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投稿日: 2024.05.07 13:08
更新日: 2024.05.07 13:09

TGR TEAM ENEOS ROOKIE 2024スーパーGT第2戦富士 レースレポート


スーパーGT | TGR TEAM ENEOS ROOKIE 2024スーパーGT第2戦富士 レースレポート

ROOKIE Racing

2024 AUTOBACS SUPER GT Round.2
FUJI

2024 AUTOBACS SUPER GT 第2戦
FUJI GT 3Hours RACE

2024年5月3日(金)〜4日(土)
富士スピードウェイ(静岡県)

All Photographs by Noriaki MITSUHASHI / N-RAK PHOTO AGENCY

公式練習

5月3日(金・祝) 天候:晴れ 路面:ドライ

 4月12〜13日に岡山国際サーキットで行われた第1戦では、得意コースだったにも関わらずスタート直後に思わぬアクシデントに見舞われレースを失ってしまったTGR TEAM ENEOS ROOKIE。気持ちを切り替え臨む第2戦の舞台は、静岡県の富士スピードウェイ。チームの地元でもあり、豊富なデータを持っている、こちらも相性が良い一戦だ。シリーズの流れを考えても、このレースは絶対に落とすわけにはいかない。TGR TEAM ENEOS ROOKIEのメンバーは強い気持ちでレースウイークに臨んだ。

 そんな第2戦は、例年ゴールデンウイークに開催されることから多くのファンが訪れるが、迎えた5月3日(金・祝)は前夜からたくさんの来場者がコースサイドに詰めかけた。晴天に恵まれ富士山が顔を出すなか、午前9時から公式練習が行われた。

 岡山でのアクシデントから修復されたENEOS X PRIME GR Supraのステアリングを握り、コースインからドライブしたのは大嶋和也。午後の公式予選に向け、3回のピットイン〜アウトを繰り返しながら、セットアップを確認していく。

 大嶋のフィーリングは決して悪いものではなく、17周を走るとふたたびピットへ。福住仁嶺にENEOS X PRIME GR Supraのステアリングを託した。福住はその後、ロングランを試すと、GT300クラスの専有走行をはさみ再コースイン。予選シミュレーションを行っていくと、チェッカー周に1分27秒568を記録。このタイムで5番手につけ、GR Supra勢の最上位につけることに成功した。

 とはいえ、今回はコース特性の影響かライバル車種が速い。3時間という長丁場のレース距離とはいえ、良いグリッドを獲得するためにはあともう少しスピードが欲しい。チームは午後の公式予選での好グリッド獲得に向けて、ENEOS X PRIME GR Supraにさらに磨きをかけるべく、セットアップを煮詰めていくことになった。

公式予選

5月3日(金・祝) 天候:晴れ 路面:ドライ

 午前に続き晴天のもと迎えた午後2時58分からの公式予選。今季から導入された新たな予選スタイルでは、Q1、Q2とも安定したタイムを記録しなければ好グリッド獲得はできない。TGR TEAM ENEOS ROOKIEは上位進出を目指し、Q1のアタッカーに福住を据えた。

 しっかりとタイヤをウォームアップさせタイムを上げていった福住は、6周目に1分27秒050までタイムアップ。オーバーステアが感じられるフィーリングだが、それでも4番手につけQ2の大嶋にENEOS X PRIME GR Supraを託した。

 福住のフィーリングをもとに修正を行ったENEOS X PRIME GR Supraをドライブする大嶋は、福住同様タイムを上げていく。

 しかしアタック周にコカ・コーラ・コーナーの縁石に乗ってしまい、まさかのスピンを喫してしまう。幸いクラッシュはなく、大嶋は再度アタックを展開するが、フィーリングが戻ることはなく、1分28秒062というタイムを記録し、合算でENEOS X PRIME GR Supraは7番手につけることになった。

 ライバル車種が速いなかではあるが、チームは翌日の決勝に向け、さらにセットアップ向上の必要性を感じていた。

決勝レース

5月4日(土・祝) 天候:晴れ 路面:ドライ

 5万3900人ものファンが訪れ、賑わいをみせた5月4日(土・祝)の決勝日。気温23℃/路面温度41℃というコンディションのもと、午後1時30分に決勝レースの火ぶたが切って落とされた。

 ただ、ENEOS X PRIME GR Supraは前日の予選Q2でのスピンの影響でタイヤにダメージを受けていたことから、ピットスタートを選択することになった。スタートとともにタイヤ交換を行い、追い上げる作戦だ。ただ、SUPER GTの性格上GT500クラスの集団に追いつくためには、まずはGT300クラスの車両を一刻も早くかわしGT500の集団の背後についていくことが求められる。

 スタートと同時に、大嶋和也が乗り込んだENEOS X PRIME GR Supraは、迅速なタイヤ交換を行うと猛然とピットアウト。2周目にまずGT300車両を2台かわすと、6周目にはGT300車両をすべてかわしGT500車両を追っていく。

