PETRONAS SYNTIUM TEAM REPORT
スーパー耐久シリーズ2010
第1戦「MOTEGI SUPER TAIKYU ROAD 400km」
2010年3月28日(1dayレース)
3月28日、今シーズンのスーパー耐久シリーズが開幕。昨年、念願のシリーズタイトルを獲得したPETRONAS SYNTIUM チームでは、連続チャンピオンはもちろんのこと、さらなる高みに向けて今シーズンのスタートを切った。
今季、チームでは1号車に谷口信輝、柳田真孝という不動のふたりに加え、ルーキーのイムラン・シャハロム(Imran Shaharom)を起用。一方、28号車は片岡龍也にファリーク・ハイルマンというコンビネーションに、ルーキーのメルビン・モー(Melvin Moh)が加入し、新たなドライバー編成で戦う。
前日の土曜日には練習走行が行われ、各ドライバーともクルマのセットアップ、タイヤの確認などを行うとともに、ルーキーのふたりはまずコースへの適応を目的とした走行に取り組んだ。
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□■ 予選 天候:曇り 気温:7.4℃(午前9時30分現在)
■□ No.1:2位 (3'54.192) No.28:3位 (3'56.025) *タイムはA、Bドライバー合算タイム
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【底冷えの天候の中、初戦は2、3位の予選グリッドを獲得】
開幕イベントを迎えたツインリンクもてぎの朝は、冬のような寒さで始まった。前日の練習走行中は多少肌寒さを感じながらも青空が広がる穏やかな天気に恵まれたが、日曜は一転。底冷えする一日となった。
予選は午前8時40分にスタート。チームではまず1号車に谷口、28号車に片岡がそれぞれ乗り込み、コースへ向かった。ブレーキパッドの焼入れなど決勝に向けての準備を進めたあと、本格的なアタックへ。谷口は周回を重ねるごとにタイムを縮め、1'57.111の自己ベストをマークした。一方の片岡のベストタイムは1'57.818だった。
Bドライバーのアタックは午前9時25分から。1号車の柳田はじっくりとタイヤを暖めて徐々にタイムアップ。ラストアタックでさらにタイムを削り取り、1'57.081を叩き出した。また、ハイルマンはアンダーステアに悩まされながらもアタック。終盤、タイム更新を狙ってアタックを続けたが、序盤にマークした1'58.207が自己ベストとなった。
A、Bドライバーのベストタイムを合算した結果、1号車は予選2位を獲得。28号車は3位から決勝のスタートを切ることになった。
なお、今回が公式レースデビュー戦となった1号車のシャハロムと28号車のモー。それぞれCドライバー予選を無事に終え、「落ち着いてうまくいけたと思う」(シャハロム)、「アンダーが出て、やや乗りづらかった」(モー)とそれぞれの印象を語っている。
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□■ 決勝 天候:曇り 気温:4.1℃(正午現在)
■□ No.1:優勝 (2:51'52.877) No.28:2位 (+48.449)
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【果敢に、そして着実に。勝利への方程式を完遂】
決勝を控え、午後に入ってもなおもてぎの上空はうす曇が占領。よりいっそう風が冷たくなる中、午後1時に84周にわたる戦いの火蓋が切って落とされた。
しばしの間、ポールポジションを獲得した8号車のポルシェがレースをリード。だが、その背後には1号車のスタートドライバーを務めた柳田がピタリとマーク。7周目、満を持して逆転に成功するや、後続を引き離しにかかる。また、3番手から前を追った28号車の片岡も、10周目には立体交差手前でポルシェをパス。2番手に浮上し、PETRONAS SYNTIUMの2台が早くも1-2態勢を築いた。
PETRONAS SYNTIUMチームのピットが動いたのは、32周終了時。まずは2位につける28号車がピットイン、給油に加え、タイヤを4本交換。そしてドライバーは片岡からモーへとスイッチした。モーは丁寧なアウトラップを済ませると、次第にリズムに乗って周回を重ねていく。また、その翌周にはトップ1号車がピットイン。こちらは柳田から谷口へと交代する。谷口は曇天模様で気温がほとんど上昇しないという厳しいコンディションをものともせず、ディフェンディングチャンピオンの貫禄たっぷりの走りを披露。タイヤが思うように温まらず、苦戦するライバル達を尻目に徐々にタイムアップを果たし、攻めの走りを追求し続けた。
