スーパーGT第2戦富士スピードウェイは1日、決勝レースが行われ、雨のため66周予定のところ59周で赤旗終了となる波乱のレースの中、MOTUL AUTECH GT-Rが優勝を飾った。2位はENEOS SUSTINA SC430、3位はデビュー戦のWedsSport ADVAN SC430となった。GT300クラスはHANKOOK PORSCHEが優勝を飾っている。
昼過ぎのポルシェカレラカップのチェッカー後には雨が止み、強風が1コーナー方向に吹き続けていた富士スピードウェイ。各チームハーフウエット状態にタイヤ選択に頭を悩ませることとなったが、スタート進行前のウォームアップでは各車ウエットでピットアウト、すぐにスリックに履き替えることに。しかし、グリッドへの走行が始まった時点で再び雨が降り出し、グリッドウォーク中に完全に路面はウエットとなった。各車浅溝か、深溝かギリギリまで悩みながらのSCスタートとなった。
予選では圧倒的なパフォーマンスをみせたポールのDENSO SARD SC430、2番手のADVAN KONDO GT-Rだが、タイヤ選択の影響か、スタートから3番手スタートのADVAN KONDO GT-Rに先行され、ズルズルと順位を落としてしまう予想外の展開で序盤は幕を開ける。2台は一気に最後尾近くまでポジションを落としてしまい、たまらずタイヤ交換を行った。
一方、トップに立ったADVAN KONDO GT-Rには、ブリヂストン装着のカルソニックIMPUL GT-R、MOTUL AUTECH GT-Rが一気に襲いかかる。ADVAN GT-RにはさらにENEOS SUSTINA SC430が接近しこれをパス。13周を過ぎたあたりから、カルソニックを駆るジョアオ−パオロ・デ・オリベイラとMOTULを駆るブノワ・トレルイエのふたりがへピーウエットの中激烈なバトルを展開する。
いったんトレルイエが抜ききれず間隔を開けるが、先頭を走っていたオリベイラは18周目のダンロップコーナーで体制を崩し、前にいたPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリに向かっていきクラッシュ。 コースに戻るが、マシンの左側を大きく破損しており、オレンジディスクが出されることになってしまった。好走をみせていたPACIFIC NAC イカ娘 フェラーリはあおりを食う形になってしまった。
これで先頭はトレルイエ駆るMOTUL AUTECH GT-R、次いでENEOS SUSTINA SC430、ZENT CERUMO SC430とSC430勢が続く。4番手にはWedsSport ADVAN SC430が続き、デビュー戦ながら大健闘をみせていた。
途中雨が小康状態になったり、再び大降りになったりと変わりやすい天候の中、各車ドライバー交代のリミットギリギリまで引っ張りピット作業へ。上位陣はタイヤ無交換でドライバー交代を済ませるチームが多く、終わってみればトップはMOTUL AUTECH GT-R、2番手はENEOS SUSTINA SC430、そして3番手には荒聖治に交代したWedsSport ADVAN SC430がつけることになった。
上位3台の間隔は広がっていたかに見えたが、終盤、ENEOSを駆る伊藤大輔がジワジワとその差を詰め始める。一時5秒を切り追い上げモードに入っていたが、チェッカーに向けて雨量が多くなっていく。GT500は各車2分以上にラップタイムが落ち始め、危険な様相を呈し始めたところで、レースコントロールは赤旗中断を決定。59周終了時点でレース終了となり、MOTUL AUTECH GT-Rが優勝、2位にENEOS SUSTINA SC430、3位にデビュー戦のWedsSport ADVAN SC430となった。
一方、序盤で順位を落としたミシュラン勢のうち、DENSO SARD SC430は素晴らしいペースで追い上げるが、井口卓人がファステストラップをマークするも、水量が増え始めたところでスピン。6位でレースを終えた。また、ホンダHSV-010勢にとっては受難のレースに。多くのマシンがウインドウが曇ってしまうトラブルに見舞われ、最上位はKEIHIN HSV-010の8位となった。
GT300クラスは、序盤からポールスタートのHANKOOK PORSCHEがトップを快走。2番手スタートのイカ娘フェラーリの後方から、都筑晶裕駆るZENT Porsche RSRがゴボウ抜きをみせ、一気に2番手まで浮上してみせた。
その後方、フォーメーションラップでスピンを喫し、最後尾スタートでかつペナルティを課せられていたのはJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458。しかし、その後平中克幸が素晴らしいペースで追い上げをみせ、ピットストップを終えてみると2番手のZENT Porsche RSRの後方につけていた。
終盤、ZENT Porsche RSRの土屋武士とJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458の田中哲也の間でバトルが展開されるが、いったん田中が土屋をパスするも、水量が多くなってきたところで土屋が抜き返す。しかし、この直後に赤旗が提示されてしまい、土屋が抜く前の時点でレース終了に。優勝はHANKOOK PORSCHE、2位にJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458、3位にZENT Porsche RSRという結果となった。
