9月12日(月)、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラが、『インディジャパン・ザ・ファイナル』にコンクエストからスポット参戦すると発表された。このスポット参戦はどのような経緯で決まり、オリベイラは今回のレースにどのような期待を抱いているのか。本人を直撃した。
今回もてぎ戦にスポット参戦するにあたり、データがないロードコースでの開催とは言え、インディカー・シリーズのトップを争う強豪がオリベイラの前に立ちふさがることになる。オリベイラは今回の参戦で、どのあたりの順位を目標にしているのだろうか?
「インディカー・シリーズには26台が出場しているけど、正直言ってトップチームのチップ・ガナッシとペンスキーを倒すのはすごく大変だと思う。だから現実的には、トップ10で終えられればなって思っているよ」とオリベイラ。
「それでも今回の僕にとっては、とてもハードな仕事だと思う。僕が乗る予定のクルマは、今年1年間を通じて14位っていうのが最高位だからね。今年、コンクエストは1台体制でやってきていて、チームメイトとデータをシェアすることもできないし、ルーキーを乗せているから、チップ・ガナッシやペンスキーのようにはクルマを開発していくこともできない。向こうは何台もクルマがあるし、経験豊富なドライバーが何人もいるわけだからね」
「でも、僕ができるだけ早くクルマのことを理解して、いい方向に持っていくことができれば、チームにとっていい週末にできるんじゃないかって思うんだ。そこには、僕のもてぎでの経験が役立つんじゃないかと思うインディカーはフォーミュラ・ニッポンよりもラップタイムは遅いと思うよ。シミュレーション上でも、1周2~3秒は遅いらしい。だけど、レースの距離は長い。2時間ぐらいのレースになると思うし、それは僕にとってはあまり慣れていないことなんだ。だけど、準備はできているよ」
オリベイラにとって今回のスポット参戦は、「自分自身が楽しみたい」と言う。日本ではトップカテゴリーでタイトルを争う存在だが、アメリカのレースに入ればまったくのチャレンジャー。「今回のレースがとてもいい機会だと思うのは、僕に全くプレッシャーが懸かっていないっていうことだね」とオリベイラは言う。
「ただ機会が来たから乗ろうっていうだけで、“一生に一度のチャンス”っていう切迫した感じのものではないからね。僕は、今自分が置かれている状況にとても満足しているんだ。フォーミュラ・ニッポンとスーパーGT、その両方のカテゴリーでチャンピオン争いをすることができているんだからね」
「日本での仕事はとても充実しているし、僕の立場もとてもしっかりとしたものだ。だけど、アメリカのレースでは、特にルーキーが、最初から勝てる体制、勝てるクルマを手に入れられるとは思わない。それを分かっているから、僕は一歩一歩進んで行きたいと思っているんだ。もし、いいレースをすることができたら、また誰かから電話がかかって来るかも知れない。だけど、今はまったくノープレッシャーだし、ただもてぎに行ってレースを楽しみたいんだよ」
最後に、オリベイラに日本のファンに対するメッセージを聞いた。
「今回のレースは特別なものになると思う。僕にとって初めてのインディカーだし、日本で開催される最後のインディカーレースだから。僕がよく知っているもてぎでのレースだし。僕はこの8年間、日本でレースをしているし、ホームレースでもある。だから、とても特別なんだ」
「もてぎを訪れる日本のファンの皆さんは、佐藤琢磨や武藤英紀をサポートしている人も多いと思うけど、できれば僕のことも応援してほしいし、レースを楽しんでほしい。僕もチームのために好結果を残せるよう、頑張るよ!」
