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スーパーGTニュース

投稿日: 2014.06.16 00:00
更新日: 2018.02.17 00:46

WAKO’S Exe Aston Martin、AP戦で今季初入賞


得意のオートポリスサーキットで作戦的中。
三戦連続完走と今季初のポイントゲットという結果は次戦への大きな弾みに。

 第三戦は大分県オートポリスサーキットで開催される九州ラウンド。加納・安岡両選手ともに得意とするサーキットであり、マシンにもチームにもよい思い出の多い九州ラウンドは、例年シーズン終盤の10月に開催され、雨や霧に悩まされることが多い。経験したことのないこの時期の開催が吉凶何れに出るのだろうか。

May 31st Qualifying
天候:晴れ 路面状況:ドライ
気温:Q1開始時28℃→終了時28℃ 路面温度:開始時38℃→終了時43℃ 
入場者;13,800人 

 この日サーキットのある大分県日田市では日本で最も気温が高く、35.6℃を記録した。標高の高いオートポリスサーキットでも搬入日から、初夏の日差しというにはあまりに厳しい太陽が照りつけ、日本一暑いスポットにふさわしい白熱した戦いが待っていた。

 オートポリスはピットロードがコースの外側にあるため、ピットから見たマシンの走行方向が他のサーキットと逆となっている。そのためレース前メンテナンスでは給油口やジャッキアップポイントが車両の左側に移され、オートポリス仕様に変更された。また前戦でエンジンに出た不調を調べるため、エンジン内部の内視を行い問題がないことも確認した。こうして車両は万全を期してオートポリスサーキットに持ち込まれた。

 この日9時からの公式練習でも車両は好調で、加納・安岡両選手ともに順調にメニューをこなし、タイヤに対してのセットアップが決まっていく。しかしこれまでの2戦同様各車のタイム差は競り合っており、1秒の中に15台がひしめき合う状態。ここオートポリスでも厳しい予選でのせめぎ合いが予想された。ベストラップは安岡選手が10Lap目に出した1’48.314(17位)。

 
午後になってやや薄雲がでてきたもののコンディションに大きな変化はなく、ますます気温が上昇するなか、14時から予選Q1が行われた。満を持してチームは安岡選手にQ1を委ねたが、上位2台が1分45秒台、さらに46秒台前半から47秒台前半の間には12台の強豪がずらりとタイムを並べて、オートポリスが得意のはずの安岡選手操るWAKO’S ASTON MARTINもなかなか上位に食い込むことはできない。なんとかして加納選手へとQ2のバトンを渡すべく安岡選手が最後の最後まで粘ったが、レコードは1’47.873、19位にとどまり、今回もQ2進出はならなかった。(*その後予選タイム抹消となった車両が出たため、WAKO’S ASTON MARTINは決勝を18位からスタートすることとなった)

  予選終了後には、英国AMRのエンジニア(今回の九州ラウンドの共催レースGT Asiaに出走する数台のASTON MARTIN Vantage GT3をサポートするため来日中)がピットを訪れ、エンジンの燃料のバランス調整をしてくれた。また、陽が落ちて気温が落ち着いてくる中、レースクイーンたちの手によって調理されたチーム名物の豚汁も振舞われ、メンテナンスに余念のないメカニックたちは明日への士気を高めた。加納・安岡両ドライバーも、夜遅くまでフリー走行のデータをもとに決勝に向けての入念なミーティングを行った。
なお300クラス予選の結果は下記のとおり。

P 1 #61  SUBARU BRZ R&D SPORT 佐々木 孝太 / 井口 卓人 (1'45.335)
P 2 #55  ARTA CR-Z GT 高木真一 / 小林崇志 (1'45.503)
P 3#3   B-MAX NDDP GT-RNISSAN GT-R NISMO GT3 星野 一樹 / ルーカス・オルドネス (1'46.551)
P 18#50 WAKO’S Exe ASTON MARTIN 加納政樹 / 安岡秀徒 (1'47.873)

<監督のコメント>
いやーみんな速いね。どうやったらあんなタイムがでるんだろう、45秒台とかうちには全く見えないよ。チーム員はみんな意気消沈してますよ(笑)
ただまあ、レースになれば別物だからね。1分47秒台が出れば自ずと結果が出ますから、明日は頑張ります。

June 1st Race Day
天候:晴れ 路面状況:ドライ
気温:28℃→28℃ / 路面温度:43℃→42℃  入場者:24,400人

 予選日に続き雲一つなく晴れあがった大分地方は、この日も最高気温の予想が35度、朝早くからまぶしい太陽にからりと晴れあがった青空が広がっている。

 9時から開始されたフリー走行は安岡選手からスタートしたが、走行途中でエンジンのもたつき感があったためピットイン。ピットを訪れたAMRのエンジニアが更なる燃料バランスの調整を施し、その後のサーキットサファリの時間を使ってドライバー二人が走行に問題がないことを確認した。

 いよいよ定刻の14時。フォーメーションラップ1周ののち九州ラウンド300kmのレースが開始となった。18番手からスタートした安岡選手は非常にいいスタートを切り、すぐにポジションを三つ上げる。そして、じわじわと前方を行く車両に狙いを定め、13Lapで12位、26Lapで10位と、徐々に前方の集団に迫っていく。当初からタイヤ無交換作戦を念頭にチームと入念なシミュレーションを行なっていた安岡選手は、路面温度の上がっている中タイヤを労わる得意の安定したドライビングをしながらも果敢にプッシュを続けていく。

 次々と他チームがルーティンピットインをするなか、チームは安岡選手にギリギリまで走行を託す。安岡選手は、ピット作業を終えて次々に出てくる他車両に阻まれてペースを掴むのに苦しみながらも、ドライバーチェンジ直前の37Lap目にして本レースベストの1’49.002を出し、38Lapでピットイン、加納選手に交代した。

 このときWAKO’S ASTON MARTINは3位、ピット作業如何では後半を好ポジションで戦うことができる。チームは当初の計画通りタイヤ交換をせず給油のみで最短のピット作業を終え、6位で加納選手をコースに送り出した。並み居る強豪車両のなかをコースインした加納選手は、コースに出てすぐにポジションを一つ落としたものの、ピット作業で稼いだマージンを守りながら順調に走行を続けていた。ところが44Lap目、1コーナー付近、加納選手の目の前で30号車がタイヤバリアを乗り越えて作業用道路にまで飛び出してしまうアクシデントが発生。幸いドライバーには大事はなかったが、その直後GT500車両が煙を上げストレートエンドに止まる事態も重なり、緊急対応のためセーフティーカー導入となった。


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