本日からテレビ朝日本社1階アトリウムで開催されている、フォーミュラEのシミュレータ体験イベント。当編集部でも早速イベントを訪れ、シミュレータを体験してみた。
今回体験できるシミュレータは、現役ドライバーもコース習熟のために使うという実に本格的なもの。その話題性もあり、初日から老若男女問わず、多くの人々が体験していた。
シートは実際のフォーミュラEマシンのモノコックを模したものになっていて、コクピットの狭さを実感できる。ステアリングホイールにも、デジタル表示のディスプレイが取り付けられていて、実車をドライブする雰囲気を演出する。
このシミュレータを製作したのは、エクスケープ・エンターテインメントという、レーシングシミュレータを中心に開発している企業。今回テレビ朝日に登場したシミュレータには、フォーミュラEから提供されたマシンデータと、実際のコースレイアウトがインプットされている。マシンのパフォーマンスは実車に非常に忠実になっているということで、実車とこのシミュレータのタイム差は1秒前後だという。この性能には、フォーミュラEアンバサダーのフレディ・ハント(ジェームス・ハントの息子である)もいたく気に入り、2時間近くもプレイを続けたという。このシミュレータは、フォーミュラEの各イベントに6台持ち込まれ、現役ドライバーやゲストなどが体験しているそうだ。
今回のイベントで体験できるのは、第3戦プンタ・デル・エステのコース。狭さとタイトコーナーの連続から、アクシデントが多発したコースだ。全速力から、例えば最初のシケインへの減速は、コーナー手前75m付近から。そして、ブレーキを解除してからステアリングを切っていかないと、上手くコーナーをクリアしていくことができない。またアンダーステア傾向が強く、しっかりステアリングを操作しないと、コーナリングできない。
インストラクターとして帯同する、フォーミュラ・ニッポンやスーパーGTで活躍した折目遼氏は、「ブレーキは蹴り込むような感覚で踏み、優しく離していかないとダメです」と解説してくれた。減速していくと、ダウンフォースが減っていくため、タイヤのグリップも下がっていく。これに比例して、ブレーキも弱めていかなければ、タイヤはロックしてしまうのだ。このシミュレータでは、そのあたりも忠実に再現されている。
事実、この日シミュレータを体験した人たちのドライブを観察してみると、コーナーで止まりきれず、ウォールに突っ込んでしまう例が多かった。シミュレータなので、ゲームに比べると、ブレーキペダルは非常に重たくなっている。そのためか、ブレーキを“蹴り込む”という感覚はなかなか掴みにくく、コーナーを直進する例が目立った。これでも、実際のシミュレーション時と比較するとかなり軽く設定しているとのことだが、その違いを実際に体験してみていただきたい。
さらに折目はこう言う。
「シミュレータでは、タイヤのたわみやサスペンションの動きもしっかり感じて走行しないと、実際の走行には活かせません。このシミュレータは、その動きも、しっかり再現されていますよ」
こうした本格的なレーシングシミュレータを、しかも無料で体験できる機会は、まずないはずだ。ぜひ、イベント期間中に足を運び、フォーミュラEのドライブを体験していただきたい。
なおこの日は、フォーミュラE生中継の実況を務める、テレビ朝日の田畑アナウンサーもシミュレータをプレイ。フォーミュラEドライバーの凄さを、改めて実感していた。
「実際にドライブしてみると、その難しさが分かりました。ウォールなんて、ほとんど見えないんですね。しかも、『なんで1〜2コーナーのシケインをクラッシュせずに通過できるんだ!』と思いましたよ。その上、あんな狭いところでオーバーテイクしたり……フォーミュラEのドライバーはすごいと思いました」
田畑アナウンサーはこれまで、陸上など様々なスポーツでの実況経験を豊富に持っている。しかし、自動車レースは初めてだという。その凄さや感覚を掴むのは、想像以上に難しいようだ。
「陸上などのスポーツでは、痛みやつらさなどがある程度想像できるんです。でも、フォーミュラEは、人間だけでやるスポーツじゃない。スピードも、我々がまったく分からない領域。だから、想像しにくかったというのは正直なところです。でも、今回シミュレータをやってみて、その難しさを少し体験することができた。次からの実況に、役立てることができると思います」
その田畑アナウンサーは、これまでフォーミュラE全戦の実況を担当しているが、中でも印象に残っているドライバーは、第2戦プトラジャヤで勝利したサム・バードだという。
「彼は第2戦で、独走してエネルギーをマネージメントして、他のドライバーよりも1周多く、1台目のマシンで走りました。しかも、その時のエネルギー残量は3%。コースに復帰した後も、独走しましたよね? あれこそ、フォーミュラEの模範的なドライブだったように思いました。そういう意味で、とても印象に残っています」
テレビ朝日本社に登場した、フォーミュラEシミュレータ。ドライブするのは非常に難しいはずだ。最初の挑戦で1周を走り切るには、どなたでも難儀するだろう。しかし、ぜひ挑戦してみて欲しい。体験すれば、フォーミュラEドライバーの凄さ、そしてドライブの難しさを実感することができるはずだ。そしてもちろん、フォーミュラE独特のモーター音も体感することができる。
フォーミュラEシミュレータの体験イベントは、12月28日(日)まで、東京・六本木のテレビ朝日本社1階アトリウムで開催されている。そして、フォーミュラEの凄さを体験して、1月10日(土)に行われるフォーミュラE第4戦ブエノスアイレスePrixを観戦すると、より深くレースを楽しむことができるはずだ。
【イベント概要】
■イベント名:『フォーミュラEシミュレーターでレース体験をしよう!』
■期間:12月28日(日)まで
■運営時間:午前11時00分〜午後7時30分※番組収録等により体験イベントを中断する場合があります。
■設置場所:テレビ朝日本社1階 アトリウム中央
■体験内容:プロのレーサーも使用する本格シミュレーターを2台設置。インストラクターの説明を受けながらリアルなレース体験が可能。2台で競うことも可能。基本1人1周。時間制限でリタイヤしていただく可能性もあります。
■料金:無料
■協賛:タグホイヤー
【フォーミュラE第4戦ブエノスアイレスePrix放送スケジュール】
■2015年1月10日(土)独占生中継!
「テスト走行」:よる10時15分/CSテレ朝チャンネル2
「予選」:よる11時45分/CSテレ朝チャンネル2
「決勝」:深夜3時30分/BS朝日
■2015年1月11日(日)
「フォーミュラE第4戦ハイライト」:よる11時30分/BS朝日
■2014年1月17日(土)
「フォーミュラE第4戦ハイライト」:深夜3時50分/テレビ朝日系(一部地域を除く)
■第1〜3戦の本戦中継や車載カメラなど大迫力の映像アーカイブをテレビ朝日「フォーミュラE」番組公式サイトで無料配信中!
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