全日本ロード選手権JSB1000クラスに参戦する水野涼は、SDG DUCATI Team KAGAYAMAで早くも3年目のシーズンを迎える。今年の5月で28歳となるだけに再び世界へチャレンジするためには、今シーズンのチャンピオン獲得は必須の条件だと水野は考えている。

 2024年にTeam KAGAYAMAは、ドゥカティのファクトリーマシンを初めて全日本ロードレースに持ち込み、初年度は3勝を挙げてランキング3位となった。

 2025年はデータもそろい、チャンピオンを狙うシーズンと位置付けていた。開幕戦もてぎでは、圧倒的な速さを見せて優勝と幸先の良いスタートを切ったが、その後のSUGOテストで転倒し負傷。マシンも炎上するダメージを受けSUGOラウンドを欠場と、ここから流れが悪い方向に行ってしまった。最終戦鈴鹿をダブルウインで締めたが、雨に助けられた部分も大きかったと語る。そんな紆余曲折を経て迎える2026年シーズン開幕を前に水野に話しを聞いた。

「勝負の年という意味では毎年変わりません。昨年もチャンピオンを目指しましたが、SUGOでケガをしてタイトル争いから離脱してしまったので、ドゥカティ2年目としてはふさわしくないシーズンでした。以前、何かの記事読んだのですが、中須賀さんの言葉で“チャンピオンを獲ることに意味があるから、勝ちにいけるレースといけないレースがあれば、着実に勝てるレースを取る”というのがあったんです」

「僕の場合、常に1番を目指すというのがモットーだったので、結果的に転倒してしまうこともありました。中須賀さんでさえ、そうやって戦うのかと改めて思いましたし、今シーズンはチャンピオンを獲るための戦いを意識して、勝つだけではなく、リスクと勝つ可能性を計算しながらやっていきたいと思っています」

SDGカラーとなったDUCATI Panigale V4R。引き続き2023年モデルのファクトリーマシンで戦う

 そう語る水野だが、決して守りに入るのではなく、レーシングライダーとしてレベルアップした水野涼を見せたいという想いが強くなってきているようだ。

「あくまで自分は、勝ちにこだわってレースをしたいですし、チャンピオンを獲りたくてTeam KAGAYAMAに移籍したので、1番になりたいという思いはまったく変わりません。昨年は、チャンピオンの獲り方をわかっていたつもりでしたが、どこかで先走っていたと思う部分もありました」

「常に1番を目指すスタイルで、それでレースに出られなかったら本末転倒ですし、とにかくレースで上位にいることを最優先にやっていきたい。だから全然気持ちが冷めたわけではなく、よりチャンピオンを獲りたいという気持ちは強くなったからこそ、我慢できるというか、少し心の余裕もできたというか、冷静に戦えそうです。これは、昨年に怪我で欠場してテレビでレースを観ていた時や、シーズンを終えた時にも改めて思いました」

■もてぎは相性のいい得意なサーキット

 今シーズンも開幕の舞台となるのは栃木県・モビリティリゾートもてぎ。昨年は、独走で優勝を飾っている。先だって3月25日から2日間行われたPRE-TEST“Round ZERO”は、初日はドライ、2日目はウエットと異なるコンディションで行われた。初日は4番手にとどまったが、2日目はトップタイムをマークしてテストを終えている。

カラーリング変更に伴い、レーシングスーツも白を基調としたものになった

「昨年の最終戦鈴鹿以来のTeam KAGAYAMAパニガーレでの走行だったので、まずは、マシンと自分自身の身体のチェックから始めたのですが、初日はチェックレベルの項目で終わってしまい、2日目にドライのセットを進めたかったのですが、雨になってしまったので自分たちにとっては時間が足りなかったですね。もっとドライで試したかったことがあったのですが、ウエットでも確認できることをやった中で、2日目はトップタイムだったので、いいテストになったと思います」

 2026年シーズンの開幕戦となる、もてぎ2&4レースは、いよいよ今週末に迫ってきた。天気予報は、雨マークもありコンディションは微妙なところ。新路面となったことで車体セットも昨年とは変わって来ているようだ。

ウエットコンディションとなったテスト2日目は、2本目に変更したセットが功を奏しトップタイムをマークした

「得意としているサーキットですし、今年も勝って1年をスタートしたいですね。ウエットの感触もよかったのですが、できればドライでレースがしたいですね。現状では中須賀さんが一歩抜きん出ている印象ですが、もてぎではドゥカティでの初優勝や、昨年の開幕戦も勝っているので相性はいいです。ただ、そこを意識し過ぎないように、新しくなった路面や今年の仕様をしっかり詰めて、限られた時間の中で全力を尽くすだけですね」

 絶対王者として君臨してきた中須賀克行が、今シーズン限りでの引退を表明した。水野は、偉大な先輩ライダーに最大限のリスペクトを払いつつ、その王者を倒して頂点に立つ最高の青写真を描いている。

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