した天候の中、99周にわたるレースが展開された。オープニングラップからダッシュを見せたのは、1号車の谷口。2位以下とのギャップを広げるまでにそう長くの時間を必要としなかった。

 トップを好走する谷口。足裏の火傷を治療中だった前回の岡山戦で出走を見送ったことから、このハイランド戦にかける意気込みが十分に伝わる士気あふれるパフォーマンスを披露する。そして迎えた32周のピットイン。32秒を超える申し分ないマージンを作り上げ、シャハロムへと交代した。

 一方、28号車のスタートドライバーはハイルマン。ストレートスピードのあるNo.8 ポルシェに1コーナーの飛び込みで先行され、さらにはNo.25 ポルシェとの攻防戦をも強いられる。だが、ハイルマンは粘り強く、1台、また1台とパッシングの機会を伺い、元のポジションまで復帰を果たす。しかしすでに2台のポルシェとの攻防戦でタイヤを酷使、惜しくも満足のいくスピードでトップを猛追するまでには至らなかったが、着実な走りを持続させ、自身のスティントを完遂。2番手のモーにステアリングを委ねた。

 谷口からもらったリードを守るべく、シャハロムも懸命の走りに徹する。最初のルーティンワークが済むと、ほどなくして再びトップの座に返り咲いたが、その後もペースを緩めることなく順調に周回数をこなしていく。そして65周終了時点でピットイン。待ち構えたスタッフも落ち着いてピット作業を済ませ、柳田真孝をコースへと送り出した。

 また、28号車のモーも順調に周回数を重ね、徐々にペースアップ。逃げるシャハロムとの差を縮めようと善戦を続けた。ところがスティントの終盤、シャハロムはスロットルに異変を感じ取る。アクセルを踏んでも加速しないことを無線で告げた結果、チームは予定よりも早いタイミングでのピット作業を決断。64周終わりで、シャハロムをピットインさせた。

 ピットに戻ってきた28号車。ドライバー交代、タイヤ交換、ガス補給など通常の作業に加え、トラブルが発生したスロットルもスタッフが手早く確認する。その後、コースインした片岡はまず慎重にアウトラップを行い、クルマの状態をチェック。以後ペースを上げるも、スロットルのトラブルは発生せず。さらにレース終盤には、1号車の柳田とほぼ同じペースで周回。突然のトラブルはアンラッキーとしか言えないものであったが、タフな状況を乗り越え、そのまま2位でチェッカーを受けることに成功した。

 今や完勝目前となった1号車。今回は予選を皮切りに、レース序盤からルーティンワーク後のポジションダウンを除き、つねにトップを死守。最後にステアリングを握った柳田においては、大量マージンを得ながらも最後まで攻めの走りを貫徹。結果、2位におよそ45秒の大差をつけ、完勝を遂げた。なお、今回の勝利で1号車は今シーズンのシリーズチャンピオン獲得が決定。併せて2年連続タイトル獲得を果たしている。

◆鈴木哲雄監督
今回は、すべていい流れの中でレースができました。予選では若手ドライバーをBドライバーとして起用しましたが、最終戦がオーバルコースになるため、ここで1年の集大成としてアタックを担当してもらいました。これもうまくいきましたね。プレッシャーがかかる中でしっかり仕事をしてくれたと思います。レース自体は周りが感じるほど、決して楽勝ではなく、どちらのクルマも気の抜けない状態でした。今回で1号車が連覇を達成しましたが、これは、1年を通じてドライバーをはじめスタッフみんながキチンと冷静に仕事をこなしてきた積み重ねだと思います。

◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
前回、岡山ではレースを休ませてもらったので、今回はその分まで仕事をしっかりしようと思っていました。予選での最速タイムはもちろん、決勝ではイムランが心理的にプレッシャーを感じずに済むほどのギャップを作り、バトンを渡そうと思ってました。今回でシリーズタイトル2連覇を達成しましたが、1号車にとってタイトル獲得は一番の目的。それが最終戦を待たずしてできたことは良かったと思います。全7戦すべて勝ちたいので、最終戦も勝ちを狙っていきます。

柳田真孝
今回は予選アタックを担当しなかったので、午後の決勝からいきなり全開モードで走ることになりましたが、谷口さんとイムランがしっかりと仕事をこなしてくれたので、僕は何も心配することなく最後のスティントを担当することができました。今回でシリーズ2連覇を達成することができましたが、ディフェンディングチャンピオンである以上、タイトル獲得はある意味当然の使命だったとも思っています。チームメイト、スタッフに恵まれた結果、手にすることができたタイトルだと思うので、みんなに感謝したいですね。

イムラン・シャハロム(Imran Shaharom)
今回は練習走行の時点からいい流れを感じながら、初めての予選に挑むことになりました。いつもアタックを担当している柳田さんからはたくさんのアドバイスをもらえて、とても感謝しています。出走前にはとてもナーバスになりましたが、アタックそのものはうまくいって、いいタイムが出せました。結果、ポールポジション獲得につながったし、レースでもいい走りができたと思います。クルマもノートラブルだったし、すべてうまく運びました。優勝し、しかもチャンピオンを獲得することができて、とてもうれしいです。

◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
メルビンがスロットルの調子が悪いと言うので、ピットインのタイミングが早まりました。交代まで10周くらいのときだったので、すでに乗り込む準備もできていたので、あわてることはなかったです。コースインし、まずは1周チェックすることになりました。でも、トラブルらしきものは出なかったので、そのまま周回を重ねました。結果オーライですが、思わぬハプニングでロスタイムしたので、トップとの差がついたことは残念です。でも、僕らは去年ここでリタイヤしていたので、今日の結果は良かったと思います。

ファリーク・ハイルマン(Fariqe Hairuman)
スタート直後、ポルシェがとても速くて1コーナーで先行されました。そこで4周近くポルシェの後ろを走ることになってしまいました。再び逆転して2位に上がったあとは差が開いてしまった1号車の谷口さんとの距離を詰めるべく、プッシュしたのですが、いわゆるタイヤのおいしいところはすでに終わっていて、思うような走りができませんでした。とはいえ、今日はベストを尽くした結果の2位だったと思います。

メルビン・モー(Melvin Moh)
今回、初めてBドライバーとしてタイムアタックすることになり、緊張しました。でもその中で、うまくアタックできたと思いますし、いいタイムをマークすることができてとてもうれしいです。残念なのは、アタックラップのときに渋滞に引っかかってしまったこと。このような状況をうまくクリアできるようになるのが、今後の課題です。レースでは安定したタイムを刻めたと思います。ただドライブ中、終盤になってときどきスロットルに異変を感じるようになったので、予定を少し早めてピットインすることになりました。その後は大事に至らず、最後までレースを走りきることができたので良かったと思います。

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