パドックを出て観客席の方に向かうと、各ブース、様々な展示やトークショーなどを催して盛り上がっていました。
ホンダのブースの目玉は、メリーゴーラウンドのように回るバイクのまたがり体験。レプソル・ホンダのRC213Vをはじめとする4種類のバイクにまたがることができ、そのうち3つはコーナリングの姿勢で乗車できました。
私も体験してみましたが、意外とキツい……。約1分間、この姿勢のままで2周回るのですが、後半は腕も太もももプルプルしていました(笑)。3月に行われた第50回東京モーターサイクルショーや7月の鈴鹿8耐でも同様のものがブースで行われていたようですが、今回はコーナリング姿勢のものを増やしたということもあり、常に長蛇の列ができていました。
ヤマハのブースでは、発売予定の新車が展示されていました。その中でも、『XSR125』というバイクがクラシックスタイルで可愛くて気になりました。実際にまたがってみたところ意外と車高が高くて驚きましたが、乗る分には問題なく、私の気になるバイクリストに追加されました! このバイクは2021年に欧州向けに発売されたもので、日本でも近いうちに発売されるようです。
今回の日本GPのブースの中でも特に、『日本人ライダー応援ショップ Go! Japan Rider!』が気になった人は多かったのではないでしょうか。このショップは故・加藤大治郎さんのグッズを取り扱うDaijiro.netのショップに併設されており、Moto2、Moto3の日本人ライダーの応援グッズが並んでいました。ブースは盛況で、金曜日の午後に訪れた時にはすでに小椋藍選手のシャツの一部サイズは完売、その他品薄なものがいくつか出てきていました。
このブースに関しては、ひとつ隠れネタがあります。日曜日のMoto3クラスの決勝で2位表彰台を獲得した佐々木歩夢選手が、故・加藤大治郎さんの使用した日本国旗をウイニングランで振ったというのは多くの人が知るところだと思いますが、実はその旗は、金曜日の時点ではこの日本人ライダー応援ショップに飾られていたのです。加藤大治郎さんが使用し、金曜日にはお客さんを出迎えた日本国旗が、レースの後、日本人ライダーによって振られていたというのは、なんとも胸熱な話だ……と感動しながら、佐々木選手のウイニングランを眺めていました。
観客席の方では、美味しそうな食べ物の露店が並んでいます。ヨーロッパのいくつかのサーキットでMotoGPやSBKを観戦しましたが、間違いなく言えるのは、サーキットグルメは日本GPが圧倒的No.1ということです。ヨーロッパのGPでは各観客エリアにつき食べ物のお店が大体ひとつのみ。どこも同じものしか置いておらず、ピザやサンドウィッチ、ポテトチップスと飲み物類だけであることがほとんどです。たまにアイスクリームショップを見つけると嬉しくなるレベルでした。
ところが、日本GPでは選ぶのがほんっっとうに大変なくらい選択肢が多く、しかもどれもとても美味しそう。グランドスタンド裏の露店だけでなく、特設されたビクトリースタンドの裏にも、素敵な匂いを漂わせるキッチンカーが並んでいます。
私も、取材のために向かったのにも関わらず、大好物の牛タンを見つけて思わず購入。サーキットでこんなに美味しいものが食べられることがいかに素晴らしいことか……と噛み締めました。
この辺りでは、何人かの観客の方にインタビューを試みました。海外からのお客さんにも留学で身につけた(?)英語やスペイン語を活かし、頑張って話しかけました。意思の疎通はバッチリできたのでひと安心。世界中からのユニークな観客と話すことができて、とても良い経験ができました。
入場口の外に出ると、金曜日から日曜日まで、1日2回ほど、KTM所属のRed Bullアスリート・アルナス・“アラス”・ギビエザがスタントショーを開催していました。使用されていたバイクはKTMの『890 Duke R』。私もそのバイクに乗ったことがありますが、同じバイクとは思えないほど軽々しく飛んだり跳ねたりしていて驚愕しました。私が見た回は、ちょうど金曜日の走行終了後ということもあり、隣のステージで開催される前夜祭を見にきた人や帰ろうとした人が足を止めてスタントショーを見ていて、金曜日からとても盛り上がっていました。
そんなこんなで、レース以外にも内容盛りだくさんなMotoGP第14戦日本GPでした。余談ですが、木曜日の夜に、ギリシャのテレビ局の人から、日本でバイクがあまり人気ではないのはなぜか、という題材でインタビューを受けました。日曜日の決勝の合間に流れるトピックとしてのコンテンツらしく、「これで君はギリシャで有名人だね!」と言われました(笑)。
観客ではなく、取材する側としてサーキットに行くのは初めてでしたが、他の編集の方々や多媒体のジャーナリストの方などの仕事を実際に生で見ながら勉強でき、多くのことを吸収できた4日間でした。とはいえ、取材の場面で自分の力量に歯痒さを感じた場面も多くあったので、これからまた勉強の日々です。
MotoGPは1週間のインターバルを経て、今週からインドネシア、オーストラリア、タイと3連戦です。最後6戦、タイトル争いも加熱してくるタイミングです。各ラウンド注目して参りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
