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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.05.09 18:18
更新日: 2022.05.09 18:21

TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第2戦富士 レースレポート

2022 SUPER GT第2戦『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』(5/3~4)富士スピードウェイ(1周4.563km)

入場者数:予選2万9000名、決勝4万4000名 合計7万3000名

 5月4日(祝・水)、まさに五月晴れとなった中でSUPER GT第2戦『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』の決勝が行われ、14番グリッドから剛毅果断に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、中山がスタート直後の1コーナーで両サイドから挟まれる接触でダメージを負うもポジションをふたつ上げ、12位で前走車に連なりチャンスを窺う走り。FCYやセーフティカー(SC)が出動する事態を注視しながら1回目ピットインを最後まで引っ張る戦略を取った。

 43周目にアクシデント発生と同時にピットイン。直後にFCY宣言からのSC導入となり素早いピットワークも相まって3位へジャンプアップする大躍進を見せた。その後、50周を終え赤旗で一旦中断。SC解除後の53周目1コーナーでトップ2台が絡むと関口が1位を奪取した。

 ここから上位3台による熾烈なバトルが展開。59周目のストレートにて先頭争いの攻防のなかで2位の車両が激しくクラッシュ。ここで再び赤旗中断となり、最終的にSC先頭によるチェッカー。トップフィニッシュしたものの1回目赤旗中断時の作業開始許可前にドライバーが車両に触れたため、結果、ペナルティ40秒加算により13位に。ドライバーポイントは獲得ならずランキング10位、チームポイントは3点を加算しランキング9位となった。

■事前情報

 2022年シーズン開幕戦岡山では速さを見せ予選2位から果敢に攻めた走りも不具合で決勝は8位フィニッシュとなったDENSO KOBELCO SARD GR Supra。恒例のゴールデンウイーク開催となる第2戦『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』(富士スピードウェイ)は、5月3日(祝・火)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、4日(祝・水)決勝は14時30分スタート。昨年より50km短い450km (100周:約2時間半)で争われ、給油を伴うピットストップは2回が義務付け。サクセスウエイトは現獲得ポイントの倍となる6kgを搭載する。重量増による富士でのタイムの落ち込みは、6kgだと約0.1秒にも満たず影響は少ない。

 霊峰富士の麓にあり周辺の開発が進んでいる富士スピードウェイは1.5kmにおよぶ世界屈指のロングストレートを持ち、迫力のTGRコーナー(1コーナー)でのブレーキング競争、続いて100Rにかけての超高速コーナーバトル、ダンロップコーナーでの突っ込み、つづら折りの峠道のような上りのセクター3など、道幅が広く低速から高速までパッシングポイントが多く非常にバラエティ豊かなダイナミックなサーキット。

 3月末のGTA公式テスト富士で、DENSO KOBELCO SARD GR Supraはドライのセッション4でトップタイム締めと仕上がりも良く相性の良いサーキットだけに、ここで流れを引き寄せてシーズン序盤戦を良い形に造り上げていきたいところ。新しい作戦も要求されるレース距離450kmの長丁場ゆえ、天候や運も含めてレース戦略&チーム総合力によって大きく勝負が左右される第2戦富士。脇阪寿一監督のもと、チーム一丸となって剛毅果断に勝利を狙っていった。

■公式練習走行

 3日(祝・火)9時から開始された公式練習走行は、前日の雨も上がり晴れ。気温13度/路面温度18度のなか、85分間のセッションが開始された。まずは関口がクルマの状況の確認のため路面が安定したころにハード側ドライタイヤを装着してコースイン。車高などの調整をしながら温めに周回を要したが、まずは11周目に1分28秒072とその時点で7番手タイムを記録。バランスも良かったことから長距離レースであることを見据えて、このままハード側タイヤでロングランを実施することとした。29秒台の安定したタイムでラップを重ねる関口。

 33周目からは中山がドライブ。混走セッションは38周を走行して、関口のマークした1分28秒072のタイムで7番手となった。10分間のGT500単独セッションでは、気温19度/路面温度27度とかなり上昇し、中山がソフト側タイヤでアタックシミュレーションへ。6周目に1分27秒389の4番手タイムをマークした。公式練習走行ではトータル45周を走行。その後、FCYテスト走行では関口が予選・決勝へ向けたハード側タイヤの準備を行うなど3周ほど走行。公式練習走行でロングランを中心としたプログラムを実施して決勝へ向けて好データを得られたセッションとなった。

2022スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■公式予選
■Q1:中山がアタックを阻まれる不運に

 3日(祝・火)Q1開始時点は、気温14度/路面温度21度で昼間から大きく路気温とも下がり曇りの肌寒ささえ感じるコンディション。決勝でのパフォーマンスを重点にハード側タイヤを選択していたが、タイヤが温まらないことも想定し開始早々にコースインしたファーストアタッカーの中山。しっかりと間合いと取りながら、じっくりとタイヤのウォームアップを開始。バランス良くタイヤも温まり、各車とも時間いっぱいの最終アタックを開始した6周目に何とペースの遅いクルマがセクター1から目の前に現れてしまう。ほぼ全周に渡って行く手を前の64号車に阻まれる不運で、思うようにアタックできず。1分29秒113の14番手タイムでQ2進出ならずとなった。