28号車の2度目のピットインは50周終了時。モーは無事に18周のスティントを走り終え、ハイルマンへと交代。今度はタイヤ交換を行わずにコースへ復帰。先輩格のハイルマンも久々の実戦ではあったが、まったく不安を感じさせない走りを見せ、2位をキープした。
快調に周回を重ねてきたトップの1号車。最後のピット作業は67周終了後となり、こちらも28号車同様、タイヤを交換せず、シャハロムにすべてを託した。すでに1分を超える大量のマージンを確保したシャハロム。最後まで集中力を切らすことなく走破し、開幕戦を制することとなった。
開幕の戦いを1-2フィニッシュで終えたPETRONAS SYNTIUMチーム。予選では、今シーズンの強豪相手となるであろう8号車のポルシェが先行するなど、決して安泰の状況ではなかったが、チームが培った豊かな経験値を最大限利用する、まさに総合力での完勝を実現させた。
◆鈴木哲雄監督
ピットインのタイミングを重ならないようにするため、2番手に乗るドライバーのオーダーをクルマによって変えることにしました。作戦としてはうまくいったと思います。今季はポルシェが新たに参戦してきましたが、向こうには早くも十分な速さがあるようです。今日の戦いは緊迫した展開になりましたが、初戦ながら皆、最高の戦いをしてくれました。
◆No.1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
谷口信輝
今年から強敵・ポルシェが現れ、どういう展開になるかと思いました。牙をむいてきたポルシェにポールポジションを獲られましたが、最終的にはチームの総合力で優勝を果たせてよかったです。今シーズンはライバルとガチンコ勝負を何度も展開することになると思うので、これからも積極的なレースをし、ポイント獲得を目指します!
柳田真孝
みんながミスなく走れて、新人のふたりも落ち着いて走ってくれました。今日はポルシェといい戦いができて、すごく拮抗した戦いになっても楽しむことができました。最初のピットインでは当初タイヤ交換を行う予定がなかったので、タイヤはもちろんのこと、ブレーキも労わりながら走っていました。今年はスーパー耐久20周年だし、僕達の連覇もかかっています。今回初戦を勝利を飾れたのはとてもうれしい。ぜひチャンピオンを獲りたいと思います。
イムラン・シャハロム(Imran Shaharom)
今日は谷口サン、柳田サンがともにすばらしい仕事をしてくれました。そういうこともあり、僕にとっての初レースは困難なものではなく、いい形で走ることができました。すべて彼らのおかげです。とてもリラックスしながら走ることができました。
◆No.28 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE
片岡龍也
予選のセットアップが少し気になったので、決勝に向けて色々と微調整を重ねました。残念ながら最善策が見つからずそのまま決勝を迎えましたが、もともと高いパフォーマンスの中で走っているので、ドライバーが自分のパートをキチンとこなすことが大事だと改めて思いました。今年はライバルとの戦いも含め、おもしろくていいレースができると思います。
ファリーク・ハイルマン(Fariqe Hairuman)
今日のレースはいい戦いができてハッピーです。オフシーズンの間、レーシングカーに乗る機会がなかったので、僕自身はようやく戦いが始まったという感じです。今回はポルシェの速さに驚きましたが、決勝では僕らもいいペースをキープし、ライバルを引き離すことができました。僕は今季28号車をドライブすることになりましたが、去年に引き続き、タイトルを獲りたいので、誰にも負けたくありません。がんばって戦います!
メルビン・モー(Melvin Moh)
去年、このスーパー耐久でのテストから約1年を経て、ついに僕にとって初めて日本での公式レースを走ることになりました。今日はとにかくフィニッシュラインへとクルマを運ばなければ、と少しばかり緊張しました。コンビを組んだ片岡サンやファリークはもちろん、チームのみんながサポートしてくれたことに改めて感謝しています。ペトロナスにもこのチャンスを与えてくれたことを感謝しています。ツーリングカーレースでスピード差のあるこのスーパー耐久レースでは、他車のパッシングがとても難しいと感じます。しかしながら経験を積んでいけば、もっといい走りができると思っています。
