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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.08.28 11:11
更新日: 2020.08.29 14:43

#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 2020スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | #31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 2020スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

2020 AUTOBACS SUPER GT ROUND 3 鈴鹿サーキット
開催地:鈴鹿サーキット(三重県)/5.807km

8月22日(予選) 天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:無観客
8月23日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:無観客

ついにポールポジション獲得! SCランに阻まれたトップ快走も、待望の入賞果たす

 スーパーGTは3戦目にして富士スピードウェイを離れ、今年初めて舞台を鈴鹿サーキットに移して、第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』が開催された。FRに改められた、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(ZVW52)で、aprは引き続き2台体制で挑み、『#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT』をコンビ2年目となる、嵯峨宏紀選手と中山友貴選手に託す。タイヤは引き続きブリヂストンを使用する。

 前回は予選で、中山選手がQ1をグループ3番手で通過。ようやく本来のポテンシャルを発揮できるようになったものの、そこからが不運の連続。Q2ではABSのトラブルが、そして決勝でもスタート直後にシフト系のトラブルが発生してしまう。まさに我慢を強いられ続けてのレースではあったが、それでも予選16番手から13位完走を果たしたことで、収穫は数知れず。

 インターバルは2週間と極めて短かったが、トラブルシューティングは緻密に行われた。速さはもう証明されているだけに、もう足りないのは運だけ! 本領発揮に期待がかかる。

公式練習 8月22日(土)10:00〜11:35

 今回も無観客試合であるのは変わらず、しかし前回と異なるのは決勝レース中の4輪交換の義務づけがなくなり、またJAF-GT車両に対する燃料給油リストリクターの緩和はなくなり、開幕戦の状態に戻されたことだ。いずれも及ぼす影響は#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTにとって、少なくはないだろう。そのあたりに一抹の不安を覚えつつ……。

 さて、8月に入って連日のように猛暑日が続くが、このレースウイークの鈴鹿も同様だった。公式練習開始時の気温は32度で、路面温度は42度。もちろん前回以上で、過酷な戦いとなるのは、もはや必至であった。今回、最初にマシンに乗り込んだのは中山選手。ピットレーンオープンと同時に走行を開始し、チェックだけ行ってすぐピットに戻ってくるのは普段どおり。

 その後、本格的に走行が開始された。早い段階で2分0秒036を中山選手はマーク。やがて決勝レースに向けたメニューがこなされていく。1時間18分ほど経過したところで、ようやく嵯峨選手の走行に。少ない周回ではあったものの、2分0秒383を記録した後、最終チェックも済ませて続く予選に備えることとなった。このセッションでの順位は17番手だった。

2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

公式予選Q1 8月22日(土)14:30〜14:40

 今回も予選Q1は2グループに分けられ、当面はこのシステムが継続されることがのちに発表された。気温は33度、路面温度に関しては公式練習より、さらに上がって48度と、より厳しくなったコンディションのなか、Aグループでの走行となった#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTでコースインしていったのは中山選手。

 温度的な条件、そして1周の長い鈴鹿ということもあって、ウォームアップはアウトラップに加え1周のみ。そこからアタックを開始すると、いきなり1分59秒059をマークしてトップに浮上し、続いてのアタックでは1分58秒621にまで短縮を果たす。この驚速タイムは誰にも破られることなく難なくQ1を突破。見事、嵯峨選手にバトンを託すこととなった。予選に向けたセット変更が、大いに功を奏した格好だ。

公式予選Q2 8月8日(土)15:23〜15:33

 中山選手が好タイムをマークしていたため、「プレッシャーがかかった」と語っていた嵯峨選手だったが、いやいやその走りは堂々たるもの。その証拠に、中山選手同様、計測2周目からのアタックで、さらにタイムを縮める1分58秒189をマークしたのだ。

 しかし、ピットでの興奮もつかの間、さらに上回るタイムを記録した車両が。さらなるタイムアップを狙った嵯峨選手ではあったが、次の周はスロー車両に行く手を阻まれてしまう。もちろんフロントロウ、2番手からのスタートなら十分勝機あり……、そう思われた直後、思いがけぬリプレイシーンがモニターに映される。

 嵯峨選手のタイムを上回った車両がスプーンコーナー外側で四輪脱輪との判定で、タイム抹消となったのだ。これにより、嵯峨選手はトップに返り咲き、#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは、FRに改められて初めてのポールポジションを獲得! 嵯峨選手にとっても2015年の最終戦・もてぎ以来、3回目の獲得となった。

2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)
2020年スーパーGT第3戦鈴鹿 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

■予選後コメント
嵯峨宏紀

「中山選手がQ1でまさかのトップタイムを出してくれて、クルマのパフォーマンスは高いというのを証明してくれたので、自分としては頭を真っ白にしてプッシュしました。こんな状況を作ってくれたチーム、中山選手に感謝したいと思っています。長年プリウスを開発してきたドライバーとしては、ホッとしている部分はありつつ、決勝ももっと頑張らなきゃいけないと、気合いを入れ直しています」

「鈴鹿は高荷重サーキットですし、この気温なので、富士でタイヤ無交換で行けたから、鈴鹿でも行けるかということは、まったくなくて。それよりJAF-GTは給油リストリクターが復活しているので、給油に時間がかかってしまいます。だから、どんなレースになるか、蓋を開けてみなければ分からないですね。それでも最後の1周まで気を抜かずに行きたいと思うので、応援よろしくお願いします」

中山友貴

「僕自身、鈴鹿は得意としていて、今回は意気込んで入ってきたんですが、公式練習では手応えが良くなかった部分をチームが対処してくれたおかげで、いいアタックができました。もう少しタイムあげたかったなと思いながら帰ってきたら、トップだったので、そこは素直に嬉しかったですね」

「久々にポールポジションからスタートできるし、いちばん優勝に近いポジションからレースを進められるので、なんとか嵯峨選手とaprという強いチームとで、底力をレースで見せたいと思います。最後までプッシュして頑張りますので、ぜひたくさんの応援をお願いします」

金曽裕人監督

「ありがとうございます! でも長かったです、1年半かかりましたから。まだやりたいことはあるんですが、今回はブリヂストンのタイヤが予選に関して、最高に良かったです。公式練習からクルマのセットアップ方向を探っていたのですが、中山選手も嵯峨選手も的確で、ドライバーはクルマに熟知し始めたし、僕らもクルマに対する引き出しができました」

「富士から大幅にスペックの違うものを入れたのか、と思われるかもしれないですが、まったくそんなことはないんです。ただ決勝に関しては、鈴鹿ではそう簡単にタイヤ無交換はできないし、給油にも時間がかかるので、このポジションでレースが終わるとは思っていません。そこの不利というのはJAF-GTには否めないので、ある程度結果をコンサバに取らなければ。それでも表彰台には立ってもらいたいと思います」


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