メルセデス・ベンツがブラウンGPの株式を取得する見込みであるとの報道に関し、マクラーレンは、メルセデスと今後も長期的な提携関係を継続すると強調した上で、メルセデスの他のチームへのエンジン供給プランに反対するつもりはないとコメントした。
マクラーレンと1995年からパートナーシップを結び、現在同チームの40パーセントの株式を所有しているメルセデス・ベンツが、ブラウンの株式を取得し、F1への関与を深めようとしているとの報道に関し、マクラーレンのスポークスマンはBBCに対し、次のようにコメントした。
「メルセデス・ベンツのマクラーレンに対するエンジン供給契約は、非常に長期的なものであり、今年が15年目にあたる。そして今後も何年にもわたって継続することになる。しかし我々は、パートナーの、他のF1チームへのエンジン供給に関する計画を支持する。今年初めにブラウンとのメルセデス・ベンツエンジン供給契約が可能となり、それによってチームが消滅を免れたことを、我々は喜ばしく思っている」
「フォース・インディアも、メルセデス・ベンツとマクラーレンとのエンジン供給/エンジニアリングコンサルタントに関する提携の結果、見事に成長した。先日のベルギーGPでジャンカルロ・フィジケラが2位という素晴らしい結果を挙げたことが、それをはっきりと証明している。マクラーレンとメルセデス・ベンツは共に我々のF1でのコラボレーションに極めて満足している。我々はドライバーズ世界選手権を3回、コンストラクターズ世界選手権を1回、そしてグランプリにおける多数の勝利を獲得した。ライバルたちを過小評価しておらず、厳しい戦いになるのは承知しているが、今週末のイタリアGPでも我々は共に勝利を加えることを目指す」
今季前半はマクラーレンが低迷し、開幕戦での偽証事件があったこともあり、メルセデス・ベンツはマクラーレンとの提携を終了し、ブラウンの完全買収を考えていたと見られているが、最近になってマクラーレンは見事な復活を遂げた。
メルセデス・ベンツがブラウンとの関係を深めることになった場合、フォース・インディアとの契約がどうなるのか、来季の供給に関して交渉を行っているとされているレッドブルとの契約がどうなるのかは不明だ。しかしもしレッドブルとの契約が結ばれる場合には、通常の500万ユーロのカスタマーエンジン料金の代わりに、マシンのフロントにメルセデス・ベンツのロゴが飾られることになるかもしれないと、デイリー・テレグラフ紙は報じている。
ブラウンGP側は今回の報道に関してコメントしていないが、先月、チームCEOのニック・フライが、新たな3年契約を含むエキサイティングな発表に向けて事態が進行中であるとほのめかしている。
「メルセデスが現在の位置に不満を持っているという話は聞いたことがない」とフライ。
「我々は、彼らが(マクラーレンとの)提携を継続することを心から願っている。我々はいくつか素晴らしい契約を締結した。来年マシンを発表する際にそれが明らかになるだろう」
メルセデスは、来年ニコ・ロズベルグをマクラーレンかブラウンに乗せることを強く望んでいると言われている。
