2007年6月10日、小山知良はスペイン・カタロニアサーキットの表彰台に上がり天を仰いでいた。KTMワークス入りを果たし、エースライダーとして世界フル参戦3年目を迎えた24歳の小山は、希望に満ちあふれたシーズンを迎えていた。
しかし、シーズン序盤は、マシントラブルや転倒、そして発展途上なインジェクションに悩まされ、なかなか結果を出せずにいた。「車体に関しては、ハマるときは、すごくいいんだけれど、スイートスポットが狭かった。それまでKTMに乗っていたミカ・カリオとかケーシー・ストーナーに比べると体型的に背が低いし、走らせ方も違うので、すごく難しかったですね。車体に関しては、今までで一番ピーキーなバイクでした」