KTM勢はこのテストで苦戦しており、総合順位としてはミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)の16番手が最上位だった。ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)はこれまでに、フロントの負荷が少し大きいのではないか、と語っており、4日目にはフロントの空気圧を少し抜いて改善方向に向かったことを明かしていた。
最終日を終えてオリベイラは、全体的にテストはよかった、と前向きなコメントを残している。
「レースに向けた準備はできている。最後に細かいセットのテストができたらよかったんだけどね。それはレースウイークに向けて必要になるものだったから。とてもいいテストデーを過ごした。4日間、生産的なテストだったよ。パフォーマンスの面では作業する時間は十分ではなかったけれど、いいテストになったと思う」
オリベイラはコンセッション(優遇措置)の適用を外れることについても、「心配はしていない」と言う。KTMは2020年でコンセッションの適用を外れたが、今季開幕までにエンジンのアップデートについては可能になっている。
「エンジンの面では、(基数が少なくなるので)きつくなるけれど、新しいエンジンスペックでは、そういう風に考えて開発されたから、長持ちするようにマテリアルを投入した。それに、ここまでエンジンの問題は出ていない。だから、まったく心配はしていないよ」
なお、このテストにはダニ・ペドロサとともにテストライダーを務めるミカ・カリオは同行していなかった。ビンダーとオリベイラという若いファクトリーライダーふたりと、テック3・KTM・ファクトリーレーシングに新加入したペトルッチ、イケル・レクオーナ、それにペドロサによってテストが行われている。
カリオは負傷が伝えられていたが同行しなかった理由はそれではなく、テストの準備で忙しかったので、元々カタール公式テストにカリオが参加する予定はなかった、ということだ。
今季唯一コンセッションの適用を受けるアプリリアは、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が総合6番手につけ、チームメイトのロレンツォ・サバドーリは総合26番手。エンジンのほか、フロント部分のエアダクト、ウイングレット、そしてフロントカウルの形状などがアップデートされたRS-GPをテストした。
アレイシ・エスパルガロは総合順位だけではなく、4日間を通じてコンスタントにトップ6以内につけている点も注目したいところ。今季はKTMを除き、4メーカーのエンジンのアップデートはない。アプリリアにとっては彼らとの差を縮めるチャンスのシーズンだろう。
カタール公式テストは5日間の日程を終了し、いよいよ3月26日~28日、カタールGPでMotoGPの2021年シーズンが開幕する。
