スーパー耐久シリーズ2010
第7戦・最終戦「MOTEGI SUPER TAIKYU OVAL BATTLE」
2010年11月27日(1Dayレース)
3月下旬に幕を開けたスーパー耐久シリーズの最終戦が、11月27日、栃木・ツインリンクもてぎにて開催され、小春日和の中、国内レースとして唯一となるオーバルレースでの戦いが繰り広げられた。
オーバルとはいえ途中2箇所にシケインが設けられた特設コースでの戦いは、ショートコースながらストレートでの加速とシケインでの急激なブレーキングというハードワークが続くため、通常のレースとは異なる難しさを持つ。今回は、ストレートでの速さを武器とするライバルのポルシェを相手に、予選からやや厳しい展開になると予想された。
決勝は、第1レースにおいてピット作戦が奏功。ライバルとの善戦を披露したが、続く第2レースは予期せぬ同士討ちとなり、惜しくも1号車は今季初のリタイヤ。一方で、28号車は最後まで意地を見せ、クラス2位でフィニッシュ。シリーズランキングではすでにチャンピオンを決めている1号車に続き、28号車が2位の座を獲得して1年の戦いを終えている。
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□■ 予選 天候:晴 *タイムはA、Bドライバー合算タイム
■□ No. 1:第1レース 3位(1'41.573) / 第2レース 2位(1'42.139)
□■ No.28:第1レース 2位(1'41.412) / 第2レース 3位(1'42.605)
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【予選は2&3位ながら、決勝への手ごたえは十分!】
最終戦は、ワンデーレースながら決勝レースを2戦行うというタイトなスケジュール。まずは、午前中に予選が行われた。通常、A、Bドライバーが予選を行い、その合算タイムで決勝グリッドが確定するが、今回は、各ベストタイム合算が第1レースの、そしてセカンドベストタイム合算を第2レースの予選順位として採用することとなった。
PETRONAS SYNTIUM チームでは、ライバル・8号車ポルシェがストレートスピードに優れているため、よりいっそう手強いライバルになることを承知していたが、今季最終戦を迎え、若手ドライバーに集大成を見せてもらうことを第一とし、予選から積極的に起用することとなった。結果的には、8号車に先行を許したが、1号車(柳田真孝、イムラン・シャハロムが担当)、28号車(ファリーク・ハイルマン、メルビン・モーが担当)が揃って2位と3位を分け合うことになり、レースでの逆転に期待がかかった。
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□■ 決勝 天候:晴れ(第1レース) / 晴のち曇り(第2レース)
■□ No. 1:第1レース 2位 / 第2レース リタイヤ
□■ No.28:第1レース 3位 / 第2レース 4位(全クラス)・2位(ST-1クラス)
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【最終レース、1号車は予想外のリタイヤ。28号車はランキング2位を獲得!】
<<第1レース>>
予選アタック後には恒例のピットウォークが行われるなど、タイトなスケジュールだった今回。一方で、第1レースの決勝を前にもてぎは穏やかな日差しが差し込み、絶好のレース日和となった。
PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台は、1号車がイムラン・シャハロム、そして28号車はファリーク・ハイルマンが各スタートドライバーを担当。ハイルマンはポールポジションスタートのポルシェとの差をキープし、安定したペースで周回を重ねていく。一方、シャハロムもオーバルコースにきっちり対応。落ち着きある走行を見せた。
レースは3周目に早くもバックマーカーが現れる状況。さらにはコース上の落下物回収のため、10周終了から6周回にわたりセーフティカーがコースインする。これぞ逆転のチャンス! と勢いをつけたいところではあったが、レース再開時にはトップ8号車との間にバックマーカーがいたこともあり、あらためてストレートで差をつけられてしまった。
だが、PETRONAS SYNTIUMチームも諦めない。先にピット作業を終えた8号車に対し、22周終了で3番手走行中の1号車がピットイン。柳田真孝へとスイッチした。そしてピット前には交換用として右リアタイヤが準備されていたが、チームは無交換を敢行。これで作業時間を短縮し、ポジションアップを狙った。一方、2番手にいた28号車は24周終了でピットイン。こちらはリアタイヤを交換し、片岡龍也がコースへと向った。
暫定トップに立った片岡だったが、ストレートスピードに秀でたポルシェに対し、ブレーキングで差を詰めるものの、ショートコース上に混在するバックマーカーに行く手を阻まれ、思うような走りができない。結果、再びポルシェがトップに立ち、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台は2、3番手から追随することとなった。
レースは終盤、3番手にいた柳田のペースが上がり、2番手片岡との好バトルを展開。ファイナルラップ、チェッカー直前にはサイド・バイ・サイドの状態となり、そのままフィニッシュラインを通過。判定の結果、柳田が2位、片岡が3位に。まさに「鼻の差」勝負の劇走に、スタンドが大いに賑わった。
<<第2レース>>
午後に入ると、にわかに曇り空が広がってきたもてぎ上空。午後2時40分、今シーズンのラストレースとなる50周の戦いが幕を開けた。
レースは第1レース同様、8号車ポルシェがポールポジションから先行。これを追ったのが、予選3番手スタートの28号車メルビン・モーだった。好スタートを切ったモーはまず1号車谷口信輝をかわし、逃げるポルシェを追う。が、ペースを上げてきた谷口がモーをかわし、再び2番手へ。序盤、PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPEの2台がクリーンなチームバトルを展開し、レースを盛り上げた。