■決勝
■ウォームアップ走行

 4日(祝・水)13時10分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、まさに五月晴れとなり気温20度/路面温度32度のコンディション。まず関口がユーズドのハード側タイヤとニューのソフト側タイヤで皮むき。続いて3周目からは中山が公式練習走行でロングを実施したハード側タイヤでクルマの状況を確認。最後に関口がドライブし、ウォームアップ走行はトータル10周を走行。7周目に中山がマークした1分29秒952で11番手タイムとなった。

■決勝レース
第1スティント:中山がステディな走りでポジションアップ

 4日(祝・水)14時30分決勝スタート時点は、初夏の日差しの様な陽気となったなかで気温20度/路面温度33度のコンディション。久しぶりにグランドスタンドを埋め尽くした大観衆(5/4発表:4万4000名)の前で、14番グリッドから剛毅果断に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当の中山が、スタート直後の1コーナーでポジションを争うなかで両サイドから17号車と64号車に挟まれる接触でクルマにダメージを負うもポジションをふたつ上げ、前走車に連なりチャンスを窺う走り。

 26周目あたりから戦略が違う他車が1回目のピットインを始めるも、FCYやセーフティカー(SC)が出動する事態を注視しながら1回目のピットインをギリギリまで引っ張る戦略を取った。燃料の状況からピットを予定していたまさにその周となる43周目にヘアピンコーナー入口にてGT300車両がコースオフして激しくクラッシュ。そのアクシデント発生後、脇阪監督が即座に無線で中山をピットへ呼び戻した。いつでもピットインできる態勢を取っていたなか、FCYボードが出る直前にピットへ滑り込むことに成功した。

2022スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第2戦富士 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

第2スティント:関口がトップフィニッシュもペナルティで13位降格に

 ピットイン作業中にFCY宣言からのSC導入となり、素早いピットワークも相まって関口を3位で戦列に戻すことに成功。大きくジャンプアップする大躍進を見せた。その後、50周を終え赤旗中断となり約25分後にSC先導で再開。SC解除後の53周目の1コーナーでトップ36号車と37号車の2台が絡んでコースオフすると関口がポジション1位を奪取した。ここから上位3台による熾烈なバトルが展開。

 いくつかのコーナーで2位3号車との鍔迫り合いがあった後、59周目のストレートにて1位から3位のトップ集団が先頭争いの攻防戦のなかでスロー車両をかわす際に、2位3号車がストレート左のスタンド側ガードレールに激しくクラッシュ。クルマは大破したもののドライバーの高星明誠選手が大事に至らなかったのが幸いであった。ここで再び赤旗中断に。

 約1時間半後にSC先頭により再開されたが最終的には最大延長時間となる18時20分を過ぎたところでSC隊列のままチェッカー。DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、トップフィニッシュしたものの1回目赤旗中断時の作業開始許可前に、ドライバーが車両に触れたため、結果、ペナルティ+40秒により13位降格となった。ドライバーポイントは獲得ならずランキング10位、チームポイントは3点を加算しランキング9位となった。

関口雄飛

「レース後に高星選手のいる病院に行き、ご本人には直接会えませんでしたがお父様とお話ができました。皆様に頂いたご意見を真摯に受け止めます。残念な気持ちにさせてしまい大変申し訳ありませんでした。トップ争いの攻防のなかで起こってしまったことでしたが、高星選手が無事に退院できたことを聞き安堵いたしました」

中山雄一

「予選でのマシンのパフォーマンスはとても高い印象で、ポールポジションも狙える戦闘力を感じました。気温が少し低めだったことからタイヤに熱が入りづらく、最終ラップしかアタックのチャンスはありませんでしたが、前方でアタックしていた車両が余りにも遅く、コース半周にわたり蓋をされてしまいアタックすることができませんでした。悔しい予選となりました」

「決勝では最初の1コーナーでフロントのエアロが壊れてしまい、ペースを上げることが難しい状況になってしまいましたが、何とかチャンスを狙って走っていました。43周目のクラッシュから抜群のタイミングでピットインすることができ、3位まで順位を上げることができました。その後のトップ奪取のときはモニターに釘付けでした。レース後半には大きなクラッシュがありましたが、高星選手が無事に退院できたことに安心いたしました。これからも引き続き、ご声援のほどよろしくお願いいたします」

監督 脇阪寿一

「今回の決勝において、トップ争いのなかで起きてしまった事故に関しまして、各方面から様々なご意見をいただいております。ひとつひとつを真摯にしっかりと受け止めて、ドライバーを含むチーム全員で至らなかった点をしっかりと考え深く反省・改善します。今後この様な事故が起きない様に関係者とともに事故の調査分析と検証、再発防止と改善に取り組んで参ります」

2022スーパーGT第2戦富士 TGR TEAM SARD
2022スーパーGT第2戦富士 TGR TEAM SARD
2022スーパーGT第2戦富士 関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2022スーパーGT第2戦富士 関口雄飛/中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)


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