英AUTOSPORTが2013年カナダGPを戦った22人のドライバーを10点満点で評価した。予選、決勝ともに自己ベストの結果を出したジャン‐エリック・ベルニュに満点が与えられ、決勝中他車との接触を繰り返したギド・バン・デル・ガルデらには最低点の評価が下された。
英AUTOSPORT誌のF1担当編集者エド・ストローは、今回トロロッソのベルニュにのみ満点をつけた。ベルニュは7番グリッドから6位を獲得した。
「ベルニュは大きな進歩を見せつつある。この調子でいけばレッドブルは2014年ドライバーの有力候補に彼を加えることになるだろう」とストロー。
「(予選の)濡れた路面でチームメイトよりも快適に走り、余裕でQ3入りを果たし、キャリアベストの7番グリッドを獲得した。レースでの走りを素晴らしく、これ以上ないパフォーマンスだったため、10点をつけた」
優勝したレッドブルのセバスチャン・ベッテル、3位メルセデスのルイス・ハミルトン、予選3位という驚きの結果を出したウイリアムズのバルテッリ・ボッタスには9点が与えられた。
ポール・トゥ・フィニッシュのベッテルは、天候にかかわらず「尋常でない才能を発揮し、Q3で見事な1周を走りポールを取った」と評価されている。
「(決勝では)典型的なベッテルスタイルで序盤に後方を引き離して独走。2回ひやっとする場面があり、ターン3出口でウォールに接触、リヤが乱れてターン1でコースオフを喫した。そのため満点とはならなかった」
ハミルトンは2番グリッドから3位でフィニッシュした。
「予選ではラップの3分の2の時点まではトップだった。しかし最終セクターは濡れており、最終シケインをうまく抜けたとしてもベッテルのタイムには届かなかったかもしれない」
「決勝では、タイヤをうまく管理し、必要な時にプッシュし、いい走りをした。(彼自身は沈んだ雰囲気だったが)そのような振る舞いを見せるほど悪い週末ではなく、優れたパフォーマンスを発揮していた」
ボッタスは複雑なコンディションとなった予選で3番手をマーク、しかし決勝では14位に沈み、残念ながらウイリアムズ今季初入賞は果たせなかった。
「スーパースターはチャンスが訪れたときにとてつもない才能を発揮し、真のポテンシャルを見せつけるものだ。カナダ予選のボッタスがまさにそうだった」
「予選3位はまぐれではない。コンディションが多少助けになったとはいえ、彼自身の力で出した結果だ」
「レースではいつものウイリアムズの調子に戻ってしまい、彼がこれより上でフィニッシュできる可能性はなかった。予選はもちろん素晴らしかったが、決勝でのパフォーマンスは結果よりもずっと優れたものだった」
今回の最低点4点は、エステバン・グティエレス、ダニエル・リカルド、ギド・バン・デル・ガルデの3人に与えたれた。
15番グリッド、20位(完走扱い)のザウバーのグティエレスは、予選に苦しみ続けチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグより1秒遅かった。
「決勝ではマシンの性能を考えれば速さがないのは仕方がないが、ピットから出たところでロックアップしてタイヤバリアに突っ込んだのは恥ずかしい」
11番グリッド、15位完走のトロロッソのリカルドは、「リヤエンドのグリップがなく苦しみ、悲惨なレースになった」と評されている。
21番グリッド、決勝リタイアのケータハムのバン・デル・ガルデは、ウエットでのコースアウトが多すぎ、予選では肝心なラップで大きなミスをした。
「決勝では最初はウエーバー、後にヒュルケンベルグと接触、両方とも彼は周回遅れの立場だった。ここ数戦、進歩を見せていただけに残念だ」
各ドライバーの点数は以下のとおり(10点満点)。
●レッドブル・レーシング
セバスチャン・ベッテル:9点
マーク・ウエーバー:7点
●フェラーリ
フェルナンド・アロンソ:8点
フェリペ・マッサ:5点
●マクラーレン
ジェンソン・バトン:6点
セルジオ・ペレス:7点
●ロータス
キミ・ライコネン:7点
ロメイン・グロージャン:5点
●メルセデス
ニコ・ロズベルグ:7点
ルイス・ハミルトン:9点
●ザウバー
ニコ・ヒュルケンベルグ:8点
エステバン・グティエレス:4点
●フォース・インディア
ポール・ディ・レスタ:8点
エイドエイアン・スーティル:6点
●ウイリアムズ
パストール・マルドナド:6点
バルテッリ・ボッタス:9点
●トロロッソ
ジャン-エリック・ベルニュ:10点
ダニエル・リカルド:4点
●ケータハム
シャルル・ピック:6点
ギド・バン・デル・ガルデ:4点
●マルシャ
ジュール・ビアンキ:7点
マックス・チルトン:6点