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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.05.09 17:26
更新日: 2023.05.09 17:31

TEAM KUNIMITSU 2023スーパーGT第2戦富士 レースレポート

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スーパーGT | TEAM KUNIMITSU 2023スーパーGT第2戦富士 レースレポート

RACE:2023 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE
DATE:予選:2023年5月3日 決勝:2023年5月4日
CIRCUIT:富士スピードウェイ(静岡県)
WEATHER:予選:晴れ/ドライ 決勝:晴れ/ドライ
RESULT:公式練習:1位 予選:1位 決勝:2位

 早くもシーズン2戦目を迎えた2023年スーパーGTシリーズ。5日3、4日、大型連休中の恒例イベントとして富士スピードウェイで開催された1戦は、コロナ対策緩和もあって大いに盛り上がった。予選でポールポジションを手にしたチームクニミツのNo.100 STANLEY NSX-GTは、ライバルたちとの攻防戦に挑み、2位でチェッカー。今シーズン初の表彰台に上がっている。

◎予選日:

 開幕戦とはうってかわり、安定した好天気に恵まれた第2戦富士。霊峰富士も雪化粧を纏った雄姿を見せ、ファンにとってはなによりのレース観戦日和になった。公式練習は9時5分にスタート。GT300クラスとの混走枠を経て、最後はGT500専有走行が10分にわたって行われた。

 気温18度、路面温度30度とスタート時はまだ冷たい風も吹くコンディションだったが、セッション終了時には気温21度、路面温度35度まで上昇。チームでは、午後からのノックアウト予選を見据え、セッティング確認や持ち込みタイヤの見極めなど、さまざまなメニューに沿って走行を重ねた。

 No.100 STANLEY NSX-GTは、まず山本尚貴選手が乗り込み、持ち込みセットを確認。ピットでの作業を含めて調整を重ねて30分近くドライブし、GT300クラス混走中に牧野任祐選手へとスイッチした。

 続く牧野選手は山本選手がセットアップしたものを確認しつつ、さらに微調整を重ねていく。また、GT500専有走行時もドライブを担当。アタックシミュレーションでは、クラストップタイムとなる1分27秒629をマークする走りを見せた。

 練習走行でトップタイムをマークした牧野選手だったが、フィーリングの向上を目指し、また午後からさらに路気温が上昇することも想定し、コンディションに見合ったセットアップのアジャストが必要と感じていた模様。セッション終了後も時間が許す限り、山本選手とともにエンジニアとのミーティングを重ねていた。

 ノックアウト予選は15時48分にスタート。気温20度、路面温度35度というコンディションのなか、山本選手がQ1を担当する。タイミングを見計らい、アタックに向かった山本選手。計測5周目に1分27秒459をマークして暫定6番手につける。

 チェッカーが迫るなか、引き続きファイナルラップアタックに向かうと、1分27秒242とさらにタイムを縮めた。一方、最終ラップで自己ベストタイムを更新したライバルも多く、結果、山本選手は8番手でQ1通過を果たし、牧野選手へとバトンを繋いだ。

 午後4時26分からのQ2は、やわらかな夕日が差し込む中でのアタックとなる。Q1と比べ、気温は1度下がったものの路面温度は変わらず。牧野選手は続々とタイムを上げるライバルたちを追いかけるようにしてアタックを行うと、1分26秒420をマークしてトップに躍り出る。

 さらにもうワンラップアタックに向かったが、自己ベストタイムに約0.1秒及ばず。しかしながら、今シーズン初となるポールポジション獲得に成功した。なお、牧野選手にとっては昨シーズン最終戦もてぎ大会以来、自身2度目のポールポジションとなる。

2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

「予選に向けて行なったセット変更が狙ったとおりではなかった」という山本選手だったが、「バランスに手を焼いたが、Q1を通過できたので仕事はできたと思う」とホッとした表情を見せた。

 そして、「クルマのポテンシャルをもっと見せたかったという悔しさがある」と言いつつ、決勝に向けては「1番前からスタートできるので、逃げ切れる強いレースをしたい」とシーズン初優勝に向けて健闘を誓った。

 また、自身の手でポールポジションを掴み取った牧野選手は、「Q1後、山本選手からのフィードバックを受けてやってもらったアジャストによって、気持ちよく走ることができた」と感謝しつつ、「ポールポジションを獲得したことはうれしいが、僕たちには開幕戦の借りがあるので、しっかりと頑張りたい」と、岡山戦での悔しさを糧にして善戦すると意気込んだ。

2023スーパーGT第2戦富士 山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT)
2023スーパーGT第2戦富士 山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT)

◎決勝日:

 決勝の朝を迎えたサーキットは薄曇り。富士山も雲に覆われ姿が見えなかったが、この日来場した4万8600人ものファンの熱気が届いたか、決戦が近づくにつれ薄日が差しはじめ、気温も20度を超えて爽やかな五月晴れが戻ってくる。

