US GPE(USF1)のチームプリンシパル、ピーター・ウインザーは、来季のドライバー選定について作業を進めているといい、その中でも注目を浴びているIRLドライバーのダニカ・パトリックについては、チームにとってはビッグネームすぎると可能性が高くないことを示唆している。
新コンコルド協定の締結に伴い(下記関連ニュースを参照)アメリカ、シャーロットを本拠地とするUS GPEもこの数カ月のうちにF1カーの製作に取りかかるという。
ドライバーの選定については、最初にアナウンスをしたようにアメリカンドライバーの起用を最優先としていて、これまでもダニカのほかにF1経験のあるスコット・スピードやナスカーのカイル・ブッシュなどの名前が挙がっている。特に、今季限りで所属するアンドレッティ・グリーンとの契約が切れるダニカに注目が集まっていた。
しかしながらウインザーはF1よりもナスカーへのスイッチの方が彼女にとってよいのではないかと語っている。
「多くの人が私にダニカはどうか、と聞いてくるが、ダニカは我々のようなチームにとってビッグすぎる存在だ。おそらく、ナスカーに行くのではないかと思う。そして、また一段と大きな成功を収めるはずだ」
「もし、彼女がF1に行くとなれば大きな期待がかかる。しかしながら我々のチームは初年度からタイトル争いをするチームではない。新たに結成したデザインチームで、まずは信頼性を重視したマシン造りが優先となるだろう。彼女のキャリアからすれば、もっと高いレベルを期待されることになるはずだ」とスポーツイラストレイテッド誌の取材に対して語っている。
また、アメリカ人ふたりのコンビが理想としながらも、以前から出ているように初年度にはF1経験のあるドライバーをひとりは確保したい考えもあり、アレクサンダー・ブルツとの話し合いをすでに行っている。
そのほか、GP2のチームからのアプローチがあったことを認めていて、GP2ドライバー達からはかなりの金額が得られそうだという。しかしウインザーと共同創設者のケン・アンダーソンは、お金よりも志を貫きたいとしているが、この決断はかなり難しいとしている。
「F1経験はないが、GP2で勝利を挙げたことのあるふたりの現役GP2ドライバーに関しては、予算の3/4以上のオファーがあった。ケンと私は、意思を強く持ち『いや、このお金は受け取れない、私たちは目標を達成するために彼ら(GP2ドライバー)を起用しない』と断る必要がある。
チームは若いアメリカンドライバーを助けるものでそれ以外のものではない。しかし、目の前に大金がぶら下がっているのを見てしまうと、初年度はアメリカ人以外を走らせる、という誘惑に駆られてしまうのも事実だ」