WEC世界耐久選手権でトヨタが使用する数百万ドル(数億円)のハイブリッドシステムとは異なり、IMSAが提案するユニットのリースコストの目標価格は10万ドル(約1100万円)程度とみられている。

 ホジソンは、一部の関係者がハイブリッドシステムの採用に対して懸念を示しているとし、その内容はハイブリッドシステムを組み込むために現在のLMP2ベースのシャシーの全長を伸ばすことだと説明。しかし、これについて彼は、仮定の話に過ぎず「時期尚早」であると語った。

「今現在、我々にとっての最優先事項はパッケージングと、我々がやろうとしていることの概念が証明を得ることができるかどうかだ」

「我々は可能だと信じているがね。レッドフラッグは出ていないよ」

■DPi 2.0は改革ではなく、あくまでも現行規定からの“進化”に留まる

 また、ホジソンは、マイルドハイブリッドユニットの追加は、コスト面やチームによる対応および、運営のしやすさに重点が置かれており、必ずしもパフォーマンスの著しい向上を図るものではないと強調する。

「我々が行なったすべてのシミュレーション作業では、現在のパフォーマンスに合致するか、もしくはゆるやかなパフォーマンスの向上が見られた。私たちは改革をしたいのではなく、進化について話をしているのだ」

「我々のシリーズには現在、オレカ、リジェ、ダラーラ、ライリー/マルチマチックという4つのLMP2コンストラクターのモデルが揃い、それぞれがマニュファクチャラーと連携して成功を収めている」

「なぜ機能しているものを変える必要があるだろうか。(規則を作る側からすれば)誰も白紙の状態から始めたいとは思わない」

「我々はそのことを念頭に作業を進めている。すでに持っているものを大きく変えるのではなく、成長を助け育てようとしているのだ」

 先週のミーティングに参加した9社のマニュファクチャラーには、DPiクラスに参加していないフォードとレクサスの代表者とともに、フォルクスワーゲングループの少なくとも2社のマニュラクチャラーが含まれていることが分かっている。

 また、ACOのテクニカルディレクターを務めるティエリー・ブーベもこのミーティングに参加していたが、ホジソンは1月にデイトナで開催された第1回目の運営委員会でもACOの参加を除外する意図は当初からなかったと語った。

「彼が今回、WEC第7戦スパ6時間レースと同じ週末にオハイオで行われたミーティングに参加したのは、DPiがベースにするLMP2カーのホモロゲーションの権限をACOが持っているからだ」と述べている。

2017年に登場したDPiマシンは2018年シーズンまでLMP2カーと同じクラスを戦っていた
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