BMW Sports Trophy
Team Studie

2015 AUTOBACS SUPER GT Round 6 SUGO GT 300km RACE

SUGOの魔物はピットレーンに潜んでいた
レースらしいレースをせず、下位に沈む

9月19-20日|スポーツランドSUGO(全長3.704km)
予選 Q1:9位通過 Q2:9位
天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 Q1開始時26度/33度、Q2開始時25度/31度→
Q2終了時24度/30度
決勝 16位完走
天候:晴れ | コース:ドライ| 気温/路面温度:スタート時26度/38度→レース途中27度/37度、
レース終盤26度/35度

完全なる“不完全燃焼”で16位フィニッシュとなる

 伝統ある“鈴鹿1000キロ”で表彰台に上がり、上昇気流に乗りたいBMW Sports Trophy Team Studieは大量得点でランキングアップを狙う。

 今シーズンは、GT3車両によるブランパンGTシリーズを運営するSROとGTAとの協定により、サーキットに合わせた性能調整が実施されることになっている。スポーツランドSUGOにおいては、BMW Z4 GT3に対するBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)も変更された。具体的には+20kgの重量増。さらに鈴鹿で獲得した18ポイントによる重量増+36kgがあり、第6戦に比べると単純に+56kgのウエイト増加にな
っている。

 とはいえ、ウエイトハンディは上位を狙うチームにとっては避けて通れないもの。想定していた通り、公式練習から、今シーズンはまだ多くのウエイトを積んでいないGTA独自のマザーシャシ勢やJAF勢が上位の多くを占めることになった。参考タイムながら、No.7 Studie BMW Z4は1分21秒185で15番手タイム。トップは1分20秒038のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTだった。

 そんな状況で迎えた予選Q1。Q2へ突破できるのは上位13台。コースが狭く抜きどころないスポーツランドSUGOにおいて、Q2進出は上位入賞に絶対条件と考えたチームはQ1に荒 聖治を投入する。Q1が熾烈な争いになることは各チーム共通の認識だったようで、結果的にはQ2へ進んだ13チーム中8チームがエースドライバーをQ1へ投入していた。1分20秒台がQ2進出へのボーダーラインになる。荒 聖治は公式練習のトップチームとほぼ同じ1分20秒042をマーク。ところが8台ものマシンが1分20秒を切ってきた。ここからは、20秒台のごくわずかなタイム差が命運を分けることに。No.7 Studie BMW Z4は9番手タイムに残りQ1突破。同じくBMW Z4 GT3を駆るNo.51 JMS LMcorsa Z4は1000分の8秒届かず、Q1敗退を喫した。

 決勝を闘いぬくために最低条件となるQ2進出を果たし、さらなる上位を目指してヨルグ・ミューラーがコースに出た。タイヤは決勝レースでも使いたいミディアムタイヤを使用(Q1かQ2で履いたタイヤは決勝レースでも使用される。どちらかになるかは予選後の抽選)。瞬発力のあるJAF勢やマザーシャシ勢が上位にあるのは仕方ないにしても、同じGT3勢は前にいるとパッシングが難しい(直線スピードが速いいっぽう、コーナーで前を塞ぐのでNo.7 Studie BMW Z4のタイムが伸びない)ので、トップを行くマシンなどとのタイム差が開いてしまうからだ。Q2の結果は1分20秒602で9番手。なんとトップタイムから7番手までがコースレコードをマークする激戦区だったことを考えると、十分に健闘したポジションだ。なにより決勝のレース運びにおいて、勝機のあるスタート順位だ。

 決勝レースは晴れ、ドライ路面の好条件となった。9月下旬の菅生にしては穏やかな気候となりTシャツで過ごせるほどだった。スタートドライバーは鈴鹿1000キロに続いて2戦連続ヨルグ・ミューラーが務めた。

 県警のパトカーおよび白バイの先導によるパレードランを含むスタート進行をそつなくこなして、フォーメーションラップからスタート。後方からのジャンピンスタートを警戒しながら、ヨルグ・ミューラーは9番手をキープ。やはりスポーツランドSUGOは狭い。パッシングの機会をうかがうヨルグ・ミューラーだが、まだ各チームのタイヤもフレッシュで簡単には道を譲ってくれない。9番手で走行する膠着状態となる。前からNo.25 VivaC 86 MC→No.31 TOYOTA PRIUS apr GT→No.55 ARTA CR-Z GT→No.18 UPGARAGE BANDOH 86→No.88 マネパ ランボルギーニ GT3→No.77 ケーズフロンティア Direction 458→No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT、そしてNo.7 Studie BMW Z4のままラップを重ねる。

 展開が急変したのはGT300が23周目をラップしていたあたり、バックストレートでGT500マシンがクラッシュ。これにともないセーフティーカーが導入される。すでにトップと20秒ほど開いていたが、これでリセットされることになる。セーフティーカーランで周回を重ね、再びフォーメーションラップからリスタートになる直前、ピットがオープンとなる。このタイミングに合わせて、ほとんどのチームがマシンをピットに戻してタイヤ交換とドライバーチェンジを行うことに。

 スポーツランドSUGOはコースも狭いが、ピットも狭い。事前に想定していた通りピットの前にNo.7 Studie BMW Z4を斜め止め。ドライバーチェンジ、タイヤ交換、給油をそつなくこなすも、ピットのファストレーンへ出すのにややもたついてしまう。しかし、そのファストレーンにマシンが並んでおり身動きが取れない。まるで渋滞の様相となる。ピットレーン出口に近い場所で、コースへ出たいNo.55 ARTA CR-Z GTとピットに入ってきたGT500のNo.15 ドラゴモデューロNSX CONCEPT-GTが干渉。NSXがファストレーンをブロックしてしまう格好になる。その後ろにいたNo.7 Studie BMW Z4を含む全マシンはピットレーンに幽閉。コースのマシンが周回を重ねる中でピット出口のシグナルはレッドへ。それが解けてNo.7 Studie BMW Z4がようやくコースへ復帰したときにはトップからは周回遅れとなっていた。

 順位は20番手。荒 聖治は再び浮上するチャンスをうかがい、16番手まで挽回するものの、ヨルグ・ミューラーがピットイン時にピットレーン入り口のホワイトラインをカットしていたことからドライビングスルーペナルティを受けるといったアクシデントもあり、レースはそのまま規定の周回数に達してチェッカーフラッグ。19位完走、ノーポイントとなった。レースらしいレースができなかった一戦。サーキットのコースではなく、ピットレーンで決着がつくという展開に“不完全燃焼”なラウンドとなってしまった。この鬱憤を晴らすべく、チームは次戦の大分・オートポリスに向けて、すでに準備を整えている。2015シーズンの残り2戦に向け、総力を挙げて闘い抜くことになる。

[関連サイト]
◯チーム公式サイト http://www.teamstudie.jp/2015/
◯Facebookファンページ https://www.facebook.com/bmwsportstrophyteamstudie
◯Twitterアカウント @teamstudie
◯BMW M HEAT http://bmw-m-heat.jp

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