大津弘樹 2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ レースレポート
全日本スーパーフォーミュラ選手権 第6戦 ツインリンクもてぎ
大津弘樹
DATE:予選 10月16日(土) 決勝 10月17日(日)
TEAM:Red Bull MUGEN Team Goh
CAR No.15
スーパーフォーミュラ第6戦がツインリンクもてぎで開催されました。
予選は雨がいつ降って来てもおかしくない天候のなか行われました。
Q1は2周タイヤのウォームアップを行った後、アタックに入ろうとしましたが、クラッシュ車両が発生した為赤旗中断。再開後は残り3分で実質1周のみのアタックになりました。ミスなくアタックラップを終えましたが、順位は3番手でQ2に向けて更に改善する必要があり、マシンセッティングの変更を施してQ2に臨みました。
しかし、開始早々に雨が降って来てしまい、コースはウェットコンディションに。小雨だった為すぐ止む可能性があったので、そのままスリックで走り切るか、レインタイヤに交換するかとても迷いましたが、チームがステイアウトと判断したのでそのまま走行していきました。
かなりスリッピーな状況で、マシンコントロールに細心の注意を払いながら、ベストを尽くした結果4番手でQ2へ進出。Q3も微妙な天気だった為、選択の幅を増やせるようスリックタイヤを装着してコースイン。Q2に比べるとグリップの手応えを感じたので、スリックタイヤで走り切る判断をしました。
その結果が功を奏し唯一のスリックタイヤだったことで、私自身初のポールポジションを獲得する事が出来ました。
決勝前のFP2とウォームアップ走行はウェットコンディションの中行われましたが、タイムもトップから秒単位で遅かった為決勝に対して不安が多くありました。その為グリッド上で大幅にセッティング変更を施し、スタートに備えました。
フォーメーションラップが始まる頃には雨が上がり、全車ウエットタイヤを装着してのスタートとなりました。
スタートは加速が鈍り2番手スタートの山本選手に並ばれてしまいましたが、1コーナーのブレーキングで前に出てトップを死守。1周目でトップを守り切ることがこのツインリンクもてぎでは重要な事だと思っていたので、絶対に引かないという強い気持ちで攻めて行きました。
周を重ねる度に路面状況が乾いていく中で、レインタイヤは熱が入り過ぎると大幅にタイムを落としてしまう為、タイヤに負荷を掛けないように走行して行きました。しかし、9周目辺りからリアタイヤのグリップダウンが原因で私のペースが落ちていき、山本選手に迫られる展開になってしまいました。
11周目になると真後ろまで差を詰められましたが、そのタイミングでストップ車両のためSCが導入。すぐにチームからピットインの指示がありレインタイヤからスリックタイヤに交換しました。路面状況としてはまだ水の量が多く、油断をすると簡単にスピンをしてしまう状況でしたが、予選の際も濡れている路面でスリックタイヤによる走行経験があったので、その状況でも自信を持って常に冷静にドライビングをする事が出来たと思っています。
その後SCが立て続けに2度入った事で荒れた展開となりタイヤの温度管理が難しい状況の中、毎回上手くリスタートを決める事が出来た為、一度もトップを譲る事なく35周を走り切りトップでチェッカーを受ける事となりました。
今回チームが重要な場面で常に正しい判断をして頂いたおかげで、ポールポジションそして優勝獲得する事が出来ました。
今季スーパーフォーミュラに参戦する機会を頂きましたが今大会を迎えるまで苦戦が続いていました。しかし予選でポールポジションを獲得した事で優勝する最大のチャンスを得ました。ここで優勝出来るかどうかで今後のレース人生が変わると自分自身にもプレッシャーをかけて望んだ事により、難しいコンディションの中で優勝した事は私にとって自信に繋がる結果になったと思っています。
チェッカーを受けた瞬間に幼少期からこれまでにお世話になった方々の顔が浮かび、1人でも出会う事がなかったらこの瞬間は訪れなかったんだ、という感謝の気持ちでウィニングランをしました。家族、チームの皆様、スポンサーの皆様、そしていつも応援して頂いている皆様に感謝致します。更にドライビングを磨いていき、1人の人間としても成長できるよう努力を続けて行きます。
10月30日・31日に鈴鹿サーキットにて最終戦が行われます。今年の集大成としてもう一度優勝を獲得出来るよう最大限の準備を重ねて臨みます。
引き続き応援の程宜しくお願い致します。