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投稿日: 2022.04.14 15:10

ThreeBond Drago CORSE 2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | ThreeBond Drago CORSE 2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 レースレポート

2022シーズン開幕

 2022年、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ開幕戦(第1戦及び第2戦)が、4月9日(土)〜10日(日)にかけて静岡県の富士スピードウェイで開催された。今シーズンは、開幕戦、第6大会、最終戦が1大会2レース制で開催される。また、予選フォーマットや供給されるタイヤの仕様なども変更されている。チームは、道上龍監督の下、ドライバーに福住仁嶺(以下、福住選手)選手を迎えるとともに、トラックエンジニアに新井凌氏を起用、昨年までトラックエンジニアを務めていた伊与木仁氏をチーフエンジニアとして新体制で3年目のシーズンを迎えた。

2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)

公式予選
 週末の富士スピードウェイは春らしい好天に恵まれたが、土曜日は朝から強い風が吹く難しいコンディションとなった。1大会2レース制のレースウィークは、土曜日午前に第1戦の公式予選、午後に決勝レース、日曜日午前に第2戦の公式予選、午後に決勝レースというスケジュールでイベントが進行する。また、今シーズンは昨年までQ1、Q2、Q3と3段階のノックアウト制で行われていた公式予選がQ1、Q2の2段階のノックアウト制に変更となった。Q1セッションA組に出走した福住選手は、タイムアタック中、わずかなミスがあったものの1分22秒412を記録しA組7番手につけたが、Q2へ進出できる6番手には0.162秒足りず、この時点でスターティンググリッドは出走21台中13番手と決まった。

2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)

決勝レース
 4月9日(土)午後2時30分、ホームストレート上に強い追い風が吹く状況で決勝レースがスタートした。チームはこのコンディションでストレートスピードを伸ばすためにダウンフォース量を減らすセッティングで臨むと、第1コーナー進入時のブレーキングに支障が出るため、ダウンフォースを増やす方向でマシンにセッティングを施すとともに、予選用ギアセットを決勝用ギアセットに組み直して福住選手をコースに送り出した。

 福住選手はスタートシグナルとともに好加速、前方でスタートに失敗した車両もいる中、順位を9番手にまで上げて第1コーナーへ飛び込んだ。ところがコカ・コーラコーナーの進入時に後続車が追突、福住選手は左リヤタイヤを壊してしまいスローダウンを余儀なくされた。車両に大きなダメージはなく、走行そのものは続けられる状況ではあったがピットまでは距離があり、タイヤがバーストした状態で走り続ければサスペンションやフロアパネルを引きずってダメージを悪化させる可能性があったため、福住選手は走行を断念しコース脇にマシンを止めてレースを終えた。

2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)

リベンジの第2戦

 4月10日(日)、前日の強く冷たい風も収まり、春らしい晴天のなか、第2戦が前日に続いて静岡県の富士スピードウェイで開催された。前日の開幕戦では決勝レースでレーシングアクシデントによるリタイアを余儀なくされ、満足のいくレースができず、加えてデータの収集も含め充分な準備ができない状態で第2戦を迎えることとなった。

公式予選
 好天の富士スピードウェイは前日より気温、路温共に上昇したが、風は弱まったコンディションを考慮し、チームは前日よりもフロントのダウンフォースを軽減する方向でセッティングを行い、福住選手をQ1セッションA組に送り出した。福住選手は前日のラップタイムを上回る1分22秒238を記録したがA組の順位は7番手に留まり、Q2進出はならなかった。この結果、福住選手のスターティンググリッドは14番手となった。

決勝レース
 第2戦の決勝レースは気温23度、路温32度と初夏を思わせるコンディションの中、日曜日午後2時30分から始まった。前日の決勝レースではレース後半リヤタイヤの消耗が進む傾向が見られたため、チームは予選に引き続きフロントのダウンフォースを減らし、リヤタイヤを温存するセッティングでマシンを仕上げた。

 スタートした福住選手は、スタートに出遅れる車両にも助けられて1周目を終えるまでにポジションを11番手にまで上げたが、レース序盤からコーナーのターンインでオーバーステア、立ち上がりではアンダーステアとなるマシンのバランスに苦しみ、思うようにペースが上げられない状況に陥った。

 この結果、後方からのオーバーテイクを許してしまい、順位は徐々に落ちていった。この様な状況を鑑み、当初はピットウインドが開く11周目に予定していたタイヤ交換を17周目に戦略変更したが状況は変わらず、福住選手はタイヤ交換後に阪口晴南選手をオーバーテイクするものの、自分のペースで残りの周回を淡々と重ね、16位でチェッカーフラッグを受けた。

2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)

■コメント
福住仁嶺

「苦しい週末でした。チームは3シーズン目ですが、1台体制で、しかもドライバーが途中で変わったりもしたせいか、データも充分ではなく安定したパフォーマンスを出し切れない状況です。しかし、予選のタイムを見ると、僅差の接近戦なので順位は余り変わりませんが、着実に進歩はしています」

「第1戦は殆ど走れませんでしたが、第2戦では結果こそ出なかったもののロングランが出来たので、データを残すという意味では大きな成果があったと思います。ただレース自体はヘアピンや第3セクターなど、ダウンフォースをあまり使わないで走るセクションでメカニカルグリップが充分確保できず、苦しい走りが続きました」

「次の鈴鹿ラウンドに向けては、少しリスクをおかしてでも思い切った持ち込みセッティングをすることも考えています。自分からも積極的に提案をするつもりです」

2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)
2022スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)

道上龍監督

「今年は福住選手がチームに来てくれて、トラックエンジニアを新井凌さんに任せ、伊与木さんは全体を見るという体制に変更しましたが、結局不本意な結果に終わりました。福住選手を持ってして今回のこの結果というのは、自分たちのクルマ作りに根本的な課題があることを示していると思います」

「残念なのは第1戦で追突されほとんど走れず、今年供給される新しい仕様のタイヤについてデータを得られないまま第2戦を迎えてしまったことです。第1戦で、もっと走れていればもう少し違うことが出来たと思います。次のレースに向けては、これまで速いクルマに乗ってきた福住選手の経験を中心にセッティングを根本的に見直して臨もうと思っています」

伊与木仁チーフエンジニア

「正直なところ、今のクルマは福住選手が求めるバランスにはなっていません。第2戦ではリヤタイヤを守るためにフロントのダウンフォースを減らす方向で走らせたのですが、福住選手はバランスがフロント寄りになっていて、後半どんどんリヤがナーバスになったとフィードバックしています」

「一方で、ストレートのスピードはイマイチ伸びていませんでした。ストレートスピードを上げるためにはダウンフォースを削らなくてはなりませんが、そうするとリヤタイヤが苦しくなっていくという悪循環にハマっています。1秒にあれだけのクルマが並ぶ拮抗したレースですから、わずかなことで決定的な差が付いてしまいます。次の鈴鹿は、全く違う方向からアプローチする必要があるでしょう」


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