UOMO SUNOCO TEAM LEMANSのパーマネントドライバー、ピエトロ・フィッティパルディの代役として、第2戦オートポリスからスーパーフォーミュラに参戦しているディルマン。29歳のフランス人ドライバーのディルマンはこれまでにフォーミュラ・ルノー、F3、GP3、GP2(現FIA F2)を経験し、2016年にはフォーミュラV8 3.5のチャンピオンを獲得した。2018年はWEC世界耐久選手権に参戦している。
ディルマンが注目を集めたのは、前戦SUGOの決勝レースだ。初めて走るスポーツランドSUGOのレースで予選18番手と下位に沈みながら、ミディアムタイヤでスタートしたディルマンはわずか7周でピットイン。ソフトタイヤに交換すると、残り61周を走り切って4位入賞を果たしたのである。しかし、今日のいまひとつ奮わなかった。専有走行の結果は14番手。
「今日の内容はあまり競争力がなかった。ふだんはもっといけるはずなんだけど。自分でも変えないといけないところがあると思うし、クルマで変えるところが必要ならエンジニアやメカニックに変えてもらう。カズヤ(チームメイトの大嶋和也)がいい結果(2番手)だったのだから、チームとして力を持っているはずなんだ」
それでもディルマンの強みは順応力の高さでもあるのではないだろうか。チームスタッフも「適応能力はすごい」と認める。さすが29歳の経験を蓄積してきたドライバーだけあるといったところか。
しかし明日の予選は天候が読めない状況。ディルマンは「雨のレースは好きなんだ。雨のレースで勝ったこともあるしね。今日はそれほど速くなかったけれど」と苦笑し、さらに続ける。「もし明日のフリー走行が雨で、予選がドライだったら、富士でドライを走ったことがないまま予選を迎えることになる」
もし予選がドライだった場合、ディルマンにはもうひとつ心配事があるという。
「チームとしてミディアムタイヤに苦戦しているから、そこをなんとかしないと予選の結果を改善できない。今日はミディアムタイヤに対するセットアップを変えていきたかったのだけど、こういう(雨の)天気だったものだからいっさいそれができなかった」
終始穏やかにインタビューに応えたディルマン。初の富士、初のレインタイヤ、そして経験することになるかもしれない富士での初ドライタイヤ。ディルマンにとって第4戦は、前戦の再現なるかと簡単に言えるレースではなさそうだ。
