FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)の公式テストが先週末にスペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、新規参入のシトロエンが既存のライバル勢を上回るスピードを見せた。
今回のテストには、セバスチャン・ローブがドライブするシトロエン・CエリーゼWTCCのほかに、ティアゴ・モンテイロのホンダ・シビックWTCCとガブリエル・タルキーニが走らせるシビックWTCCのテストカー、さらにトム・チルトン(カンポス・レーシング)とヒューゴ・バレンテ(ROALモータースポーツ)もRMLのシボレー・クルーズをドライブした。
テストでは、ローブが走らせるCエリーゼWTCCがホンダの2台を上回るタイムを記録。16日のシェイクダウンに続く走行となったRMLのクルーズもリヤウイングに一時問題が発覚したが、すぐに修正すると、最終的にはホンダ勢に僅差のタイムで続いた。
カンポスの若手ドライバー、ジョン・フィリッピもTC2のセアト・レオンで走行。また、今季終盤5戦でシトロエンの4台目を駆るマ・チンホワは20日にテストを完了している。
3日間のバレンシアテストを終えたホンダの開発プロジェクトリーダー、堀内大資氏は、1.6リッターターボエンジンについて次のように語っている。
「ブロックとサンプを新しくしたのに加えて、吸引・燃焼についても大きな進歩を遂げることができた。最初のテストを終えて、テストでのシミュレーションが実際のトラックで確認できたことに私は満足している。これで我々の仕事は、うまくエンジン調整をすることだけだ」
また、JASモータースポーツのチーフデザイナー、アンドレア・アダモ氏はマシンの技術的な進歩について、「WTCCの新シビックは去年のシビックと共通点があまりない。すべてが新しいんだ。シャシー、エンジン、サスペンション、空力パーツ、タイヤのサイズまで変わったんだよ! 2013年9月にプロジェクトをスタートさせ、2014年1月に新シビックのシェイクダウンができたことを考えれば、我々のスタッフは本当にこの短期間で素晴らしい仕事をしたよ」と語っている。