2021年までのGTE仕様からGTDスペックへと“デチューン”されたシボレー・コルベットC8.Rの最大の変化ポイントについて、2022年シーズンのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTDプロクラスで3号車コルベットのステアリングを握るジョーダン・テイラーとアントニオ・ガルシアのふたりは、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の追加とクラス共通となるミシュラン製カスタマー・タイヤへの移行の2点を挙げた。
プラット・アンド・ミラーが運営するコルベット・レーシングは、2024年のデビューが予定されている新型マシン『シボレー・コルベットZ06 GT3.R』が登場する以前の2シーズンを、シリーズから認められたGTEマシンのGTDデチューン仕様となる『コルベットC8.R GTD』を用いて参戦する予定だ。
2021年、デトロイトで行われたGTLMクラスのノンタイトル戦でABSシステムの初期テストを行い、ポストシーズンにはバージニア・インターナショナル・レースウェイで実施したテストを通じて、修正された仕様を確認したテイラーとガルシアは、新しいシーズンに向けてまだ「多くの学習がある」と考えている。
「コルベットC8.R GTDが(他のGT3カーに)近づくよう、IMSAが我々にさせている細かな作業がたくさんあるんだ」とテイラーは語った。
「僕たちのクルマは(GT3カーで争われる)GTDプロクラスのために設計されていないから、彼らはできるだけ性能の均等にしようとしている」
「一番大きいのはタイヤを理解することだ。僕たちのチームは、ミシュランと何年もかけてコルベットに合った機密性の高い専用タイヤを開発してきた。一方、いまはフロントエンジン、ミッドシップ、リヤエンジンの各タイプに対応するタイヤに移行している。その仕組みを理解し1ラップだけでなく、スティント単位で最大限の力を発揮できるようにすることは、学ぶべき大きなことのひとつなんだ」
「ABSも一連のシステムの中でブレーキの摩耗を理解するために必要なことだね」
「ニッキー(・キャツバーグ)のような人がいるのはいいことだ。彼はGT3の経験が豊富で、このタイプのクルマで彼ほど多くの経験を持っていない僕やアントニオ(・ガルシア)に手を差し伸べることができる。僕たちはそれを最大限に活用することが可能だ」
「学ぶことは多いはずだ。アントニオと僕は昨年のプチ・ル・マンの後、バージニアで2日間走り込みクルマのフィーリングを確かめた。コルベット・レーシングの皆はきっとファクトリーに戻ってからすべてのデータを研究し、開発を進めただろう」
「それ以来、チームの他のドライバーたちもシミュレーターを使って、僕らが取り組んでいたアイテムを開発していった。デイトナではいいパッケージができると思うよ」