「練習は終わり」と関口。クレバーな一面も
鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1回公式合同テスト。今季から念願の国内トップフォーミュラに参戦する関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は充実の2日間を過ごした。
雨となった1日目は思うように走り込めず、本人も若干フラストレーションが溜まっていたようだが、ドライコンディションとなった2日目は午前と午後ともに勢力的に周回を重ね、トータル74周を走破した。
今回のテスト直前にシートが決まった関口。昨年11月のメーカーテストではチームメイトのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラを上回る存在感を見せつけたが、レギュラードライバーとして迎えた今テストは、開幕に向け最高のパフォーマンスを出すための第一段階にしていたという。
「最初はJPと同じセッティングで走り始めて、自分なりに合わないところはアジャストしてもらって走行しました。ダウンフォースが多く、その領域でしばらく走っていなかったので、パフォーマンスを余らせていた部分は絶対あったと思います。それを徐々に詰めていきました。まずはこのクルマに慣れて、ドライビングの勉強をするというテーマを今回持っていたのですが、それはクリアしたかなと思います」
また関口は、チームメイトとの比較でどれくらいのタイムを出せるかという点も重視していた様子。午後はオリベイラの後塵を拝して13番手だったものの、最後のアタックではテストセッション時に使えるオーバーテイクボタンが残っておらず使用していなかったという。彼は、それを考慮すればオリベイラと同じようなポジションに来る事ができたと自信をみせる。
「JPはやっぱり速いので参考になります。午前中は勝っていたし、午後は0.4秒遅れでしたが、オーバーテイクボタンを使っていなかったことを考えると0.1秒差ぐらいなのかなと思っています。だから、まずはドライビングの勉強はこれで終わりかなと感じています。ここからセッティングを詰めていって、基準となるJPが7番手なので、チームとしてはもうちょっと上に行けるようにしないといけないですね」
「セッティングという点ではまだまだ決まっていない部分もあるので課題は残りましたが、自分のドライビングという部分では手応えはありました。あとは次の岡山でセッティングを詰めていくことをテーマにして、それをクリアしたいですね」
関口らしく、いきなり大暴れしてくれるのかと思われたが、開幕戦に照準を合わせてひとつひとつ自分の課題を潰していくという、彼のクレバーな一面も見られたテストだった。
今季の目標を改めて聞くと「もちろんチャンピオンを狙うことが目標ですが、最低限JPには勝ちたいですね」とコメント。テスト段階からオリベイラと比べても遜色のないタイムを出しているだけに、次の岡山テストと4月の開幕戦も目が離せない。