全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの今季開幕戦は鈴鹿サーキットで公式予選が行われ、伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)が自身初のポールポジションを獲得。塚越広大(DOCOMO DANDELION)が続き、DOCOMO DANDELION勢がフロントロウを独占した。

 朝方降り続いてた雨は昼前に止み、午後になって晴れ間ものぞいてきた鈴鹿サーキット。14時からのセッション開始時には、路面はかなり乾いていたものの、嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)やNAKAJIMA RACINGの2台はウエットタイヤを装着してコースイン。20分間の予選Q1がスタートした。

Q1:
 走行開始時には、スリック装着の各車はかなり滑りやすい状況だったものの、11時過ぎに二輪JSB1000の予選で撒かれたオイル処理のために水が出ている以外はアタックできる状況に。ウエットタイヤを装着した3台もすぐにピットに入り、タイヤを交換した。

 まずは各車一度目のアタックを行い、刻一刻とコンディションが良くなる中、一度ピットに戻りニュータイヤを投入。二度目のアタックに出る。その時点でトップは塚越となっていたが、変則的なタイミングでアタックを行ったジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がまずはそれに次ぐ2番手に。残り1分というところで、各車が続々とアタックを終えていく。

 まずは今季Fニッポンに復帰したロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)が1分40秒台に入れると、7台が40秒台に突入。最終的にトップタイムは塚越となり、次いで山本尚貴(TEAM無限)、中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)というトップ3に。一方ノックアウトとなったのは、金石年弘(HP REAL RACING)、中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、嵯峨、折目遼(SGC by KCMG)という4人となった。なお、Q1後アタックを終えた松田次生(TEAM IMPUL)がスローダウン。惰性でピットに戻ってくるシーンもあった。

Q2:
 Q1よりも路面温度が19度から24度に上がった状況でスタートしたQ2。松田も無事にコースインし、13台でQ3進出をかけ争うことになる。7分間のQ2ということもあり、セッション開始から各車がコースインし、左右にマシンを振りタイヤを温めながらアタックに入っていった。

 1回、もしくは2回のアタックでチェッカーを迎え、Q2トップタイムをマークしたのは昨年の鈴鹿でポールを獲得した経験をもつ山本尚貴(TEAM無限)。次いで一貴、塚越というトップ3に。大嶋和也(Team LeMans)、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)というトップ5となった。

 一方、Q2敗退となったのはデュバル、国本雄資(Projectμ/cerumo-INGING)、小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、平手晃平(Projectμ/cerumo-INGING)、安田裕信(KONDO RACING)というメンバーとなった。

Q3:
 いよいよポールポジションを決することになるQ3。真っ先に前年王者のロッテラー、そして一貴というPETRONAS TOM'S勢がコースに入っていく。鬼気迫るアタックで真っ先にタイムを出しに行ったロッテラーだが、デグナーふたつめで軽くコースオフ。続く一貴がまず1分39秒台に入れ、ベースタイムを築いていく。しかしその直後、アタックに入った山本尚貴が2コーナー立ち上がりでスピンを喫しタイヤバリアにクラッシュ! 山本は前後ウイングを壊してしまい、赤旗が提示されてしまう。

 残り2分30秒というタイミング、ワンアタックで再開されたQ3で、セクター1から好タイムをマークしてきたのはDOCOMO DANDELION勢。伊沢拓也、塚越広大のふたりが100分の1秒まで同タイムで通過すると、セクター2は塚越がリード。しかし、終わってみれば伊沢がコンマ1秒差で塚越と下しトップへ! 2008年のフォーミュラ・ニッポン初参戦以来、自身初めてのポールポジションを決めてみせた。伊沢はマシンを降り、渾身のガッツポーズをみせた。

 2番手には塚越が続き、DOCOMO DANDELION勢がフロントロウ独占。3番手には一貴、4番手に大嶋、5番手には松田が続くことに。オリベイラはスプーンでスピンを喫し、7番手に沈むこととなった。

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