スーパーGT第7戦は富士スピードウェイで66周の決勝レースが行われ、12番手スタートのARTA NSXが今季初優勝を飾った。2位は激闘の末MOTUL AUTECH GT-Rが入り、3位はPETRONAS TOM'S SC430となった。GT300クラスはJIMGAINER ADVAN F430との激闘を制したダイシン アドバン Ferrariが優勝を飾っている。
午前中や昨日までとは打って変わり、快晴に恵まれた富士スピードウェイ。ゴールデンウイークの一戦ほどではないが、たくさんのファンがスタンドから見守る中、14時のフォーメーションラップスタートの時を迎えた。
スタートでは、3番手スタートのPETRONAS TOM'S SC430が絶妙のスタートで最もイン側のラインからポールスタートのEPSON NSXのインへ! 外側にはMOTUL AUTECH GT-Rが入ってきており、その間にいたEPSONは後方のENEOS SC430と接触しスピン! ポールスタートが一転、最後尾に回ることとなってしまった。
これでトップはPETRONAS SC430。2番手にMOTUL GT-R、3番手にENEOS SC430と続く。ENEOS序盤ハイペースで前を抜き去りトップに浮上するが、スタート直後の1コーナーでの接触でドライビングスルーペナルティを取られてしまう。これでPETRONAS SC430が再びトップに浮上、さらにHIS ADVAN KONDO GT-Rが2番手に浮上するが、後方から一気にポジションを上げてきたのが予選2番手タイムのARTA NSX。
ARTA NSXはラルフ・ファーマンのドライブで13周目にはMOTUL GT-Rを、さらに20周目にはHIS GT-Rを料理。さらに25周目の最終コーナーでPETRONAS SC430をもパスしトップに浮上! ARTA、PETRONAS、HISというトップ3で中盤戦を迎える。
28周を終えたところで、5番手を走っていたHASEMI TOMICA EBBRO GT-RをはじめGT500クラスのピットが慌ただしくなる。上位陣は30周目から33周目にかけて相次いでピットに入り、ここでやや時間がかかったARTA NSXをPETRONAS SC430がパス。しかし、ラルフ・ファーマンから交代した伊沢拓也は38周目のダンロップコーナーでPETRONAS SC430のインを突きトップに浮上! 一気にギャップを築いた。
2番手となったPETRONAS SC430の後方には、MOTUL AUTECH GT-Rが接近。ブノワ・トレルイエが駆るMOTULは脇阪寿一のPETRONASとのギャップをジワジワと詰めていく。一方、4番手はHIS ADVAN KONDO GT-Rが走っていたが、47周目のダンロップコーナーでトラブルによりストップ。いったんピットに戻り、すぐに再度コースに戻るが大きく遅れてしまい、4番手にはKEIHIN NSXが浮上した。
伊沢のARTA NSXはそのままリードを守り、2007年第8戦オートポリス以来の嬉しい優勝! 伊沢にとってはGT500クラス初優勝となった。2位はチェッカーまで残り2周というところでMOTUL GT-RがPETRONAS SC430をオーバーテイクし2位へ! 3位がPETRONASとなった。
チェッカー後は伊沢が喜び爆発。チームスタッフと喜びを分かち合う一方、土屋圭市ARTAエグゼクティブアドバイザーがインタビューに答えながら涙ぐむシーンも見られた。
GT300クラスは、序盤ポールスタートのtriple aガイヤルドRG-3に代わるように、giraffaガイヤルドRG-3がトップに浮上。HANKOOK PORSCHE、ダイシン アドバン Ferrari、そしてtriple aガイヤルドRG-3の4台による外国車同士の激しい接近戦が展開される。さらにその後方から、山岸大のJ-TRUST F-PROおーとキット ポルシェが素晴らしい走りをみせ次々とオーバーテイクを披露、5番手まで浮上する。
しかし、各車ピットインを終えてみると、上位に浮上したのは早めにピットインを終えたダイシン アドバン Ferrariがトップに。次いでウェッズスポーツIS350が2番手に、JIMGAINER ADVAN F430が3番手に続く展開となる。さらに、triple a ムルシェ RG-1が4番手に浮上し、J-TRUST F-PROおーとキット ポルシェが5番手となる。
中盤まで大健闘をみせていたJ-TRUST F-PROおーとキット ポルシェだが、47周目になんとドライバー側のドアが外れてしまい無念のストップ。5番手争いはHANKOOK PORSCHE、アップル・K-one・紫電らの6台による争いになり、中盤戦を大いに湧かせることとなった。
レースは終盤、トップのダイシン アドバン Ferrariに2番手JIMGAINER ADVAN F430が急接近! ダイシンの青木孝行、JIMGAINERの平中克幸によるドッグファイトが展開され、ファイナルラップ、第3セクターでサイド・バイ・サイドの大バトルが展開! 最後はストレートの加速に優るダイシンがJIMGAINERを抑え、フェラーリ同士の戦いを制し悲願の今季初優勝を飾ることとなった。
3位はtriple a ムルシェ RG-1が入り、イタリア車による表彰台独占という結果になっている。
