約30分の中断を経て、雨脚が弱まり、空が明るくなってきたところでレースが再開。23番手に浮上していた山下選手は落ち着いた走りで、少しずつ順位を上げながら快走を続けた。

 35周を過ぎる頃から、コースコンディションは次第にドライへと変わってきたため、ウエットタイヤを履いたマシンをピットに呼び戻すタイミングを見計らっていたチームは、43周で予定のルーティンピットを急遽38周に早め、山下選手は見かけ上14番手でピットに戻ってきた。

 迅速なピットワークで4輪をドライタイヤに交換した後、第2スティントの手塚選手が24番手でコースに復帰。ドライタイヤを履いた手塚選手は、コンディションに車両のセットがマッチしていたこともあり、ルーキーらしからぬ堂々とした走行で48周目にはベストラップとなる1分39秒812をマーク。再び16番手まで浮上してきた。

 ところが予定のピットイン直前の78周目、手塚選手の無線が緊迫した声で『パンクしたかも! 左フロント!』と叫んだ。監督は再び、急遽2周早いピットインを即断、最終コーナー付近にいた手塚選手はそのままピットに戻ってきた。準備万端整えていたチームは、タイムロス無しで左側タイヤのみ交換し、第3スティントの加納選手へと繋いだ。

 見かけ上21番手でコースに戻った加納選手は、1分40秒台の安定したタイムでじわじわと順位を上げていく。長丁場のレースに、コースは路面が荒れてタイヤカスが散乱。ベテラン加納選手もピックアップをバーストと勘違いする場面があり、ピットは一時騒然となった。
 
しかし加納選手の冷静な判断でレースは続行、前方の強豪マシンを脅かす1分40秒台の好タイムで激走を続けた。さらに加納選手は、チェッカー目前の97周目に本人の今大会目標であった1分39秒台を叩き出し、17位でチェッカーを受けた。

 Arnage Racingは、チーム一丸となって開幕戦のトラウマを克服し、27位スタートから大幅ポジションアップの17位で、富士500kmを完走することができた。

ARNAGE AMG GT3(加納政樹/山下亮生/手塚祐弥)
ARNAGE AMG GT3(加納政樹/山下亮生/手塚祐弥)

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