7月28日に宮城県のスポーツランドSUGOで開幕するスーパーGT第4戦。毎年ドラマチックなレースが展開されるファンにも人気のレースだが、今季は土曜の予選日に、ポールポジションを決する戦い以外にももうひとつの“戦い”が存在する。
今回のスーパーGT第4戦には、GT500クラスが15台、GT300クラスが25台と総勢40台がエントリーする。今季開幕戦岡山、第2戦富士と同様の台数だが、開幕2戦と違うのが、今回の第4戦スポーツランドSUGOの最大出走可能台数が38台となっていることだ。つまり、2台が、いわゆる“予選落ち”を喫することになる。少なくとも今のスーパーGTという名称になって以降はこのケースが発生したレースはないこともあり、どういうプロセスで土曜日に“予選落ち”が発生するのかを予習しておこう。
まず、スーパーGTでは全車両とも28日の12時40分からスタートする公式予選Q1でタイムの計測を受けなければならない。ここで各クラストップ10に入った車両が14時30分からスタートする予選スーパーラップに進出することになるが、Q1の時点で下位2台のマシンは、最大出走台数を越えるため決勝レースの参加ができなくなる。
ただ、スーパーGTには“シード権”という仕組みがあり、2011年のスーパーGT全戦に参加し、2011年度獲得ポイントランキング上位15台のマシンは、すべての提出書類が完備され、車両検査による安全性が確認されている限り決勝レース出場権が保証されている。
もし仮に、予選Q1でシード権獲得チームがGT300クラスの出走25台中24〜25番手に入っていた場合、シード権獲得チームの決勝出走が優先されるため、23番手以上のマシンの下位から“予選落ち”枠になっていく形になる。このシード権チームは3月に発表されており、GT500は全車、GT300は今季参戦していないSAMURAI Team TSUCHIYAをのぞく14台がシード権を保有する。すなわち、GT500クラスには“予選落ち”は発生しないということだ。
予選Q1で出走可能台数を超える2台に入ってしまった車両は、そのままレース出場をあきらめ撤退か……というとそういう訳でもない。補欠指名を希望するエントラントは、公式予選暫定結果発表後30分以内に補欠として待機する意思を届け出ると、決勝出走を目指して待つことができる。もし決勝出走を決めたマシンの中で、アクシデント等でリタイアが決まった等、決勝出走台数に空きができた場合のみ補欠車両はレースに出場することができる。遅くとも決勝レーススタート2時間前に発表される最終のスターティンググリッド表で発表されるシステムだ。その後は通常のレーススケジュールに沿って参戦することになる。
GT300クラスはランキング上位でも、現在8位のS Road NDDP GT-Rなどはエントラントとして昨年参戦していないこともあり、シード権がない。もしマシントラブル等が発生してしまうと大変な事態になりそうだ。GT300クラスでシード権を保有していないマシンは11台。予選Q1はこれらのマシンによる“もうひとつの戦い”に注目したいところだ。
