8月4日、静岡県の富士スピードウェイで決勝レースが行われたスーパーGT第4戦富士。第3戦鈴鹿までの結果でランキング首位につけていたmuta Racing GR86 GTは前日の公式予選でGT300クラスの18番手、ランキング3位だったGreen Brave GR Supra GTは19番手と下位に沈んでいた。ここから決勝レースでの巻き返しを目指し、2台のGTA-GT300マシンはいかに戦ったのだろうか。

■プランAかBか。結果的にはどちらでもなく

 2台は公式予選Q1でアッパー(上位)グループ進出がならず、後方グリッドから追い上げを強いられることになった。muta Racing GR86 GTは「当初の戦略としては、四輪交換は決まっていて、最短の28周目にピットインするつもりでした」というのは渡邊信太郎エンジニア。ただ実際にピットインしたのは43周目だった。

「僕たちのクルマはスピード自体が遅いので、抜けないだろうと。例えば、セクター3で抜いてもストレートで抜き返されてしまう。よくあるシーンですよね。そこで、少しでもまわりからずれたところでアベレージを稼ごうというプランになりました」

 ただ、決勝レース前のウォームアップで、ブリヂストンがタイヤをチェックしたところ「タイヤ無交換が可能です」というジャッジがスタート前のグリッド上で来た。これは車種やチームによっても可能か否かが異なるというが、これで当初予定の四輪交換に加え、無交換というプランBの選択肢が生まれてしまった。

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