800cc時代の後期、ホンダはふたつの重要な技術を、同社のF1マシンのプログラムから導入した。

 2010年にはトルクセンサーが登場し、ギヤボックスのアウトプットシャフトに取り付けられた。いわゆるトルダクターは、リヤタイヤへのパワー伝達量を測るものだが、最大のパワーをリアルタイムで常にライダーが使えるように改良された。

 翌年にはシームレスギヤボックスが導入され、早くスムーズなギヤチェンジが可能になった。これによりストレートでの加速が多少有利になり、コーナリングでは大きなメリットが生まれた。なぜならライダーは、以前はリスクのあった深いバンク角でのギヤチェンジを行うことが可能になったのだ。

 RC212Vのシームレスギヤボックスは、ホンダのエンジニアリングにおける類まれな能力を完璧に示している。同様のギヤボックスがF1マシンにしばらく使用されていたが、その技術をすべてバイクのサイズのギヤボックスに詰め込もうとする者は誰もいなかったのだ。ホンダの最初のMotoGPシームレスユニットは、内部に時計があるようなものだった。

 HRCはまた、多種多様なシャシーコンセプトをRC212Vに試した。低速でのコーナリングと、高速時の安定性の間の最適な妥協点を見い出すために作業が行われた。エンジニアたちはCNC加工部門で組み立てられた従来のアルミフレームから始めた。そして2010年にはカーボンファイバー/アルミ複合素材を試し、同時にサスペンションをオーリンズのものに切り替えた。ケーシー・ストーナーが2011年にMotoGP世界タイトルをRC212Vで獲得した時は、すべてアルミ製のフレームを使用していた。

 5年間の800cc時代におけるパフォーマンスの向上は、990cc時代における改善と同様に印象強いものだった。2011年のムジェロでの800ccは、2006年のイタリアGPで990ccが出したタイムよりも1周あたり約2秒も速かった。その2011年には、ケーシー・ストーナー(レプソル・ホンダ)がチャンピオンを獲得。ホンダとしては2006年以来のシリーズチャンピオンとなった。

ホンダ名バイク(3):RC213Vに続く

2011年MotoGP:ケーシー・ストーナー
2011年MotoGP:ケーシー・ストーナー

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