7月26日、BMWは、2024年からWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに新型LMDhマシンで参戦することを確認した。あわせて2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でデビューし、2年目にはWEC/ル・マン24時間にも投入される『BMW MハイブリッドV8』のシェイクダウンをイタリア、バラーノで実施したことを明らかにした。
ドイツのメーカーがル・マン24時間レースの総合優勝を目指すためのWECプログラムは、数カ月前から評価が行われてきた。
この復帰参戦は、1999年にBMWがル・マンで行った最後のプロトタイプカーでの競争から25周年を記念するものとなり、同年のル・マンではヤニック・ダルマス、ヨアヒム・ウィンケルホック、ピエルルイジ・マルティニがドライブした『BMW V12 LMR』が総合優勝を飾っている。
なお、近年のWEC/ル・マンでは2018-19年の“スーパーシーズン”に限り、BMW M8 GTEによるプログラムがワークス体制で行われていた。
BMW Mのフランシスカス・ファン・ミールCEOは、「2023年からIMSAシリーズ、2024年からWECでBMW MハイブリッドV8を走らせるという決定は、このプロジェクトのマイルストーンになる」と述べた。
「BMW MのCEOとしての最初の任期中に、ル・マン24時間レースの並外れた才能をサンプリングし驚嘆した。だからこそ、BMW Mモータースポーツとしてこのクラシックレースと世界耐久選手権で、ふたたび総合優勝に挑戦できることに大きな興奮を覚えているんだ」
「BMW MハイブリッドV8は、BMW Mにとって電動化へのターニングポイントとなるものだ」
「北米のIMSAシリーズと、世界中で開催されるWECは、完璧なプラットフォームが形成されている。私たちはその上で自分たちのプロトタイプカーを使用して、電動化されたBMW Mカーが将来どれほどエキサイティングなものになるかを示すことができる」
■8月はヨーロッパで、9月以降は北米でテストを重ねる
BMWは今週月曜日に、イタリアのコンストラクターの施設があるバラーノのトラック(アウトドローモ・リカルド・パレッティ)で、ダラーラ・ベースの新型LMDhカーによる最初の走行を実施。BMW MハイブリッドV8のステアリングをワークスドライバーのコナー・デ・フィリッピとシェルドン・ファン・デル・リンデが交代で握ったと発表した。
これ以降、BMWのLMDhカーは8月にはヨーロッパで多くの走行テストが予定されている。これは2023年シーズンのIMSA GTPクラスでこのクルマを2台走らせるBMW MチームRLLが、北米でクルマを走らせ始める9月を前に行われるものだ。
BMWは、来月のサーキットテストの段階には“多数の”ファクトリードライバーが参加することを明らかにしており、2023年のドライバーラインアップは後日決定される予定となっている。