更新日: 2024.10.25 13:18
STANLEY TEAM KUNIMITSU 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート
2024 AUTOBACS SUPER GT Round7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
予選:2024年10⽉19⽇決勝:2024年10⽉20⽇
オートポリス(⼤分県)
予選:曇り/ウエット決勝:曇り/ドライ
公式練習:ー位 予選:7位 決勝:4位
予選⽇が悪天候となり、⼀切の⾛⾏セッションがキャンセルされた『2024 AUTOBACS SUPER GT Round7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』。決勝⽇に朝から予選、そして午後に3時間におよぶ決勝を⾏う“ワンデーレース”として実施され、予選7番⼿からスタートを切ったNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは、荒れた展開のなかで着実な戦いを続け、4位でチェッカーを受けた。
予選⽇
濃霧の朝を迎えた予選⽇のオートポリス。公式練習を前に実施予定だったサポートレースが開始時間になっても⾛⾏できる状態ではなく、その流れでスーパーGTの⾛⾏セッションも開始時間が先延ばしになる。しかし、コースコンディションは依然として改善されず、結果として午前10時30分に、午前中の⾛⾏をすべてキャンセルすることが発表された。
その後、霧も晴れて⾬も⽌み、幸いファンサービスの⼀環であるサーキットサファリやピットウォークは実施されたが、午後1時を前に天候が激変。激しい⾬が降り続け、ときに落雷が発⽣する悪天候になる。
公式練習のキャンセルを受け、公式予選は午後2時50分からGT300クラスがスタートする予定だったが、コース上には何本もの川が発⽣し、場所によっては⼟砂が流出。全⾯的に安全確保を最優先した結果、午後2時すぎには予定されていた全セッションのキャンセルが決定した。これにより、第7戦はワンデーレースとして実施することになり、⽇曜⽇の午前8時から公式予選を開催することが併せて発表された。
決勝⽇
迎えた⽇曜⽇は⾬の⼼配こそないものの、午前8時からスタートする予選を前に、気温10度、路⾯温度13度という寒さを感じるコンディションに。加えて強く冷たい⾵が吹き付けるなかでのセッション開始となった。
通常、⼭本尚貴選⼿、牧野任祐両選⼿がそれぞれアタックを⾏い、その合算タイムを競う予選だが、今回は30分間の計時予選に変更。前⽇からまったく⾛⾏がなかったこともあり、どのチームもひとりのドライバーがアタックを担当する形で進められた。また、コース上はまだ完全なドライコンディションではないため、ウエット宣⾔下での予選が始まる。
No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのアタック担当は牧野選⼿、GT300クラスの予選時はまだ薄い霧が残っていたが、GT500クラスのセッションが始まる頃にはほとんど気にならないくらいまで回復。まず、コースコンディションの確認、さらにはクルマのフィーリングを確かめつつ、周回を重ねた。
そして、残り5分を⽬処ニュータイヤを装着した牧野選⼿がコースイン。ドライアップし、スリックタイヤでのアタックが可能になるなか、アタックラップで1分34秒049をマークして4番⼿へ。このままセッションが終わるかに思われたが、他の3台が最終盤にタイムアップを果たしたことで、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは7番⼿で予選を終了。
結果、チャンピオン争いをするライバルたちより前からスタートを切ることに成功している。予選終了からおよそ2時間半後には、決勝に向けてのウォームアップ⾛⾏がスタート。通常の倍の⻑さとなる40分間のセッションが設けられ、ここでようやく初めて⼭本選⼿もクルマやタイヤのフィーリングを確かめ、決勝に向けての最終準備を進めることになった。
午後1時20分、⼤分県警のパトカーと⽩バイが先導してのパレードラップ、さらにフォーメーションラップを経て午後1時26分37秒に3時間レースがついに幕を開ける。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーを務めたのは、牧野選⼿。装着するタイヤの種類や特性によって各⾞ペースアップが異なるなか、まずはポジションキープでオープニングラップを終了。