だが、9周目のターン3に設けられたシケインでまさかの事態が発生する。2位の谷口は首位ポルシェにじりじり詰め寄り、後方からプレッシャーをかけて走行中。ブレーキングを利用し、逆転のチャンスを伺っていたが、なんとそのとき、後続のモーがレイトブレーキングの末、止まりきれず谷口に衝突。28号車は右フロントノーズにダメージを受けつつも走行を続けたが、1号車はその場でしばらくストップ。のちに再スタートを切ったもののそのままピットへとクルマを戻し、レースを終えることとなった。
このアクシデントに対し、28号車にはドライビングスルーペナルティが課せられることになり、モーは17周終了でピットイン、ペナルティを消化。そして20周終了時、ハイルマンへとドライバー交代した際にノーズ修理を行ったため、ポジションダウン。第1レースに続きステアリングを握ったハイルマンは厳しい状況からの追い上げを強いられた。
結果、ポルシェに先行を許したままレースは終盤を迎えたが、ハイルマンは不安定なクルマを巧みに操り、ポジションアップ。総合4位、ST-1クラス2位でチェッカーを受けた。一方、シリーズランキングでは1号車に続き、2位を獲得。今季もPETRONAS SYNTIUMチームは、ランキング1-2でシーズンを終了することに成功した。
◆鈴木哲雄監督
最後のレースでいい結果を残せなかったのは残念ですが、経験値の差が出たのでしょう。また、特に今回はタイヤをもたせることが難しい状態だったと思います。第1レースではセーフティカーがコースインしたので、少しタイヤをセーブすることができましたが、あれがなければ、もっと厳しい状態になったと思います。第2レースは、リアの右1本のみ交換の予定でした。今シーズンの戦いを振り返り、チームとしてはパワーアップもできたし、ドライバーもしっかり奮闘してくれたと思います。仙台、もてぎと終盤に30kgのウェイトを搭載することになり、クルマにも負荷をかけることになりました。難しいコンディションでの戦いでしたが、みんなよく乗り越えたと思います。
◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝(第2レース担当)
トップの8号車を追いかけて抜くチャンスを待っていました。ターン3のシケイン入口で8号車に続いてコーナーに入ったんですが、多分メルビン(・モー)は気持ちが走りを上回り、突っ込み過ぎたんでしょう、彼自身もバックマーカーがいる中で少し焦りがあったのかもしれませんね。そこそこ衝撃を受けたので、残念ではありましたが走行をやめました。最後に同士討ちになってしまったのは予想外でしたね。とはいえ、ハイランドでチャンピオン獲得を決めることができたし、チームも完璧な仕事をしてくれました。クルマもトラブルなしに1年戦えたことをうれしく思います。
柳田真孝(第1、2レース担当)
第2レースは残念な結果となり、僕は走れませんでしたが、シーズンを振り返って改めて感じたのは、いいチームスタッフ、チームメイトと一緒にタイトルが取れたことへの感謝です。また、先輩としての仕事もできたと思うし、若手選手の成長も楽しませてもらいました。今日の第1レースでは、右リアの交換を予定していましたが、無交換でいきました。もう少し速さがあれば、ポルシェも抜けたかと思いますが…。難しいレースでした。最後、片岡選手に追いつくとは思わなかったんですが、結果的に逆転してしまった、という感じです。
イムラン・シャハロム(第1レース担当)
オーバルコースでのポルシェはとても速かったですね。ストレートでどうしても離されてしまうので、逆転することは難しい状態でした。しかしながら、僕たちのクルマの状態はすごくよくていい走りもできました。スピード差のあるクルマがコース上にいるからしっかりと集中して走ることが必要でした。オーバルでのドライブ自体は難しいとは思いませんでしたが、タフな戦いだったと思います。
◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也(第1レース担当)
タイヤはライフ的に大丈夫だと思いましたが、速度もそれなりに高く、万全を期してタイヤ交換しました。ピットインのタイミングも、作戦もうまくいき、トップでコースに復帰できたのですが、それでもポルシェが速かったですね。オーバルコースでの戦いなので仕方ない部分はあったと思いますが、それにしても今日は色々タイミングの悪さが目立ってしまいました。第1レース最後には、柳田選手に僅か先行される結果になってしまったし…。今シーズンを振り返り、1号車より少し流れがなかったかなとは思いますが、トラブルもなく、若手選手もしっかりとガンバってくれたと思います。
ファリーク・ハイルマン(第1、第2レース担当)
第1レースはいいラップタイムを刻みながら走ることができました。今回、ストレートが速いポルシェにしっかりついていくことを心がけました。正直、トップスピードに差がありましたね。今朝の予選ではフロントバンパーにダメージを負ってしまったのですが、スタッフが手早く修復してくれて、決勝でのクルマの仕上がりはとてもいいものでした。第2レースは、ダメージを受けたクルマで走ることになったので、挙動が少し不安定な状態でした。特にハンドリングが気になりましたね。ラップタイムも思うように伸びなかったし、前にいるクルマもすぐパッシングできる状態とはいきませんでした。しかし、できる限り粘ってなんとか総合4位でフィニッシュすることができました。シーズン中、結果的にあと一歩届かない部分もありましたが、しっかりとレースができたことに対しては満足しています。
メルビン・モー(第2レース担当)
スタートがうまくいき、谷口さんを抜くことができました。でもしばらくすると谷口さんのペースがさらによくなりましたね。その後、バックマーカーが出てきたときに、うまく処理することを少しためらった感じになり、さらに95号車をパスしたときにはリアがとても不安定な状態になってしまい、そのままの勢いで谷口さんに追突してしまいましたす。避けられなかったアクシデントだったのですが、シーズン最終戦だったので、きちんと結果は残したかったですね。それがとても悔しいです。ツラい経験にはなりましたが、今後の学習にはなったと思います。シーズンを振り返り、レース経験を重ねるごとに速さもノウハウも徐々に身につけることができました。