 正午から20分間のウォームアップ走行からのスタート進行が始まると、グリッドには多くの関係者が激励に訪れるなど、高揚感に包まれることとなった。

 13時30分、まずは静岡県警の白バイ9台、パトカー4台に先導される形でパレードランがスタート。富士山もこれから始まる100周の戦いを見守るかのように美しい姿を現した。

2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

 No.100 STANLEY NSX-GTのスタートドライバーを務めるのは、牧野選手。気温22度、路面温度は38度まで上昇するなか、フォーメーションラップを経て450kmの戦いが幕を開けた。

 早速、1コーナーに向けて予選2番手の19号車GR Supraがイン側を取って攻め入るが、牧野選手は落ち着いてアウト側からトップをキープ。その後も落ち着いて周回を重ねていく。

 なお、今回のレースでは最低2回の給油義務があり、また持ち込みタイヤは昨シーズンよりも1セット削減されている。これをどう戦略に取り入れるかも含め、チーム一丸の戦い方が問われる重要な1戦となる。

 レースは10周を過ぎ、2番手につける16号車NSX-GTとの差が縮まり、接近戦へ。しかし、牧野選手はこれを上手く凌ぎながらさらに周回を重ねていった。

 一方で、ライバル勢は22周終了を境に、1回目のピットインをはじめていたが、No.100STANLEY NSX-GTは、31周目にコース上でタイヤバーストを被ったGT300車両が現れたことを受け、FCY(フルコースイエロー)が入る可能性を推測。当初予定していなかったタイミングでピットに帰還した。

 慌ただしい状況ながら、ピットでは給油とタイヤ交換を迅速に行うと、そのまま牧野選手がコースに復帰。その直後、先にピット作業を終えてタイヤが存分に温まっていた8号車NSX-GTと接近戦となって1コーナー進入のタイミングで先行を許したが、GT500クラス車両すべてが1回目のピット作業を終えた時点で3番手から追い上げを開始することになった。

 クリーンな戦いで前半戦を終えると、3番手で周回を続ける牧野選手は安定した走りを続け、2回目のピットインを63周終わりで実施。今度は山本選手へ交代し、給油、タイヤ交換のフルサービスを37.3秒で終了する。

2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

 そして、すべてのGT500クラス車両が2回目のピットインを終えた78周終了時点で、No.100 STANLEY NSX-GTは2位を走行。表彰台は確実であったが、トップとの差は約17秒に。一方で、3位とも約7秒の差がついており、山本選手はひたすら前を追って力走を続けた。

 レース後半もFCYはもとよりセーフティカーも介入することなく、理想的なコンディションで戦いが続けられていたが、95周目に3番手を走る24号車ニッサンZにアクシデントが発生する。だが、レース自体に影響はなく、そのままレースは続行。

 結果、No.100 STANLEY NSX-GTを含むトップ3はそれぞれ“ひとり旅”での走行でチェッカーフラッグを受けることになった。今シーズン初の表彰台を2位で終えたNo.100 STANLEY NSX-GT。

 予選ポールからのスタートだったこともあり、悔しさを秘めた表彰台ではあったが、この思いをバネにして続く第3戦鈴鹿でも強さ、速さを存分に発揮し、力強い戦いを続けていきたいところだ。

2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2023スーパーGT第2戦富士 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

◎小島一浩監督

「ポールポジションからのレースで2位ということになり、とてつもなく残念な気持ちでいっぱいです。しかしながら今シーズン初めてレースができたという思いもあります」

「これを機に、次の鈴鹿に向けてみんなで頭をひねり、いい形で取り組めるように頑張ります。引き続き応援をよろしくお願いいたします」

◎山本尚貴選手

「今回はちょっと変則的な戦略となり、牧野(任祐)選手がまずツースティント担当しました。少し苦戦しているような感じもありましたが、後方からの攻撃を押さえて、頑張ってトップを守ってくれました」

「その中でもピットインのタイミングがポジション争いをしている他車と違ったこともあり、順位を下げてしまいました。ベストを尽くしましたが、36号車の速さには追いつきませんでした」

「また、ポジション争いをしていた他車に対しても、ペース的には負けていたと思うので、この先に向けて改善して、次の富士ではリベンジしたいですね」

「次戦の鈴鹿は、サクセスウエイト(32kg)的にははまだまだチャンスがあるので、優勝を目指して頑張ります。応援よろしくお願いします」

◎牧野任祐選手

「ピットインの作戦が、まず予定どおりにはなりませんでした。本来は自分がダブルスティント行く予定ではありませんでした。タイヤトラブルが出ていたクルマがいたので、FCYが出そうだという感じだったので、ピットインすることにしました」

「今日は36号車(au TOM’S GR Supra)のペースが純粋にちょっと速かったんで、完敗かなと思います」

「ただ、僕たちとしてはやれることはやったと思うので、悔しい結果ですが2位で終わることはできました。まだまだシーズンは長いので、次に向けてしっかりと準備して、頑張りたいと思ます」


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