スーパーGT ニュース

投稿日: 2016.05.10 14:08
更新日: 2016.05.10 15:23

31号車プリウス、GT第2戦はピットトラブルに泣く。嵯峨「2戦でチャンピオンを諦めるつもりはない」


スーパーGT | 31号車プリウス、GT第2戦はピットトラブルに泣く。嵯峨「2戦でチャンピオンを諦めるつもりはない」

AUTOBACS SUPER GT ROUND 2
開催地:富士スピードウェイ(静岡県)/4.563km

5月3日(予選)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:35,700人

5月4日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:50,100人

表彰台は確実に見えていたが、トラブルに泣く
 スーパーGTシリーズの第2戦が、ゴールデンウィーク真っ只中の富士スピードウェイで開催された。豊富な車種のバラエティと激しいバトルが魅力のGT300クラスに挑むaprは、今年から2台の新型ZVW50プリウスを投入。31号車を昨年に続いて、嵯峨宏紀選手と中山雄一選手に託すこととなった。タイヤも引き続きブリヂストンが使用される。

 岡山国際サーキットで行われた開幕戦で、嵯峨選手と中山選手の駆る「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、性能調整によって1ランク昨年よりもリストリクタ―が絞られてしまい、かつルーフ上からボディサイドに吸気口を移設しなくてはならなくなった影響は、予選以上に決勝で表れることとなった。中山選手が5番手でQ1を突破し、Q2で嵯峨選手が順位は落としたとはいえども11番手につけて、決勝でじわじわ順位を上げていくはずが、ストレートパフォーマンスに優れるFIA-GT3に、テクニカルコースの岡山ですら抵抗を許されず。12位と屈辱の結果に終わっていたからだ。

 となれば、高速コースの富士ではより苦戦は必至……。とはいえ、開幕前に行われた公式テストでは、高速コーナーの続くセクター2との相性の良さは確認されており、峠道のようなセクター3も苦にしないことから、トータルのラップタイムで渡り合える上に、500kmの長丁場とあって2回のピットストップが義務づけられているため、自慢の好燃費を持ってすれば、十分勝負権ありというのが戦前の予想だった。

公式練習 5月3日(火・祝)9:00~10:35
 今回の公式練習は、中山選手から走り始めることとなった。路面状態が整うのを待って、10分経過後にコースイン。1時間経過直前まで走り続けた中山選手だったが、その間のイン~アウトは一度のみ。連続周回をこなしているのは、持ち込みのセットがマッチしていたからに他ならない。ピットでセット変更が行われる間に赤旗中断があったが、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の走行中でなかったのは何より。せっかくのリズムを崩さずに済んだからだ。その中山選手のベストタイムは1分37秒406

 再開後には嵯峨選手が走行。中山選手同様、連続周回がこなされていく。終了間際に再び赤旗が出されるも、その頃にはもうピットの中。その直前に記した1分38秒992が、嵯峨選手のベストタイムとなった。この後に行われたサーキットサファリでも、嵯峨選手は走行して最終チェックを完了した。このセッションの最終的な順位は3番手と、まずは上々の滑り出しとなった。

公式予選 Q1 14:30~14:45
 今回のQ1担当は嵯峨選手。計測開始と同時に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はコースイン、15分間を有効に活用しようという算段だ。決勝当日の気温が高くなることが予想されていたため、比較的硬めのタイヤを選んでいたことから、ウォームアップは入念に、さらにポジショニングも整えるため3周走行した後にアタックを開始。まずは1分37秒620をマークし、次の周には37秒107へ。さらに2周走行するも、37秒814、37秒316とベストタイムを更新することはできなかった。それでも11番手で、難なくQ1突破かと思われたものの、走路外走行、すなわち四輪脱輪と判定されて、ベストタイムを削除されてしまったのだ。万事休す……と思われたのも束の間、セカンドベストタイムでもギリギリ14番手に踏み留まり、無事Q2で待ち構える中山選手にバトンを託すこととなった。

31号車TOYOTA PRIUS apr GT
31号車TOYOTA PRIUS apr GT

公式予選 Q2 15:15~15:27
 続いて行われたQ2でも、中山選手は計測開始とともにピットを離れ、やはり3周走った後のアタックとなった。GT500クラスが走行して、しっかりと路面にラバーを乗せてくれたおかげで「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の旋回速度も、より高まっているのが目にも明らか。いきなり中山選手は1分36秒036をマークし、さらにタイムを詰めようと力走を見せるも、1分36秒290と逆にダウン。従来のレコードタイムを上回ったものの、今回は上にはまた上が……。35秒台に乗せた車両が2台もいたため、3番手とはなったものの、確実に優勝を狙えるポジションを得ることとなった。

嵯峨宏紀選手
「比較的いいアタックができたとは思うのですが、FIA-GT3勢のスピードは我々が想像していた以上で、なかなか苦しい状況になっています。それでも、雄一がすごくいい走りを見せてくれたので、予想していたより上のポジションからスタートできますし、決勝に向けて硬めのタイヤを選んでいることもあり、行けるんじゃないかと我ながら期待しています」

中山雄一選手
「いいアタックができたと思ってはいるんですが、セクターのベストを全部まとめていたら、もうちょっといいタイムが出たはずなので、それが残念でもあり、また課題だと思っています。決勝はまだ天候がどうなるか分からなくて、雨がらみの展開にもなりそうですから臨機応変に対応して、また長いスティントでタイムが落ちないようなタイヤを、今日のフリー走行時にチョイスできたと思うので、それがいい方向に行けばいいなと思っています」

金曽裕人監督
「Q2で中山選手がプリウスの性能を、きっちり出し切ってくれました。そしてブリヂストンタイヤが非常に良くて、グリップもバランスも優れていて、しっかりアシストしてくれました。2人のドライバーがプリウスをストレートが不利な富士で、コーナーで逆に稼いできてくれたというのは、我々としても冥利に尽きます! 実際、これ以上の予選はないので、明日の決勝は最低でもこのポジションをキープして、レースを終わらせたいと思っています」


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