 ENEOS X PRIME GR Supraの感触は悪いものではなく、ジリジリと14番手の#24 Z NISMO GT500との差を縮めていった。3時間という長丁場のレースで、どれだけ順位を上げることができるか。3時間レースで2回の給油をともなうピットストップが求められるレースで、大嶋はライバルたちが早めにピットインしたことにともない7番手までポジションを上げると、39周を終えピットイン。福住にステアリングを託した。

 TGR TEAM ENEOS ROOKIEが望んでいたのは、各車のギャップが一気に縮まるセーフティカーランだったが、このレースは序盤にストップ車両によるフルコースイエローが導入されたのみ。燃費も厳しいレースであり、ジリジリとした戦いが続いていった。

 ただそんななか福住は43周目に#64 CIVIC TYPE-R GTをかわしひとつポジションアップ。さらに翌周には#24 Z NISMO GT500を抜き13番手へ浮上する。8番手以降の争いは比較的接近した戦いとなっており、ENEOS X PRIME GR Supraにもチャンスがありそうだった。

 GT500クラスでは、75周を過ぎるころから多くのチームがピットに向かい始める。ここでピット作業をうまく決めれば、さらに差を詰めることが可能だ。TGR TEAM ENEOS ROOKIEも78周を終えピットインし、福住がステアリングを握ったままコースに復帰した。ここで#37 GR Supra、#19 GR Supraの2台をかわすことに成功し、福住は11番手につける。ポイント圏内は目前だ。

 95周目、9番手につけていた#16 CIVIC TYPE-R GTがトラブルによりピットイン。これでENEOS X PRIME GR Supraはついにポイント圏内に入ってきた。さらに102周目、福住は#39 GR Supraをかわし9番手へポジションを上げた。すると、チェッカーまであとわずかの110周目、今度は3番手を争っていた#8 CIVIC TYPE-R GTがトラブルでストップ。さらにひとつポジションを上げることになった。

 追撃はそこまでで、福住がドライブしたENEOS X PRIME GR Supraは8位でフィニッシュすることになった。ピットスタートという苦しい状況ながら、完璧なレースを展開し貴重な2ポイントを得た。

ドライバー/監督コメント
DRIVER 大嶋和也

「公式練習の走り出しからフィーリングは悪くなかったものの、まわりのライバルたちが思った以上に速かったですね。僕もそこそこ乗れていたので自信をもって予選に臨みましたが、少し気負いすぎたのかスピンしてタイヤを壊してしまって。僕としても決勝はこれ以上ミスはできないと、かなり気合を入れて臨んだレースでした」

「僕としてはコンマ1秒もロスしないように、ほぼ完璧なレースができたと思いますし、トップともほぼ変わらないタイムで走る事ができたと思います。開幕戦からミスが続いていたなかで、今日のレースについては完璧な仕事ができたのではないでしょうか。これで少し気が楽になりましたし、クルマにスピードがあることは確認できたので、次戦の鈴鹿では優勝が狙えると思っています。しっかりと準備していきたいですね」

DRIVER 福住仁嶺

「公式練習から作っていきたいクルマの方向性は見えてきていて、公式予選では難しいクルマだったとはいえ、ある程度高いパフォーマンスをみせることができたのではないかと思います。タイヤのトラブルがあり、決勝はピットスタートとなってしまいましたが、セーフティカーを望んでいたものの、みんなが良いレースをしてくれたおかげでセーフティカーは出ず、僕たちとしては少し残念なところはありました」

「でも僕たちのペースはすごく良かったと思いますし、次戦に向けて見えてきたところもあります。なんとかポイントを獲ることができましたし、まだサクセスウエイトも軽いですからね。僕は昨年まで在籍していたチームでこういうシーズンを過ごしていたので(苦笑)、どんどんチーム力を上げて、今後良いレースができるようにしたいと思います」

DIRECTOR 高木虎之介

決勝レースではピットスタート、さらにタイヤ交換も必要な状況で、ラップダウンにもなりかねないところからスタートして、ふたりとも良いペースで走りきり8位まで追い上げることができました。よくあの位置まで追い上げられることができましたよね(苦笑)。結果的にパフォーマンスがあることは確認できたのではないかと思います。悔やまれるところはありますが、結果オーライではないでしょうか」

「できればセーフティカーが入ってくれれば良かったのですが、それがなかったのは仕方ないです。ピットワークでもみんなが完璧な仕事をしてくれました。次回の鈴鹿も優勝を目指していきたいですし、まずは完璧に公式予選をこなすところから始めないといけないですね」

TGR TEAM ENEOS ROOKIE 2024スーパーGT第2戦富士 レースレポート
2024スーパーGT第2戦富士 TGR TEAM ENEOS ROOKIE


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