バンバーとゲラエルがケメル・ストレートで激しくクラッシュしてレースが中断される直前、アイロットがピットインした数少ないドライバーのひとりだったことで、JOTAのレース運は大幅に高まった。
アイロットはその後、12号車のクルーが赤旗の時点で良いポジションにいることはわかっていたと認めたが、オフィシャルが赤旗中断の間だけレースを延長することを選択するまで、彼らの勝算は宙に浮いたままだった。
「最初の数分間はクルマの中で待っていてくつろいでいた。状況がどうなっていて、何を修理する必要があるのかわからなかったんだ」
「もちろんドライバー全員が無事で安堵した。なぜなら、あのあたりは(超高速区間であり)クラッシュするのに良い場所ではないからだ」
「(クルマに)戻ってからは、自分たちがいいポジションにいるとわかっていたので気分が高揚していたと思う。(スティーブンスは)大丈夫だったが、エンジニアはとても動揺していた。彼は情熱的なフランス人で、自分たちが正しい側にいるべきだったと感じていた」
「状況が好転すると『よし、あと1時間40分仕事ができる』という感じだった。とはいえ、以前より良いウインドウとポジションにいること以外は何も変わっていなかった」
「僕たちは少しずつ取り組んできたので、攻めなければならないとか、考え方を変えなければならないとか、そういうことはなかったと思う」
レース再開後、アイロットはポイントリーダーのケビン・エストーレがドライブする6号車ポルシェ963を抑え込み、その差を12.363秒に拡げてチェッカーフラッグを受けた。
「最終セクターとオー・ルージュの一部で少し弱かった」と彼はエストーレとのバトルを振り返った。
「だからGTカーとのギャップを何とかしようとしたんだ。簡単なことではなかったけれど、自分のアドバンテージがどこにあるかはわかっていたし、いくつかの場所で良いギャップを作るためにタイヤをマネジメントすることが重要だった」と説明したアイロット。
「あるトラフィックの状況で彼より少しアドバンテージを得ることができ、そこからタイム差を広げていったんだ」
「レース再開当初、彼はいいファイトを見せていた。もし、あの時点で彼に捕まっていたらオーバーテイクするのは大変だったと思う。それは確かだ」