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投稿日: 2022.08.22 13:52

P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ レースレポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ レースレポート

SUPER FORMULA 2022
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第8戦 モビリティリゾートもてぎ 2022年8月21日(日)予選・決勝
天候:曇り/晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
予選:15番手 決勝:10位

#39 阪口晴南
予選:14番手 決勝:9位

 ドライコンディションでの専有走行、公式予選から一転し、ウエットコンディションでのレースとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝レースから一夜明け、1大会2レース制となるモビリティリゾートもてぎでの第6大会は、8月21日(日)の第8戦の予選/決勝日を迎えた。前日は深夜まで雨が舞ったもてぎだが、夜のうちに雨は止み、午前9時15分からの公式予選はドライコンディションで迎えることになった。前日の第7戦では予選でもうひと伸びが足りなかった坪井翔、そしてさまざまな気づきを得た阪口晴南にとって、第8戦はさらなる向上を目指す一戦となった。

公式予選

8月21日(日) 9:15〜9:57 天候:曇り 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’31.097(Q2)/#39 阪口晴南 1’31.716(Q1)

 午前9時15分からスタートした公式予選Q1。まず出走したA組には、第7戦のドライ、ウエットでさまざまなセットアップのヒントを得た阪口が出走した。前日はわずかにトラブルも抱えていたが、チームの作業により修復が行われ、万全の状態で臨んだ。

 まだところどころに濡れた部分はあったものの、レコードライン上はドライ。そんななか阪口は一度コースインした後、ピットに戻りガレージへ。作業を行い、再コースインのタイミングをうかがったが、その直後ヘアピンで#15 笹原右京がコースアウト。グラベルにストップし、赤旗中断となってしまった。走行が残り6分25秒で再スタートになると、阪口は再度コースイン。チェッカーに向けてアタックを展開し、1分31秒776というタイムを記録したが、惜しくもQ2進出まであとわずかとなる7番手という結果となった。しかしそれでも、阪口は大きな改善を感じていた。

 続く午前9時55分からのB組には坪井が出走した。こちらも一度コースインし、残り5分というタイミングでコースに戻ると、ウォームアップを行いアタックを展開していった。しかし「3コーナーで思いきりロックしてしまい、タイムロスしてしまいました」という坪井は1分31秒097というタイムを記録するも、チェッカーを受けた段階で坪井の順位は5番手。後続からアタックしてきたライバルたちがタイムを上げてくるにつれて、坪井の順位は8番手まで下がってしまった。坪井にとっては、わずか0.043秒差でまさかのQ1敗退という結果となってしまう。

 この予選の結果、P.MU CERUMO/INGINGの2台は阪口が14番手、坪井が15番手という総合結果となった。午後2時30分からの決勝レースは、中団グループからの追い上げを目指すことになった。

2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第8戦もてぎ 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

8月21日(日) 14:30〜 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’34.646(32L)/#39 阪口晴南 1’35.226 (13L)

 午前9時57分に終えた公式予選の後、チームは中団からポイント圏内への追い上げを期しセットアップを行い、午後2時30分からの第8戦の決勝レースに臨んだ。午前の曇天模様からはうって変わり、モビリティリゾートもてぎは晴れ間が広がり、気温31度、路面温度38度という暑さのなか午後2時30分の決勝レースを迎えた。直前のウォームアップでは、阪口がセットアップの不調を訴え、チームはセット変更を行った。

 スタートでは阪口が11番手に、坪井が14番手にジャンプアップ。ただオープニングラップから混戦で、2周目に向けた攻防のなかで阪口は#50 松下信治をパスする一方、坪井は集団に飲まれるかたちとなってしまい、17番手にポジションダウンを喫してしまった。

 しかし阪口はスタート前のセットアップ変更が功を奏し、そして坪井はもともとのレースペースが好調で、阪口はポイント圏内となる10番手を走りながら9番手の#53 佐藤蓮を追っていく。坪井も3周目には16番手、さらに7周目には15番手と、ポジションを奪回していった。

 そんななか、10周を終えタイヤ交換が可能になると、上位陣でも続々とピットインを行っていく。僅差のなかでアンダーカットを狙う作戦だが、阪口も11周を終えてピットイン。直前にタイヤ交換を行っていた#50 松下の前で復帰し、中盤戦に向けてレースを進めていった。

