レースの折り返しを過ぎた29周目、平川とパロウのギャップは5.2秒にまで開いた。また平川と、ピットストップを行ったドライバーのなかでトップを走る6番手のキャシディとの差は49秒ほどにまで開いており、ピットストップ1回分のマージンを稼いだ形だ。

 平川がキャシディと同じ1分36秒台のタイムで順調に走行を重ねるなか、その後ろでは可夢偉が3コーナーで福住のインを差してオーバーテイク。ポジションを落とした福住が可夢偉についていけない一方で、可夢偉は勢いそのままにパロウに迫った。可夢偉は90度コーナーでパロウにオーバーテイクを仕掛けるも、ここではパロウがなんとかポジションを守る。パロウのラップタイムは1分38秒台まで落ちており、36周目には平川とパロウのギャップが12秒にまで開いていた。

 その平川は36周目を終えてピットイン。ミディアムタイヤに履き替え、トップでコースに復帰した。その翌周にはパロウ、福住、アウアーがピットインを行うも、3名の順位は変わらず。だが福住はミディアムタイヤが温まっていなかったのか、アウトラップの5コーナーで止まりきれずにタイヤをロックさせて大きなスモークを挙げてしてしまう。なんとかグラベルにはまらずコースへ戻ったが、福住はキャシディの先行を許してしまった。

 この4名のピットストップによりトップへ浮上した可夢偉は40周目を迎えても1分36秒台のタイムで走行を続けていたが、41周目にようやくピットイン。12秒という短い時間で作業を終え、平川の後ろの2番手でコースに復帰。3番手を争うパロウとキャシディの前でコースに出ることに成功した形だ。

 その3番手争いは44周目、キャシディが90度コーナーでOTSを使用してついにパロウを捉えた。一方可夢偉はミディアムタイヤに履き替えた後も驚異的なペースで飛ばし、1分36秒台のタイムで周回を重ねる。このままいけば、数字上は最終周に可夢偉が平川に追いつく計算だ。

 平川と可夢偉のギャップは6〜7秒のままレースは終盤を迎える。残り周回が2周となると、可夢偉がそのギャップを5.4秒にまで縮め、さらに次の周には4.4秒と1秒縮めるが、結局平川には及ばず。2018年にスーパーフォーミュラへ復帰した平川が、逆転でスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

 可夢偉が2位、キャシディが3位と、今回のレースはトヨタ勢が表彰台を独占する結果に。ホンダ勢トップのパロウが4位で、5位が福住、6位が石浦、7位にはミディアムタイヤで背後に迫るソフトタイヤ勢を抑え切ったアウアーが入賞し、8位の野尻までが入賞となっている。

 ランキングトップの山本は入賞まであとひとつの9位と、2戦連続のノーポイントに終わった。この第5戦もてぎの前までは山本が27ポイント、2位のキャシディが22ポイントとなっていたが、キャシディが3位入賞により6ポイントを獲得したため、このレースをもってキャシディがランキングトップに浮上した。

スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
スーパーフォーミュラ初優勝を飾った平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

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