連戦が続くベライゾン・インディカー・シリーズ。テキサス・モータースピードウェイで開催される第8戦の予選が7日に行われ、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がテキサスで2年連続となるポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、16番手から決勝レースに挑む。

 午前中に1時間半のプラクティスが行われ、午後に早くも予選が開催されたテキサスでの第8戦。1台ずつがアタックするオーバルコース用のシングルカー・クォリファイング方式で、2周の平均時速で競われた。

 朝のプラクティスはずっと空に雲がかかっていたが、予選が始まった時にはテキサスらしい強い日差しが照りつけていた。気温は摂氏32度、路面温度は摂氏52度にまで上昇していた。

 トップバッターのトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)が平均217.826mphを記録。それを4番目に走ったジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン)が217.835mphで上回る。朝のプラクティスでは22台中の20番手と不振に映っていた彼だったが、それはレース用セッティングに集中していたためで、マシンの仕上がりは良かったのだ。ニューガーデンは長いことトップに居座り続け、キャリア初のポールポジション獲得がなるかと思われた。

 アンドレッティオートスポート勢はルーキーのカルロス・ムニョスがニューガーデンの3人後に走ったが、2ラップ目にマシンが大きく暴れて217mph台を出せず。続いてコースインしたジェイムズ・ヒンチクリフも219.967mphと今ひとつスピードが伸びず。

 ニューガーデンから数えて10人目、インディ500ポールウイナーのエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がアタック。しかし、217.677mphで彼も届かず。

 しかし、16番目のアタッカー、パワーがついにニューガーデンのスピードを破った。プラクティスでは9番手と特に目立たなかったパワーだが、ニューガーデンに挑んだ12人目のチャレンジャーがトップを奪ったのだった。しかも、パワーのスピードは平均218.896mphとニューガーデンに1mph以上の差を突きつけるものだった。

 パワーの次のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は217mphに届かず、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)は2ラップ目の落ち込みが大きく217.724mphで4番手止まり。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)はカナーンの好走があっただけにポールも狙えるかと見られたが、217.128mphとカナーンを下回った。

 パワーのスピードを破る者がいるとしたら、それは彼のチームメイト、最後から2番目に走るエリオ・カストロネベスしかいないと見られた。あるいは、最後のアタッカー、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)か。

 カストロネベスの走りに注目が集まった。しかし、彼の217mphにも乗せられず14位に沈んだ。そして、アンドレッティはさらに遅い2ラップ平均で17位となった。

 最終的にPPはパワー、アウトサイド・フロントローはニューガーデン。予選3位はカナーンで、4位はモントーヤ。5位がカーペンター。トップ5にホンダ勢はニューガーデンひとりだけだった。

 しかし、予選6位にサイモン・ペジナウ(シュミット・ピーターソン・ハミルトン)、予選8位にジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン)、9、10位はジェイムズ・ヒンチクリフとカルロス・ムニョスのアンドレッティ・オートスポート勢で、トップ10はシボレーとホンダは互角の5人ずつで分け合った。

 パワーのPPはバーバー・モータースポーツ・パークでのものに続く今シーズン2回目。テキサス・モータースピードウェイでは2年連続で、オーバルコースにおける5個目のPPとなった。エンジンメーカーによるポール獲得争いは、シボレーが5個目のPP獲得で3回のホンダを引き離した。

「全力で走った。そして、あれが限界ギリギリだったと思う。2周目のターン4では、ステアリングを大きく切らないとマシンが曲がっていかなかった」

「自分でも1ラップ目のスピード(=219.550mph)には驚いた。そして、もう1ラップ同じスピードを保とうと頑張った。しかし、それは無理だった。もちろん、ポールが獲れたのだから喜んでいるけれどね。あとは決勝用セッティングだ。去年のエリオは本当に強かった。自分もレースで力を速いマシンを作り上げたい」とパワーは意気込んでいた。

 ニューガーデンの予選2位はキャリアベスト。これまでの自己ベストは今シーズンのロングビーチとバーバー・モータースポーツパーク、及び2012年のフォンタナでの4位だった。

 ニューガーデンは、「朝はレース用セッティングだけをやっていた。予選は本気でアタックしたが、セッティング的には思い切り攻めたものにはしなかった。2ラップ目はリラックスして走ったんだが、それが良かったのか凄いスピードが出たね。アレには自分でも驚いた」と話していた。

 佐藤琢磨は3番目にアタックするクジを引いており、216.064mphで3人が走った時点での3番手。最終的な順位は予選16位と決まった。

「厳しい予選になりましたね。準備にかける時間がなかった。1回のプラクティスだけでしたからね。去年、マシントラブルのために予選アタックができなかった。それが影響しています。ローダウンフォースで走ったデータがない点が不利でした」と話していた。

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