4月6日から7日にかけ、イタリアのバレルンガで開催されたフォーミュラ・ルノーALPSで初のシングルシーターレースを経験した笹原右京(ユーロノバ)は、「デビューレースの満足度は20%」と厳しい評価を下した。
笹原は、36人もの若手ドライバーが参戦した開幕戦の予選で12番グリッドを獲得すると、レース1を8位でフィニッシュ。2番目に速い予選タイム順で決まるレース2では、10番グリッドから再び8位に入るなど、いずれもシングルポジションでのフィニッシュを果たし、初のシングルシーターレースをまずまずの結果で終えた。
しかし、笹原は初戦の完走を評価する一方で、レース後半はチームメイトについていくのが精一杯だったと述べ、何度かミスも冒したとして、レース内容については厳しい点数を自らに課した。
「レース1決勝のスタートの瞬間はあまりよくありませんでした。本番では初めてのスタンディングスタートだったからかもしれません。でも、その後の速度が伸びて何台か抜けました。レース前半のペースは良かったのですが、後半はオーバーステアでペースが上がらず、チームメイトに食らいつくだけで精一杯でした。でも、初めてのフォーミュラカーレースで最後まで走りきり、8位入賞できたのは良い経験になったと思います。ただ、このレースの満足度は20%くらいです。終盤の数周でミスを冒したための8位でしたし、感触的には前の2台は抜けるだけのスピードがありましたから」
「レース2決勝では前日の反省をもとにとくにリアタイヤを念入りに温め、あとは回転数をしっかり合わせるだけと考えていましたが、ホイールスピンをさせて大失敗のスタートでした。ただ、クラッシュで赤旗になったので、自分の失敗が帳消しになったのはラッキーでした。赤旗後のスタートは、シグナルが消えた瞬間の出足は最高でしたが、後ろのクルマがすごいスタートで僕を抜いて行きました。レース中は冷静に状況を把握して戦えたと思いますが、前日のデータをもとに変更したクルマのセッティングが大外れで厳しかったですね」
「この大会を終えての課題は、スタート前にもっとリアタイヤを温めることとスタート練習を積むことです。収穫は、スタートで遅れても頭は冷静であったことで、抜けるか抜けないかという判断がきちんとできたことです。4月10日にはミサノでテストがあるので、5月12日にイタリア・イモラで開催される第2大会への準備をしっかり整えたいと思います」
なお、今回のバレルンガには今季のユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0に参戦するドライバーが実戦練習を目的に12人も参戦しており、今後はチームメイトのグレゴー・ラムゼイやフェラーリF1の若手育成プログラムに所属するアントニオ・フッコなどがタイトル争いのライバルになるとみられている。