一方のトヨタエンジン使用チームも、トップチームを中心にドライバーの移籍が多くなるとの情報がある。まずは今年チームタイトルを獲得したKONDO RACING。ニック・キャシディと山下健太の2年目コンビで今年のスーパーフォーミュラを盛り上げたが、どうやら2019年はこのコンビが解消されることになるらしい。

 キャシディ、そして山下ともに最終戦で表彰台に上がったように、ふたりともこれから伸び盛りとあって、どのチームもウェルカムとの噂もあるが、その行き先はどうやら、TEAM TOM’S、またはCERUMO/INGINGになるのでは、との情報が流れている。

 トムスとしてはジェームス・ロシターの離脱がほぼ決定的な状況のため、シートが一席空いている状況とも言える。キャシディはスーパーGTではトムスから参戦していることからも、チームとの繋がりは強い。しかし、トヨタ陣営としてはもうひとりのキーパーソン、坪井翔の存在がある。

 今年、全日本F3で前人未踏のシーズン17勝、そして12連勝という圧倒的なリザルトで全日本F3チャンピオンとなった坪井。スーパーGT300クラスでもHOPPY 86 MCで二度の表彰台を獲得し、GT500でもWECに出場した小林可夢偉の代役として第2戦富士で2位表彰台を獲得するなど、トヨタの次世代を担う若手ドライバーの筆頭として、多大な期待が掛けられている。

 その坪井が全日本F3から2019年はトヨタ陣営からスーパーフォーミュラにステップアップすることは確実な状況だが、焦点となるのは、そのデビュー先チームだ。もちろんスーパーフォーミュラはチームが主体で行われるカテゴリーであり、メーカー側の意向に100パーセント応えるわけではないが、トヨタ陣営の金の卵とあって、坪井はどのチームもウェルカム状態との噂もある。

 坪井にとっては完全に売り手市場となっているわけだが、その行き先となるのはズバリ、トムスかセルモになりそうだ。トムスになるならばキャシディとのシート争い、そしてセルモになるならば、今年の成績を見る限り国本雄資とのシート争いとなるか。そしてセルモには山下加入の噂もあり、国本、坪井、山下の3人の戦いとなっている可能性がある。いずれにしても、2019年のトヨタ陣営としてはトムス、セルモといったトップチームに動きがありそうで、まずはこの2チームの陣容に注目だ。

 今年も惜しくも勝利に届かなかった小林可夢偉については、どうやらKCMG残留の見通し。ただKCMGは2台体制になるとの噂もあり、そうなるとこれまでウイークポイントだった走行データ量の少なさがカバーされることになり、可夢偉にとってもポジティブな状況となりそう。ただ、2台目のシートを誰がゲットすることになりそうか、その名前までは把握されていない。KCMGは香港をベースにするチームであることからも、外国人ドライバーの可能性が高くなるかもしれない。

 ホンダ、トヨタ両陣営ともに、SF14でタイトルを争ったチームがほぼすべてドライバーを変えることになりそうで、あまりのドライバーラインアップの変貌ぶりに、まだまだ全体の様子が掴みきれていないのが現状だ。それでも、12月5日〜6日に行われる鈴鹿でのテストでは、新型マシンではなくこれまでのSF14での走行となるものの、2019年シーズンに向けたドライバー移籍の一端が分かることは確実。まずはまもなく発表されるであろうテストのエントリーシートを、楽しみに待ちたい。

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