2011年10月、台湾南部のリゾート地である大鵬湾を臨む地に建設されたサーキット、『大鵬湾国際サーキット(ペンベイ・サーキット)』。スーパーGT開催を目指すというこのコースに、オートスポーツ編集部員が訪れた。
このペンベイ・サーキットは、台湾南部のリゾート地、大鵬湾に建設されたFIAグレード2規格のサーキット。全長は3500mで、日本で言うとスポーツランドSUGOや岡山国際サーキットほどの広さにあたる。オートスポーツ編集部員がコースを訪れ、その地に立ってみると驚くほどコースはフラット。最大高低差は±40cmというから驚かされる。
コースを案内してくれた許宏彬総経理(日本で言うところの社長職)によれば、このコースは日本統治時代の旧日本海軍航空隊の基地跡に建設されており、コースは必然的に高低差のないコースになったとか。最終コーナー付近にも、飛行機を模したモニュメントが設置されており、その名残を思わせる。
オートスポーツNo.1355に掲載されている、編集部員の探訪記によれば、台湾では現在クルマ遊びに対する人口が増えており、レースへの関心も非常に高いという。また、チューニングパーツや技術も“メイド・イン・ジャパン”にこだわる人が多く、モータースポーツ関連だけではなく、日本に対する興味、関心が常に高いという。
最近では、日本で活躍するプロフェッショナルドライバーが、現地の富裕層でスーパースポーツカーを走らせるジェントルマンドライバーたちに招かれ、ドライビングコーチを行うことも多く、先日横溝直輝らとともに、GT300クラスで活躍する密山祥吾もペンベイ・サーキットを訪れた。
「コースは本当にフラットで、面白いサーキットでしたね」と密山。コースにはホテルも併設されており、「想像していたよりもずっと施設がキレイで、ピット内の施設も充実していた」という。
許宏彬総経理は、「この日本とゆかりある地にできたサーキットで、いつかはスーパーGTを開催したい。開催することで台湾国内の自動車業界を発展させるだけではなく、モータースポーツを通して日台友好の架け橋にしたい」と語り、スーパーGTを開催できたら……という夢を語っている。
すでに、コースオープンとともに2007年型のPETRONAS TOM'S SC430がデモランするなどスーパーGT開催を目指しさまざまな活動を展開しているが、GTドライバーの目にはこのコースはどう映ったのだろうか? 密山は「スーパーGT開催となると、今のコースでは後半のセクションがタイトすぎて厳しいのではないか。ランオフエリアも狭い」と現状を指摘する。
とは言え、モータースポーツを通じすでにさまざまな交流がスタートしている。密山が参加したイベントも「素晴らしかったです」と感想を語った。台湾の自動車、モータースポーツ業界がこれからも発展し、日本に負けないくらいの存在となってくれることを願うばかりだ。
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PETRONAS TOM'S SC430 IN TAIWAN PENBAY INTERNATIONAL CIRCUIT