スーパーGTの今季最終戦ツインリンクもてぎは8日、53周の決勝レースが行われポールポジションからスタートしたARTA NSXがNSXラストレースで優勝。有終の美を飾った。シリーズチャンピオンは2位に入ったPETRONAS TOM'S SC430が獲得。GT300クラスはダイシン アドバン Ferrariがレースを制し、3位に入ったウェッズスポーツIS350がチャンピオンを獲得している。
早朝の青空こそなくなったものの、温暖な気温の下切られたフォーメーションラップ。事前にM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7がエンジン交換を行ったが、こちらは無事にスターティンググリッドに間に合っている。
緊張の中迎えたスタート。ポールスタートのARTA NSXがトップを守って1コーナーに飛び込んだかと思われたが、続く2コーナーで2番手スタートのPETRONAS TOM'S SC430がインへ飛び込み、PETRONAS SC430が一気にトップを奪取! ARTA NSX、ENEOS SC430と続き、ZENT CERUMO SC430、MOTUL AUTECH GT-Rと続く。
序盤、PETRONAS SC430がレースをリードしARTA NSXが続くが、4番手のZENT SC430のペースが上がらず、5番手のMOTUL GT-R以下を抑える展開となる。このままでは前を逃す展開となってしまうMOTUL GT-Rは、懸命にZENT SC430をオーバーテイクしようとチャレンジ。4周目の90度コーナーでやや強引に接触しながらもインへダイブ! ZENT SC430をオーバーテイクすることに成功するが、8周目の1コーナーで2台が再び軽く接触するなど、その後方のHIS ADVAN KONDO GT-R、DUNLOP SARD SC430と一団になって激しいレースが展開される。
MOTUL GT-Rは早めにピットで準備が進み始め、18周終了時点でピットに入るべくスタンバイが終了する。しかしその周、最終コーナーでMOTUL GT-Rは失速! さらにその周のS字を過ぎたあたりで左フロントタイヤが破損! 裂けたタイヤが大きくカウルを壊してしまいガレージで作業を強いられることに。これでタイトルの可能性がほぼ無くなることになってしまった。
トップを走っていたPETRONAS SC430だが、ARTA NSXはピタリと続き独走を許さない展開。PETRONAS SC430は23周目にピットに入り、アンドレ・ロッテラーから脇阪寿一に交代。一方のARTA NSXは32周目まで引っ張りラルフ・ファーマンから伊沢拓也に交代する。ここで4本タイヤ交換を行ったARTA NSXはPETRONAS SC430の前で復帰! いったんはコールドタイヤの状態で接近を許すも、フレッシュな状態の伊沢は少しずつ脇阪とのギャップを築き始めた。
36周目、5コーナーでJ-TRUST F-PROおうとキット ポルシェがストップし、オイルが流出した状態になってしまう。この処理のためにセーフティカーが導入され、レースは緊迫のまま仕切り直しとなる。レースは40周目にリスタートが切られるが、ここで伊沢が盤石のスパート! そのままARTA NSXがトップで逃げ切り、今季2勝目を飾った。
チャンピオンを獲得したのは、2位に入ったPETRONAS TOM'S SC430! MOTUL AUTECH GT-Rの無得点もあり、見事逆転王者を獲得することに。脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組とトムスにとって、2006年以来のチャンピオン獲得となった。
3位には終盤猛追をみせPETRONAS SC430の背後まで迫ったKEIHIN NSXが入り、NSXラストレースで表彰台に2台が入ることに。序盤から3番手を走行していたENEOS SC430は4位でチェッカー。DUNLOP SARD SC430が5位となった。
GT300クラスはスタートからダイシン アドバン Ferrariが好調なペースでレースをリード。ARTA Garaiyaが続くが、1周目にM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7がARTA Garaiyaをパス。ウェッズスポーツIS350がそれに続く。
ランキング首位のウェッズスポーツIS350は19周目にCOROLLA Axio apr GTの先行を許すも、その直後にピットイン。ここでタイヤ無交換でドライバー交代と給油のみを済ませる。一方、ダイシン アドバン FerrariやARTA Garaiyaは4本交換。各陣営ピット作業を終えるとダイシンが変わらずリード、ウェッズスポーツIS350、アップル・K-one・紫電、M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7、ARTA Garaiya、JIMGAINER ADVAN F430という上位陣になる。
この中で、ARTA GaraiyaはJIMGAINER F430との攻防の中、2コーナーで軽い接触の後コースオフ! グラベルに埋まってしまい、無念の後退となってしまう。J-TRUST ポルシェのエンジンブローにより途中セーフティカーが導入されたが、その後もダイシンはレースをリードした。
終盤、トップのダイシンにはM7 雨宮SGC 7が急接近! その後方ではタイヤが厳しいウェッズスポーツIS350がJIMGAINER F430の追撃を防ぐ展開となるが、M7 雨宮SGC 7がトップを奪うとM7 雨宮SGC 7がチャンピオン、トップがそのままでウェッズスポーツIS350が3位を守ればウェッズスポーツIS350が王者となるため、緊迫の展開となる。
しかし、順位は揺るがずダイシン アドバン Ferrariが今季2勝目! M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7が2位、3位にはウェッズスポーツIS350が入り、ウェッズスポーツIS350が2009年GT300クラスチャンピオンを獲得することとなった。織戸学にとっては1997年にRS☆Rレーシングチーム with BANDOHで獲得して以来のGT300王者となった。