スーパーGTの第5戦、インターナショナル鈴鹿1000kmは29日予選日を迎え、所々ウエットパッチの残る微妙なコンディションの中、午前の公式練習が行われた。途中、3回の赤旗中断などアクシデントも発生したが、GT500クラスではEpson NSX CONCEPT-GTがこれまでのコースレコードタイムを上回る最速タイムをマークした。
ウエット宣言の中スタートした公式練習では、コースオープンとともに各車が一斉にピットロードに飛び出した。昨晩降っていた雨も上がり、コース上はやや濡れた路面が残る微妙なコンディション。各車ピットインアウトを繰り返しながら走行を続ける車両が多く、GT300クラスが序盤はタイミングモニターの上位を占めた。
開始から10分すると、路面状況も回復してきたのか、Epson NSX CONCEPT-GTが1分57秒691をマークし総合でもトップタイムをマークする。ここから序々にタイムも伸びて来るかと思われた矢先、Racing Tech Audi R8がマシン右側を大きく破損するクラッシュ。車両は走行を続けているものの、破片回収のため赤旗が提示された。
7分間の赤旗中断の後、再開されたセッションでは、アウトラップのWedsSport ADVAN RC Fがヘアピン先でスピンを喫するも、すぐにコースに復帰。徐々に各車のタイムがアップしていく中、昨年この鈴鹿1000kmで優勝しているPETRONAS TOM'S RC Fはトラブルを抱え、ここまで4周のみの走行。トラブルの詳細は不明だが、ピットでは懸命の作業が続けられていた。
その後、WedsSport ADVAN RC Fが1分49秒台をマークしトップに浮上すると、今度はARTA NSX CONCEPT-GTがダンロップコーナーでリヤが流れコースオフ。マシンは大きく跳ねながらグラベルを通過していくと、その先の立体交差でマシンを止めてしまう。また、Rn-SPORTS GAINER SLSもスピンを喫しコースオフしてしまい、2回目の赤旗が提示される。スタートから約1時間、路面は徐々に乾きつつあるが、まだまだ走行ライン上にはウエット部分も残っており、スプーンの出口でスピンや姿勢を乱すマシンが多かった。その難しいコンディションのままGT300クラスの専有走行時間となった。
GT300クラスの専有走行が終わり、GT500クラス専有走行のボードが提示された直後、最終コーナーでシンティアム・アップル・ロータスがスピン。この日、3回目の赤旗中断となった。5分間の中断の後、11時から500クラスの専有走行がスタートすると、KeePer TOM'S RC Fを先頭に各車がコースイン。また、ほとんど走行ができていないPETRONAS TOM'S RC Fもコースインしたものの、ここまでピットインアウトを繰り返し連続周回はほとんどできていない。ウエイトの軽目なペトロナスは今大会で本命チームに挙げられるも、決勝に向けては不安の残る公式練習となった。
10分間の専有走行の中では、路面のコンディションも回復し各車が続々とタイムを更新してきた。結局セッショントップタイムは、Epson NSX CONCEPT-GTがコースレコードを1秒上回る1分47秒589で公式練習トップとなった。また、ZENT CERUMO RC Fもコースレコードタイム更新となる1分47秒819で2番手。3番手にはランキング1位のカルソニック IMPUL GT-Rが続き、3メーカーがトップ3を分け合う形となった。