いつもクールで、弱音のような言葉をなかなか言わない平川が不安になるほどSF19のコーナリングは速く、横G(横にかかる加速度)はかなりのレベルになっていることは間違いなさそうだ。

 また、富士テスト2日目午後のセッションで注目したいのが、3番手タイムをマークした山下健太だ。山下はセッションの最後、2周連続でアタックを行い、1回目アタックのセクター3で全体のファステストをマーク、2回目のアタックでセクター2を自己ベストをマークしながら、最後のセクター3で1回目のセクタータイムを抜くことができなかった。つまり、1周まとめてきちんとアタックができていればトップが充分に見えている状況だったのだ。

「最後は計測3周目にアタックしたのですけど、その時の路温気温を考えると4周目にいった方が良かった。3周目のアタックの時点でタイヤのグリップのピークがまだ来ていなくて、4周目のアタックではセクター2まではすごく手応えが良かったのですが、セクター3に入ったときにはタイヤが少しタレてしまいました。ちょっと欲をかいて、失敗してしまいましたね」と以後の予選モードを振り返る山下。

 それでも山下は前回の鈴鹿テストでもセッショントップタイムをマークし、この富士でも2日目は午前にトップタイムをマークし、午後も実質、首位と両サーキットで速さを見せており、このオフテストで頭ひとつ抜けた存在となっている。

「2日目午後のタイムも、タイヤは前回の鈴鹿で使って、今日の午前でもアタックしたソフトタイヤのユーズドでのタイムですので、クルマが相当、決まっています。鈴鹿、富士と両方のテストですごく好調で、ここまで好調だとちょっと不気味です。『寒いコンディションの時だけ合っているんじゃないか説(シーズンに入ったら合わなくなる)』を若干、感じています」と山下。

 ちなみに山下は平川と同様、セクター3がズバ抜けて速かったが、その秘密を聞くも「クルマが速いだけですね」と、特に意識している部分はなさそうだった。

 ライバルチームに聞いても、『KONDO RACINGの山下、TCS NAKAJIMA RACINGの(アレックス)パロウが抜けている。その次が団子状態」と話しているように、鈴鹿、富士の2回のテストで好不調が見えてきた2019年のスーパーフォーミュラ。果たして、この現在の状況は開幕戦でどのような状況となるのだろうか。勢力図、SF19の速さ、新人ドライバーたちのパフォーマンスにドライバーの体力の厳しさと、話題は尽きない。

スーパーフォーミュラ第2回公式合同テスト富士 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
開幕戦に向けたテストの最後のセッションでトップタイムをマークした平川。セットアップだけでなくドライバーの体の負担も注目される

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