レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは、来季に向けて競争力の高いパワーユニットを得られなければ、同チームはF1に参戦することができないと述べ、F1に残れるかどうかは「エンジンサプライヤーの考え次第」であると語った。

 今週、ルノー社の会長カルロス・ゴーンが、もはやパワーユニットサプライヤーとしてのF1活動は行うつもりはなく、撤退するかワークスチームとして参戦するかのどちらかであると発言した。ルノーとレッドブルおよびトロロッソとは2016年末までの契約を結んでおり、ゴーン会長はこの契約は尊重すると述べているが、現在両者は契約の見直しについて協議していることも分かっている。

 レッドブルは現在最強のエンジンであるメルセデスの供給を受けることを望んでいたが、レッドブルを脅威と考えるメルセデスは契約を結ばないことを決めた。そのためフェラーリへのスイッチが現実的な唯一の選択肢と考えられる。

 フェラーリのチームプリンシパル、マウリツィオ・アリバベーネはレッドブルへのパワーユニット供給に関して前向きな発言を行っているが、最終決定は会長セルジオ・マルキオンネが行うことになる。

 来年に向けてF1で1年落ちのエンジン供給を認めるよう規則変更を行う動きがあるものの、レッドブルはそういった契約を受け入れるつもりはないと考えられている。

 2016年の参戦の可能性について聞かれたホーナーは「それは先方が我々にF1に残ってほしいと思うかどうかにかかっている」と答えた。
「エンジンがなければ参戦できない。(オーナーの)ディートリッヒ・マテシッツは、競争力の高いエンジンを望んでいる。それは以前から明言していることだ」

 メルセデスの上層部がレッドブルへの供給を行わないことを決めたことに関し、ホーナーは驚きも失望もないと語った。

「(メルセデス・モータースポーツのボスである)トト(・ウォルフ)がレッドブルを脅威と考えているのは理解できる」
「自分たちの最大の財産のひとつをライバルに供給したいとは思わないだろう。トトはそういった立場を明らかにしている」
「正直言って、それは予想していたことだ。トトは最初からレッドブルに供給するという案には反対だった。本社上層部は彼よりはこの話に関心があったようだが」

「とにかく(メルセデスは)もう選択肢ではないので、他に注意を向けている」

 フェラーリとの交渉はどの程度進んでいるのかと聞かれたホーナーは、「他のエンジンについて検討する前に、ルノーの2016年のプランについて知る必要がある」として、まずはルノーとの話し合いに集中してから他の選択肢について本格的に考えるつもりだと述べた。しかし「競争力の高いエンジンを確保しようと思うと選択肢はかなり限られる」と認めている。

 新たなパワーユニット契約に加え、レッドブルにとっては、今後被るであろう多額の損失も大きな問題になると考えられる。

 レッドブルは昨年コンストラクターズ選手権2位だったものの、今年は12戦終了時点で3位のウイリアムズとは大差のランキング4位。昨年より順位を落とすことは確実で、そうなるとプライズマネーが大幅にダウンすることになる。

 また、ルノーとの契約解消に伴い、タイトルスポンサーのインフィニティとフランスの石油会社トタルのサポートも失う見込みであり、さらにレッドブルからルノーに対して契約の早期解消を求める通知を送ったことから、違約金を払う必要が出てくるかもしれない。こういった状況を考えると、来季に向けてレッドブルは多額の経済的損失を被ることになりそうだ。

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