第8戦 ツインリンクもてぎ 決勝レポート (GT500)
ペース良くも、SCに阻まれる
決勝が始まる時間の天気予報は曇り。その時には既に雨があがる予報だったが、朝のフリー走行は雨が降っていたので、ウェットタイヤでレースを想定したバランスの確認を行った。バランスは非常に良くて、6番手のタイムを記録し、決勝に期待を持たせる結果になった。
予報通り、スタート前には雨が止んでいたが、スタートドライバーを務める松浦孝亮がスターティンググリッドにARTA NSX CONCEPT-GTを並べ終わってスタートを待っていたら雨が降りだしてきた。スタート時間から後は雨が止む予報だったが、路面には徐々に水が溜まり始めていた。
パレードランとフォーメーションラップが終了し、いよいよ今季の最終戦のスタートが切られた。松浦は混乱に巻き込まれないように、前方の様子を見ながら1周目は13番手で帰ってきた。前車のスピンもあり、2周目は11番手、4周目には10番手と、前回のオートポリスのレースを思わせる展開だ。松浦の勢いは止まらず、10周目までに7番手までポジションを上げる事に成功する。6番手とのギャップは大きく開いていたが、徐々にその差を詰めて周回を重ねた。
ドライバー交代を開始出来る周回に達し、前車が徐々にピットインを開始した。既に雨は止んでいて、コース上の走行ラインは徐々に乾き始めていた。先にピットに入った車は全てドライタイヤに交換していたので、それらの車とラップタイムを比較していたが、まだレインタイヤの方が速かったので、ピットインを遅らせる事になった。松浦は3番手までポジションを上げたところでルーティンのピットインを行った。
バトンを受けた野尻智紀は10番手でコースに復帰したが、その周回の終盤にセーフティーカーが導入された。他車の部品が破損し、コース上に散らばってしまったからだ。回収が済んで4周後に再スタートが切られた。しかし、セーフティーカーが入ったタイミングが悪かったのか、あるいはピット作業に時間がかかってしまったのか分析中だが、ルーティンのピットイン前に後方を走っていた車に抜かれてしまい、9番手まで順位を落としてしまった。その後はペースが上がらず、最終的には11位で今季最後のレースを終えた。
車のバランスの良さは1年通して高いレベルにあったが、それを生かし切れない所があり、今年は悔しい思いが多かった1年となったが、我々が復調出来る兆しがあったので、来年に向けて準備をしたい。
鈴木亜久里監督のコメント
「車のバランスは本当に良くて、大きく崩れる事は無かったんだけど、順位につなげる事が出来なかったね。それよりもミスが目立ったシーズンだった。ミスを無くすだけで結果はだいぶ違ってきたと思う。ミスを無くす事は何度もトライしたんだけど、メンタルの弱さもあったのかも知れない。来年はとにかくノーミスでレースウイークを終えられるようにしたいね。1年間応援して下さった皆さまには感謝します。ありがとうございました」
佐藤真治エンジニアのコメント
「スタート直後はウェットコンディションではかなりペースが良くて松浦選手はかなり順位をあげてきてくれました。徐々に路面が乾いてきたので、他車の様子を見ながらピットインのタイミングを見極めました。ピットアウトをした直後にセーフティーカーが入り、そこで勝負権を失ってしまいました。ピットインのタイミングが悪かったのと、ピット作業が遅かった影響もありました。ペース自体は非常に良かったので、なぜ順位を大きく落としてしまったのか分析してみます」
松浦孝亮選手のコメント
「スタートはタイヤの選択など難しい状況にありましたが、自分達はもうレインのハードを履いていく事を決めていたので、迷いはありませんでした。スタートした後もペースは悪くなくて、前車に追いついたら抜く、という繰り返しで、7番手までポジションアップ出来ました。後半はセーフティーカーに惑わされました。そのタイミングをうまく利用出来ればトップ争いも出来たと思うので非常に悔しいです。このシーズンは結果を満足のいく出す事が出来ませんでしたが、1年間支えて下さった皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました」
野尻智紀選手のコメント
「現時点で何が悪くて順位を落としてしまったのか分析出来ていませんが、この後調べてみたいと思います。ペースが良かっただけに悔しい気持ちしか残っていません。しかしながら、1年間支えて下さった皆さまや応援して下さった皆さまに感謝したいと思います。ありがとうございました」