しかし、徐々にタイヤが温まってくると、サクセスウエイトが軽い後続⾞が猛追。ひとつ、ふたつとポジションを落とすことになる。だが、前を⾛る他⾞もタイヤマネージメントに苦戦しているのか、再びポジション挽回のチャンスが巡り、開始から30分を過ぎた19周⽬からは6番⼿で周回を重ねた。
レースは23周⽬にアクシデントに⾒舞われた⾞両の撤去が⾏われ、FCY(フルコースイエロー)を経てSC(セーフティカー)導⼊となったため、前後⾞両とのギャップが消滅。28周終了からリスタートが切られたが、No.100 STANLEY CIVICTYPE R-GTは35周を終えてピットイン。1回⽬のルーティンワークを⾏うと、タイヤ交換、給油に加え、⼭本選⼿へと交代。フルサービスを終えてコースに復帰した。
その後もレースは荒れた展開が続き、⼭本選⼿がコースインした2周後には2回⽬のSC導⼊となり、42周終わりでレースが再開。以後、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは6番⼿で周回を重ねていく。そして開始から1時間30分の折り返しをポジションキープのまま迎えると、60周終了のタイミングでトップの23号⾞Zおよび3番⼿の12号⾞Zと同じタイミングでルーティンのピットインを実施。ドライバーはそのままに、タイヤ交換と給油作業を⼿際よく済ませると、12号⾞Zより先にコースへ戻ることに成功した。
また、その翌周には3回⽬のSC導⼊を要するアクシデントが発⽣。66周終了時のリスタート直後に2回⽬のピット作業を⾏なったチームに対し、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTはポジションアップの好機を掴み、3番⼿へと浮上する。
残り1時間を切るなか、⼭本選⼿は23号⾞を追いつつ、猛追を⾒せる3号⾞Zとも応戦。ヒリヒリするような激しいポジション争いを繰り広げ、ファンを⼤いに沸かせるパフォーマンスを披露。惜しくも86周の第1コーナーで逆転を許して4番⼿となったが、ポジション奪還を⽬指してなおも攻めの⾛りを続けた。
ところが残り16分となり、第2ヘアピンで1台の⾞両がクラッシュ。FCYを経て87周⽬には4回⽬のSC導⼊へと切り替わる。最後の最後、スプラッシュでのレース再開ともなればNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTにとって逆転の可能性もあっただろうが、SC先導中にトラブルが出た別の1台がコースサイドにストップ。これにより、SC先導が解除されることなく3時間が経過。92周のレースとしてチェッカーを迎えた。
表彰台は逃したものの、4位でレースを終えたNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。シリーズチャンピオンを争うライバルよりも上位フィニッシュを果たせたことは⼤きな収穫だった。結果、ランキングは3位ながら、トップ36号⾞Supraとの差は僅か2点に。また、同2位の37号⾞Supraとは同ポイントへと変わった。
残り2戦となった今シーズン、次の舞台はホンダ勢の“ホームコース”であるモビリティリゾートもてぎ。CIVIC TYPE R-GTで迎える初の⼀戦で、是が⾮でも好結果を残したい。そして、理想的な形で最終戦の鈴⿅を迎えることが、チームの第⼀⽬標だ。
⼩島⼀浩監督
「僕らが想定したよりも相対的にサクセスウエイトも重たかったですし、いい結果かなと思います。ドライバーががんばり、ピット作業ではチームスタッフもがんばり、⼀時的には3位を⾛っていたことを考えると、表彰台を獲り逃したことはもったいない気もしますが、チームの全員が全⼒で取り組んだ結果だと受け⽌めています」
「ランキングも2位と同⼀ポイントでの3位なので、残り2戦をしっかりと戦い、最後は笑って今シーズンを終えられるように全⼒でがんばりますので、引き続き、応援をよろしくお願いいたします」
⼭本尚貴選⼿
「表彰台圏内を⾛っていたのですが、最後は耐えきれずに4位で終わることとなりました。悔しさもありますが、⾃分たちの条件を考えると、いいパフォーマンスを⾒せることができたし、残り2戦に繋がるいいレースができたとも思っています。引き続き、応援よろしくお願いします」
牧野任祐選⼿
「(燃料リストリクター径が3段階絞られる)“3リスダウン”状態でのレースでしたが、ランキングトップの⾞両より前でゴールできたので、ポイント差も縮まったので、チャンピオンを獲れるよう、残るもてぎ、鈴⿅ではしっかりとがんばっていきたいと思います。もてぎでは、まだ“燃リス”が残るため、状況的にはまだ厳しいかと思いますが、いい⾛りをしたいと思います」