WTCC世界ツーリングカー選手権の今季最終戦はマカオ市街地のギア・サーキットで決勝レース1/レース2が行われ、レース1はイバン・ミューラー(シボレー・クルーズ)が、レース2はアラン・メニュ(シボレー・クルーズ)が優勝。ワールドチャンピオンはロバート・ハフ(シボレー・クルーズ)が獲得した。
タイトなマカオ市街地で争われる今季のWTCC最終戦。レース1はハフがポールからスタートし、トップでリスボア・ベントへ。ミューラー、メニュ、そしてガブリエル・タルキーニ(セアト・レオン)、5番手スタートのティアゴ・モンテイロのホンダ・シビックWTCC、ダリル・オーヤンのクルーズと続いていく。
しかし、その後方でメヘディ・ベナーニ(BMW320TC)、ノルベルト・ミケリス(BMW320TC)が接触しながらリスボアのバリアに突っ込んでしまい、完全に後続はストップ。“駐車場”状態となってしまい、レースはトップ6台による争いとなった。
首位争いは一度ミューラーがハフのインを突きトップを奪うものの、ハフが再びミューラーを抜きトップに返り咲くことに。悲願のタイトルへ向け首位を走っていたが、山側のツイスティなセクターでなんとハフは姿勢を乱しクラッシュ。サスペンションにダメージを負い、ピットインを強いられてしまった。
これでミューラーが首位に返り咲いたものの、9周レースの8周目に、モーリッシュでメニュにプッシュされたミューラーは大きく姿勢を乱し、あわやクラッシュという状況になった。しかし、うまくパワースライドを使い姿勢を戻したミューラーはトップでチェッカーを受け、タイトルの望みを繋いだ。
2位はメニュで、3位は2周目にタルキーニをかわしたモンテイロとなった。ホンダ・シビックは参戦3戦目にしてシボレー勢に近いパフォーマンスを披露し、初めての表彰台を獲得した。
「レース1ではスタートがうまくいった。その後、序盤にポジションを上げ、上位のシボレーを抜くチャンスを狙ったけど、それは難しかったね。結果、3位でフィニッシュできたことはとてもうれしく思うよ」とモンテイロ。
「3位表彰台はチームのみんなががんばった結果だ。シーズンの終わりを最高の形で締めくくれて本当に良かった」
続くレース2。レース1でクラッシュしたハフのクルーズは修復され、ガムテープ補修が痛々しいものの、レース2に間に合った。リバースグリッドでスタートした序盤はミケリスのBMW320TCがトップを奪い、アレックス・マクドゥエル(シボレー・クルーズ)が続いていく。
マクドゥエルは一度トップに立つも、ミケリス、ペペ・オリオラ(セアト・レオン)にかわされ3番手に。後方には着実にポジションを上げていくメニュ、ミューラー、ハフ、そしてモンテイロがつけていく。
ワークスカーたちのプレッシャーにさらされることになったマクドゥエルだが、メニュにかわされた後、4周目のマンダリン・ベンドでミューラーにプッシュされると、235km/hのハイスピードでガードレールにクラッシュ。これでセーフティカーが出動する。
さらにリスタート後、メニュがトップに浮上するも、ミケリスとオリオラが接触し、リスボアでミケリスがクラッシュ。再びセーフティカーが出動。この混乱の中、ついにメニュを先頭にハフ、ミューラーというトップ3が形成されチェッカー。シボレーワークス最後のレースで表彰台を独占。ハフは選手権リードを守り抜き、ついにチャンピオン獲得を成し遂げた。モンテイロのシビックはレース2を4位で終えている。
乃木坂46カラーのBMW320TCを駆ったケイ・コッツォリーノは、両レースともリタイアを喫している。