 一方の坪井は、レース後半へタイヤ交換を引っ張る作戦を採っていった。ペースが良いこともあり、空いたスペースを有効に活かしていく作戦だ。坪井は安定したラップタイムを刻んでいくと、23周を終えてピットイン。チームも迅速な作業で坪井を送り出した。

 坪井がコースに戻ると、#64 山本尚貴を先頭とした11番手争いの集団のなかに飛び込んでいく。タイヤのウォームアップが十分でないなか、坪井は16番手で25周を終えることになるが、ここからフレッシュなタイヤで大きくポジションを上げていった。

 まず坪井は26周目に15番手に上がると、27周目には13番手、さらに翌周ピットインした車両がいたこと、さらに#50 松下をかわしたことで11番手まで浮上した。さらに、ペナルティを受けていた#64 山本を29周目に先行し、ついにポイント圏内となる10番手まで浮上することに成功した。

 一方、序盤にピット作業を行っていた阪口は、このタイミングで他車のピットインなどにともない8番手までポジションを上げていた。これでP.MU CERUMO/INGINGの2台はポイント獲得のチャンスを得た。

 そんななか、阪口の後方からは終盤までピットインを引っ張っていた#15 笹原右京がフレッシュなタイヤで近づいてきた。33周目、阪口はさすがに抵抗しきれず9番手にポジションを下げたが、チェッカーまで危なげなくペースを保ち、9位でフィニッシュ。そして0.496秒の僅差で阪口の背後に迫っていたのが坪井で、10位でチェッカー。P.MU CERUMO/INGINGは2台同時ポイント獲得を達成した。

 もちろん目指す順位はさらに先だが、今季阪口が大きく苦しんできたなかで、2台揃ってのポイントは浮上への大きなきっかけとなった。残すは鈴鹿サーキットでの最終大会のみだが、シーズンを良いかたちで締めくくるべく、チームはさらにギアを上げていく。

ドライバー/監督コメント
#38 坪井翔

「予選がすべてになってしまいました。3コーナーで思いきりロックしてしまい、飛び出しそうになってしまったのですが、そのコンマ1〜2秒で世界が変わってしまいました。ただ乗っているフィーリングもすごく良いわけではなく、ポールポジション争いができたかと言えばそうでもなかったです。それでもQ2に進出できるくらいの速さがないと、予選はうまくいかないと思います。決勝レースのペースは良く、スタート直後こそ集団に飲まれてしまいましたが、その後はペースも良かったですし、タイヤ交換後も抜いてくることができました。最低限ポイントは獲れたこと、決勝ペースは良かったことは収穫ですが、課題の予選にこだわりやっていきたいです」

#39 阪口晴南

「予選ではQ2進出まであと一歩でした。みんなそうだと思いますが、自分ももったいないミスもあった中だったので、Q1をまったく通れないパフォーマンスではなかったと思います。前日からは進化していると感じました。決勝レース前のウォームアップはいまひとつだったのですが、ダメな理由をすぐ突き止めてグリッドに並ぶことができました。上位陣にはまだ及びませんでしたが、決勝では今までよりも良いパフォーマンスで走ることができ、ポジションも上げてポイント獲得で終えることができました。これをスタートラインにしたいですし、次戦に向けてこの土台を大事にして積み上げていきたいですね。鈴鹿で良いところをみせ、来季に繋げたいです」

立川祐路監督

「坪井選手は僅差の予選のなかで苦戦してしまいました。セクター1のロスが大きかったのですが、それをのぞけばトップクラスのタイムが出せたはずなので、そこは残念でした。決勝でも序盤ポジションを落としてしまいましたが、そこが大きかったかもしれません。ペースは良く10番手まで挽回できましたが、やはり予選が課題になりました。阪口選手は前日からメカニックが頑張ってくれてクルマを見直してくれました。そのおかげで状況が改善し、予選、決勝と今シーズンのなかでは良い内容のレースができました。2台の順位としては9位、10位というものでしたが、最終戦に向けて良い材料になったのではないかと思います。応援ありがとうございました」


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