スーパーGT第7戦オートポリスは1日、65周の決勝レースが行われ、カルソニックIMPUL GT-Rとの激闘を制したMOTUL AUTECH GT-Rが今季2勝目を飾った。
今シーズンも残すところ2戦となったスーパーGT。GT500クラスでは、上位6台が8ポイント以内にひしめく混戦模様で今回のオートポリス戦を迎え、チャンピオン争いを占う上でも重要な一戦となった。
午前のフリー走行から曇り空に覆われることとなった決勝日のオートポリス。レース中の降雨の可能性も予想されるなか、決勝レースは気温14度、路面温度17度というコンディションのもと14時から始まった。
スタートでは、2番グリッドのZENT CERUMO RC FがポールシッターのカルソニックGT-Rにアウト側から並びかけるも、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラがポジションを守ってホールショット。ZENT RC Fの立川祐路が2番手、そしてMOTUL GT-Rのロニー・クインタレッリが3番手に続き、この上位3台が後続を徐々に引き離していく展開となった。
首位のオリベイラは、1分35秒台のファステストラップを記録しながら立川を引き離し、5周を終えた時点でリードは2秒以上に。ただその後、7周目あたりからGT300クラスとの遭遇のタイミングでタイム差を削られる形となり、接近戦に。一度は凌いだオリベイラだったが、18周目には立川が再びコンマ5秒差まで迫る。さらにここからは、3番手のMOTUL GT-Rも2台に追いつき、上位3台が連なってのバトルに発展した。
ただ、ZEN RC FとMOTUL GT-Rがバトルを繰り広げる合間にカルソニックGT-Rが好ペースで逃げて再びリードを確保。一方、激しいバトルとなった2番手争いでは、立川が24周目の第2ヘアピンでコースアウト。すぐにコースへと復帰したものの、MOTUL GT-Rの先行を許して3番手に後退するとともに、上位2台からは12秒ほどの遅れをとることとなった。
これで2番手に浮上したMOTUL GT-Rは、4秒ほどの間隔でカルソニックGT-Rを追う。若干の降雨のなか、一時はクインタレッリがオリベイラの背後につける場面もあったが、トラフィックもあり差は再び3秒弱ほどに開いていった。
そんな中MOTUL GT-Rは、7番グリッドから4番手まで順位を上げていたPETRONAS TOM'S RC Fとともに、上位陣の先陣を切る形で35周目にピットへ。その2周後にはZENT RC Fがピットインし、カルソニックGT-Rはそのさらに2周後となる39周を終えたところでピットストップを行った。
MOTUL GT-Rのステアリングを引き継いだ松田次生は、ピット作業を終えたカルソニックGT-Rが首位でコースへと復帰したタイミングで最終コーナーを立ち上がる形に。ただ、アウトラップの安田裕信にすぐに追いつき、最終コーナーまでにテール・トゥ・ノーズに持ち込むと、ストレートエンドでトップを奪取していった。
その後、カルソニックGT-Rの安田も首位奪還を窺い続け、47周目の第2ヘアピンで前に出る。ただ松田も、クロスラインで安田とわずかに接触しながらもポジションをキープ。その後、終盤に向けて一時は6秒ほどまで拡がった両者の差だが、残り3〜4周から再度雨が強まったことで再度接近。それでも、松田が僅差ながら最後までポジションを守り切ってトップチェッカー。MOTUL GT-Rはポイントランキングでも2位に浮上した。
マシンを降りた松田は、「雨が降ってきてピックアップによってタイムが落ちてしまった。12号車も速かったので、抑えきれて本当によかった」と涙を見せながら喜びを語った。一方、カルソニックGT-Rはわずかコンマ3秒届かず2位となるも、ランキング首位はキープしている。
そして3位には、最終周での逆転劇を見せたKEIHIN NSX CONCEPT-GTが入った。KEIHIN NSXは、8番手からのスタートとなったが、武藤英紀のファーストスティントで6番手まで浮上。塚越広大に代わった後も順位を上げ、終盤58周目にはPETRONAS RC Fをパスして4番手に。そして終盤の雨の中、3番手のZENT RC Fより3秒ほど速いラップタイムを刻んで石浦宏明の背後に接近すると、最終周の4コーナーでオーバーテイク成功。3位でチェッカーを受けることとなった。
ZENT RC Fは4位となり、PETRONAS RC Fが5位に。S Road MOLA GT-R、ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、ENEOS SUSTINA RC Fと続いている。