年々、その競技速度の高速化が指摘されているダカールだが、それはカミオン部門にも例外ではなく、そのためスピードに特化したマシン開発が必要とされたのだという。さらにシャシー側のサスペンション設定や剛性確保、ハンドリングにも、キャブフォワード型のトラックよりメリットがある、とチームリーダーのウラジミール・カキンは言う。
「私たちのチームは、常にこの魅力的なスポーツの絶え間なく変化する要件を満たす最高の、最も信頼性が高く、競争力のあるトラックを作り出すよう努めてきた。こうしたロングキャブ型のトラックは衝撃吸収性に優れ、バンプや何かを踏んだ時にその衝撃をうまくシャシーやエンジンブロックに逃がすことができる」
「従来型はアクスルの上に乗員が来るので、直接的に衝撃を受ける形だったのだ。ドライバーはほとんど“大きなSUVをドライブしているような感覚”でプッシュできると言っている。我々はすべての要素を革新したいと思っているし、ステルスレッドブルのカラーリングは、技術の最先端をプッシュしているという視覚的なデモンストレーションにもなるだろう」
この12.5リッター、980馬力の最新ディーゼルエンジンを搭載するカマズ・マスター“カポトニク”と呼ばれるマシンは、16速のZF製トランスミッションを介して、あらゆるサーフェスで160km/h超のアベレージを実現することを狙っている。
まずは本戦の前に、7月8-24日にモスクワからカズフスタンを経由し北京を目指す10000km超えのレイドイベント『シルク・ウェイ・ラリー』で、実戦デビューを果たすことになる。